専従者給与源泉徴収とは|届出・計算方法・年末調整の手続き

専従者給与源泉徴収とは|届出・計算方法・年末調整の手続き

専従者給与と源泉徴収

専従者給与が月額8万8,000円未満なら源泉徴収は不要です。


参考)専従者給与の源泉徴収をわかりやすく解説|計算方法・注意点まと…


この記事のポイント
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源泉徴収の基準額

社会保険料控除後の給与が月額8万8,000円以上で源泉徴収が必要になります

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届出の提出期限

青色事業専従者給与に関する届出書は原則3月15日までに税務署へ提出します

🧮
年末調整の義務

専従者給与も一般従業員と同様に年末調整と給与支払報告書の提出が必要です

専従者給与の源泉徴収が不要になる金額設定


専従者給与は一般の給与と同様に源泉徴収の対象となります。ただし、社会保険料等を控除した後の給与額が月額8万8,000円未満であれば、源泉徴収は不要です。


参考)専従者給与(控除)のポイント~要件・源泉徴収~


つまり、事務負担を軽減したいなら、この基準額を下回る金額で給与を設定するのが有効です。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/family/

月給8万円程度であれば年間96万円となり、専従者本人の所得税負担も発生しません。事業主側では全額を経費計上でき、専従者側でも非課税範囲に収まるため、双方にメリットがあります。


ただし、事業主の所得税率が高い場合は、適正な範囲内で専従者給与を多めに設定した方が節税効果が大きくなるケースもあります。求人サイトで同様の仕事内容や時給を比較し、相場に見合った金額を設定することが重要です。

専従者給与の源泉徴収税額の計算手順

源泉徴収が必要な場合は、国税庁の「給与所得の源泉徴収税額表」の月額表を使用します。

計算は以下の手順で行います。

  • 支給する給与から社会保険料を控除した金額を算出する
  • 扶養控除等申告書の提出状況を確認する(甲欄・乙欄の判定)
  • 扶養親族の数を把握する
  • 税額表の該当欄から源泉徴収税額を読み取る

例えば給与総額が10万円で社会保険料が1万円の場合、課税対象額は9万円です。扶養控除等申告書を提出している専従者は甲欄で源泉徴収します。


参考)http://www.kimotokaikei.com/kimoto/qa_zeimu/qa_zeimu143.html


専従者は事業主の下で専ら従事しているため、主たる給与として甲欄適用が基本です。

仕訳は「専従者給与」と「預り金(源泉所得税)」に分けて記帳します。例えば専従者給与20万円から源泉所得税2万円を控除して支給した場合、専従者給与20万円を借方に、現金18万円と預り金2万円を貸方に計上します。


参考)https://support.yayoi-kk.co.jp/business/faq_Subcontents.html?page_id=682

専従者給与に関する届出書の提出期限と変更手続き

専従者給与を経費計上するには、「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の税務署に提出する必要があります。


参考)青色事業専従者に年末調整は必要?

提出期限は、専従者給与を支払う年の3月15日までです。その年の1月16日以後に開業した場合や、新たに専従者がいることになった場合は、その日から2か月以内が期限となります。


参考)青色事業専従者給与の変更届の手続について


給与額を変更したい場合は、「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を遅滞なく提出します。年度途中の変更も可能ですが、変更した給与が適正であることを証明できるよう準備しておく必要があります。


参考)「青色専従者給変更について教えてください。」


3月15日までという期限は新規届出の場合であり、変更届は変更が生じた時点で早めに提出すれば問題ありません。

届出書には給与規程の写しを添付することもあります。届出内容を超える金額を支払うと、超過分が経費として認められないリスクがあるため注意が必要です。


参考)「専従者給与の源泉徴収について」


専従者給与の年末調整と給与支払報告書の提出義務

専従者給与を支払っている事業主は、一般従業員と同様に年末調整を行う義務があります。


参考)専従者給与をもらっていると確定申告は必要?書き方も解説

年末調整によって、源泉徴収した税額の年間合計と年税額を一致させる精算を行います。年末調整を実施した後は、市区町村の役所へ給与支払報告書を提出する必要があります。


給与支払報告書は、給与の源泉徴収票と同じ内容です。


参考)税理士ドットコム - [源泉徴収]専従者の給与支払報告書の書…

支払金額は、給与が月末締め翌月払いの場合、1月支払から12月支払までの合計額を記載します。例えば12月分給与を翌年1月末に支払う場合、その年の給与支払報告書には含めません。

専従者本人は、年末調整が行われていれば基本的に確定申告は不要です。ただし、専従者として従事している事業以外にパートなどで収入がある場合は確定申告が必要になることがあります。

この場合、専ら従事しているという専従者の要件から外れる可能性もあるため注意しましょう。

専従者給与と配偶者控除の選択による節税効果の違い

専従者給与と配偶者控除は併用できません。


どちらか一方を選択する必要があります。配偶者控除は、納税者の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が一定額以下の場合に適用されます。


参考)専従者給与と配偶者控除はどちらが得?節税効果による使い分け方…


配偶者控除の控除額は、納税者本人の所得金額に応じて最大38万円です。一方、専従者給与は実際に支払った給与の全額を経費計上できます。


結論は、事業主の所得が高いほど専従者給与の方が有利です。


例えば事業所得が500万円で専従者給与の平均が180万円、所得が1,000万円で専従者給与の平均が244万円というデータがあります。配偶者控除の38万円と比較すると、専従者給与の方が大きな節税効果を生むケースが多いです。


参考)https://satoscpa.com/column/senjumax

ただし、専従者給与を支払うと配偶者自身にも住民税や所得税の負担が発生する点に注意が必要です。給与収入のみで110万円を超えると住民税が、160万円を超えると所得税が発生します。

社会保険料の負担も考慮すべき要素です。

専従者給与の適正額と税務調査で否認されないポイント

専従者給与には法律上の上限額はありませんが、勤務実態に見合った適正な金額である必要があります。


参考)青色専従者給与はいくらまでOK?金額設定の考え方と注意点を解…

相場を大きく超える高額な給与を支給すると、税務署から「不相当」と判断されて経費計上を否認される可能性があります。適正額の判断には、同業種・同地域の求人情報や、専従者の業務内容・労働時間が参考になります。


実態のない勤務には給与を出せません。

名義上だけの関与では認められず、帳簿・タイムカード・業務日報などで勤務実態を証明できる記録が必要です。届出書に記載した金額を超える給与を支払うと、超過分が経費として認められないリスクもあります。


支払日ごとに帳簿や出金記録を残すことも重要です。現金払いでも振込払いでも、証拠を残す必要があります。

給与明細は発行した方がよいでしょう。専従者給与は他の従業員と同様の扱いとなるため、適切な給与管理が求められます。

国税庁「青色事業専従者給与と事業専従者控除」の詳細はこちら
専従者給与の要件や届出方法について、国税庁の公式ページで確認できます。


専従者給与の源泉徴収の計算方法と注意点の参考記事
源泉徴収税額表の見方や具体的な計算手順について、実務に即した解説があります。




サンビー 科目印 損失の部 < 専従者給与 > 406