勘定科目リース料の仕訳と税務処理

勘定科目リース料の仕訳と税務処理

勘定科目リース料の仕訳と税務処理

リース料は雑費で処理すると税務調査で指摘されます。


この記事のポイント
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リース取引の種類による処理の違い

ファイナンス・リースは資産計上が原則、オペレーティング・リースは費用処理が基本です。契約内容の判定が税務処理の出発点になります

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中小企業の特例処理

中小企業はファイナンス・リースでも賃貸借処理が可能です。300万円以下のリース契約なら資産計上せずに費用処理できます

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消費税の控除タイミング

ファイナンス・リースはリース開始時に一括控除、オペレーティング・リースは支払時に分割控除します。処理方法の誤りは税務リスクにつながります

勘定科目リース料とファイナンス・リースの区分


リース契約には大きく分けて「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2種類があります。この区分を間違えると、会計処理全体が狂ってしまいます。


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ファイナンス・リースは、途中解約できない契約で、修繕費などの費用を借手が自己負担する契約です。実質的に資産を購入したのと同じ効果があるため、原則として「リース資産」と「リース負債」を計上する必要があります。リース期間が終わった後に所有権が移転するかどうかで、さらに「所有権移転ファイナンス・リース」と「所有権移転外ファイナンス・リース」に分かれます。


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所有権移転ファイナンス・リースは、リース期間終了後に所有権が借手に移転する契約です。譲渡条件付き契約や割安購入選択権付き契約が該当します。減価償却は自社で保有する資産と同様に、定額法または定率法で処理します。


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所有権移転外ファイナンス・リースは、所有権は移転しませんが、ファイナンス・リースの要件を満たす契約です。この場合、減価償却はリース期間を耐用年数とみなして、原則としてリース期間定額法で行います。リース料総額をリース期間の月数で按分して、その年度の減価償却費を計算する方法です。


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オペレーティング・リースは、ファイナンス・リース以外のリース取引を指します。中途解約が可能だったり、リース期間がリース物件の経済的耐用年数に比べて短い契約が該当します。オペレーティング・リースでは、リース料の支払時に「リース料」や「賃借料」として費用計上するだけで処理が完了します。


資産計上は不要です。



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勘定科目リース料の仕訳方法と処理タイミング

オペレーティング・リースの場合、リース料を支払ったタイミングで費用として計上します。仕訳は非常にシンプルで、借方に「リース料」、貸方に「現金預金」を記入するだけです。リース契約時や決算時の特別な仕訳処理は必要ありません。


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ファイナンス・リースの場合、まずリース開始日に資産と負債を計上します。たとえば資産額60万円、支払総額72万円、60回払いのリース契約を結んだとします。リース開始日の仕訳は、借方に「リース資産」600,000円、貸方に「リース負債」600,000円となります。

毎月のリース料支払時には、元本(リース負債)の返済と金利(支払利息)に分けて処理します。リース料には資産本体の代金だけでなく、分割払いに伴う金利相当額が含まれているためです。この処理が正確にできないと、損益計算が狂います。


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決算時には減価償却費を計上します。所有権移転外ファイナンス・リースの場合、減価償却費は「リース料総額÷リース期間の月数×その年度の月数」で計算します。上記の例では、年間の減価償却費は「600,000円÷120か月×12か月=60,000円」となります。


前払いリース料がある場合は「前払費用」として資産計上し、リース期間に応じて費用化します。リース契約開始時に多額の初期費用がある場合は、重要性の原則に基づいて一括費用処理するか、リース期間にわたって按分するかを判断する必要があります。


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中小企業向け勘定科目リース料の特例処理

中小企業の場合、ファイナンス・リースでも賃貸借処理を選択できる特例があります。これにより、オペレーティング・リースと同じように、支払リース料をそのまま費用計上するだけの簡便な処理が可能になります。

この特例を適用できる中小企業の条件は明確に定められています。資本金5億円以上または負債総額200億円以上の未上場会社に該当しない企業が対象です。つまり、ほとんどの中小企業はこの特例を利用できます。

