相続税 計算 方法と基礎控除 税率表 早見表

相続税 計算 方法と基礎控除 税率表 早見表

相続税 計算の基本と手順

相続税計算の3ステップ
📊
課税遺産総額の算出

相続財産の合計から基礎控除額を差し引く

💰
相続税の総額計算

法定相続分に応じて各相続人の取得金額を仮定し税額を算出

🧮
実際の納付税額の決定

相続割合に応じて各相続人の納付税額を計算

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相続税 計算の対象となる財産の範囲

相続税の計算において、まず重要なのは課税対象となる財産の把握です。相続税の対象となる財産には、現金や預貯金、不動産、有価証券などの一般的な資産だけでなく、生命保険金や退職金なども含まれます。

 

具体的な課税対象財産は以下の通りです。

  • 現金・預貯金
  • 不動産(土地・建物)
  • 有価証券(株式・債券など)
  • 事業用資産
  • 生命保険金(一定額を超える部分)
  • 退職金(一定額を超える部分)
  • 骨董品・美術品
  • 自動車・船舶
  • 貸付金・売掛金

一方で、以下のような財産は非課税とされています。

  • 墓地や仏壇
  • 生命保険金や退職金の一定額まで
  • 相続人が障害者の場合の特別障害者扶養信託契約に関する権利

これらの財産を正確に把握し評価することが、相続税計算の第一歩となります。

 

相続税 計算における基礎控除額の重要性

相続税の計算において、基礎控除額は非常に重要な役割を果たします。基礎控除額は、相続税が課税される最低ラインを決定する要素であり、この金額を超えない相続であれば、原則として相続税は課税されません。

 

基礎控除額の計算式は以下の通りです。
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
例えば、配偶者と子供2人が相続人の場合、基礎控除額は以下のように計算されます。
3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円
つまり、この場合、相続財産の総額が4,800万円以下であれば、相続税は課税されないことになります。

 

基礎控除額は、2015年1月1日以降に発生した相続から改正され、それ以前の「5,000万円 + (1,000万円 × 法定相続人の数)」から引き下げられました。この改正により、相続税の課税対象が広がったことに注意が必要です。

 

相続税 計算で使用する税率表の詳細解説

相続税の計算には、段階的に税率が上昇する超過累進税率が適用されます。具体的な税率表は以下の通りです。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% -
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

この税率表を使用する際は、以下の点に注意が必要です。

  1. 各段階の税率は、その段階に達した金額全体に適用されるのではなく、超過した部分にのみ適用されます。
  2. 控除額は、計算を簡略化するために設定されており、実際の税額計算では(取得金額 × 税率 - 控除額)という形で使用します。

例えば、法定相続分に応ずる取得金額が4,000万円の場合、税額は以下のように計算されます。
4,000万円 × 20% - 200万円 = 600万円
この税率表を正しく理解し適用することで、相続税額の概算を正確に把握することができます。

 

相続税 計算における配偶者の税額軽減措置

相続税の計算において、配偶者に対しては特別な税額軽減措置が設けられています。これは、夫婦で築いた財産の半分は配偶者の寄与によるものだという考え方に基づいています。

 

配偶者の税額軽減措置の概要は以下の通りです。

  1. 配偶者が相続により取得した財産の金額が、次の①と②のいずれか大きい金額までであれば、配偶者に相続税はかかりません。

    ① 配偶者の法定相続分相当額
    ② 1億6,000万円

  2. 上記の金額を超える部分についてのみ、通常通り相続税が課税されます。

例えば、相続財産総額が3億円で、配偶者と子供1人が相続人の場合を考えてみましょう。

  • 配偶者の法定相続分:1億5,000万円(3億円の1/2)
  • 1億6,000万円の方が大きいので、配偶者は1億6,000万円まで相続税がかかりません。
  • 残りの1億4,000万円について相続税が計算されます。

この措置により、多くのケースで配偶者の相続税負担が大幅に軽減されることになります。ただし、この軽減措置を受けるためには、相続税の申告期限内に「配偶者の税額軽減の適用を受ける旨」を記載した相続税の申告書を提出する必要があります。

 

国税庁:配偶者の税額軽減(配偶者控除)
配偶者の税額軽減措置の詳細な条件や適用方法について、国税庁の公式サイトで確認できます。

 

相続税 計算の実践:具体的な事例での試算

相続税の計算方法をより深く理解するために、具体的な事例を用いて試算してみましょう。以下の事例を考えてみます。
【事例】
被相続人の財産:1億2,000万円
相続人:配偶者、長男、長女の3人
実際の相続割合:配偶者60%、長男25%、長女15%
Step 1: 課税遺産総額の計算
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円
課税遺産総額 = 1億2,000万円 - 4,800万円 = 7,200万円
Step 2: 相続税の総額計算
法定相続分:配偶者1/2、長男1/4、長女1/4
配偶者:3,600万円 × 20% - 200万円 = 520万円
長男:1,800万円 × 15% - 50万円 = 220万円
長女:1,800万円 × 15% - 50万円 = 220万円
相続税の総額 = 520万円 + 220万円 + 220万円 = 960万円
Step 3: 実際の納付税額の計算
配偶者:960万円 × 60% = 576万円
長男:960万円 × 25% = 240万円
長女:960万円 × 15% = 144万円
ただし、配偶者の税額軽減措置により、配偶者の相続税額は0円となります。

 

最終的な納付税額。
配偶者:0円
長男:240万円
長女:144万円
この例では、相続税の計算過程と配偶者の税額軽減措置の影響を具体的に見ることができます。実際の相続では、さらに複雑な要素が加わる可能性がありますが、基本的な計算の流れはこのようになります。

 

相続税の計算は複雑で、専門知識が必要な場面も多くあります。特に、事業承継や海外資産の相続など、特殊なケースでは税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

 

国税庁:相続税の計算のしかた
国税庁のウェブサイトでは、相続税の計算方法についてより詳細な情報が提供されています。実際の計算の際の参考にしてください。

 

以上、相続税の計算方法について、基本的な考え方から具体的な事例まで解説しました。相続税の計算は複雑ですが、基本的な仕組みを理解することで、概算額の把握や相続対策の検討に役立てることができます。相続の際には、この知識を基に、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、適切な対応を取ることが重要です。