ただし、無制限に適用できるわけではありません。一件当たりのリース料総額が一定金額(例えば300万円)以下であることや、リース期間が比較的短期間であることなどが判断基準となります。また、注記による開示を行うことが条件となっており、リース物件の取得価額相当額や未経過リース料相当額などの情報を財務諸表に記載する必要があります。

この特例を選択した場合の税務上の影響は、企業の財政状態によって異なります。リース料は全額を支払時に経費計上できるため、短期的には所得税や法人税の節税効果が得られます。


つまり支払時に損金算入できるということです。



小売業を営むA社の事例では、店舗内装や陳列棚などの設備投資をリースで調達し、資産計上しない方法を選択しました。その結果、3年ごとの店舗改装が容易になり、売場の鮮度を保つことができました。設備投資の方針や更新計画と連動させることで、中小企業の競争力強化に貢献します。

勘定科目リース料と雑費の使い分けルール

リース料を雑費で処理することは、会計上の「経理自由の原則」により特に問題はありません。しかし実務上は、雑費の使用には慎重になるべきです。


参考)レンタル料の仕訳と勘定科目をリースとの違いを含めて解説

雑費が多額になると、税務調査や会計監査の際に確認対象となります。税務署から「本当に事業のための支出か」を追及される可能性が高まります。雑費として計上した支出には、必ず領収書や請求書などの証憑書類を保管しておく必要があります。


参考)備品・機器などレンタル料の勘定科目と仕訳方法、リースとの違い…


雑費を使うべきかどうかの判断基準は「継続的かどうか」です。毎月発生するコピー機のリース料は「リース料」や「賃借料」として処理しますが、年に1〜2回程度の臨時利用であれば雑費で問題ありません。同じレンタル料でも、発生頻度によって適切な勘定科目が変わる点を覚えておきましょう。


参考)雑費とはどのような勘定科目でいつ使う?定義と使い方、消耗品費…

リース料の金額が小さい場合には雑費に合算して計上しても構いませんが、金額が大きい場合には科目を追加して独立して計上すべきです。


これが基本です。



参考)リース料 | 誤って追加される勘定科目 | CIAC.JP

一度利用した勘定科目は、継続性の原則により使用し続けなければなりません。今月はリース料、来月は雑費というように、その都度勘定科目を変更することは認められません。継続性がないと財務諸表の比較可能性が失われます。


参考)レンタル料の勘定科目は雑費?それとも?どう仕訳するのが正解?…

リース契約の実態(解約条件・所有権・残価・保守条件など)によって、勘定科目や税務判断が変わってきます。オペレーティング・リースやレンタルに該当する場合は、「リース料」「賃借料」「雑費」など、実態に応じた費用科目を使って処理します。ファイナンス・リースに該当する場合は、リース開始日に「リース資産」「リース負債」を計上したうえで、支払利息や減価償却費として費用化します。

勘定科目リース料の消費税処理と控除タイミング

リース取引における消費税の処理は、契約の種類によって控除するタイミングが大きく異なります。この違いを理解していないと、消費税の申告で重大なミスを犯すことになります。


参考)リース取引の消費税の取り扱いは?種類別の会計処理や仕訳、イン…

ファイナンス・リースの場合、リース期間の開始時にリース料総額の現在価値もしくは見積現金購入価額を「リース資産」と「リース債務」として計上します。同時に消費税総額も「仮払消費税等」として仕入税額控除の対象とします。これにより、資産の引き渡しを受けた事業年度に消費税額の全額を控除することが可能です。つまり、分割払いでも消費税は一括控除できるということです。

オペレーティング・リースの場合、税務上は資産の賃貸借として取り扱われます。そのため、リース料支払い時に分割控除することになります。2023年10月1日以降に支払うリース料について仕入税額控除を適用するためには、リース会社から適格請求書(インボイス)の交付を受ける必要があります。これは、リースが開始された時期にかかわらず、適用されます。


参考)リース取引と消費税 事業者が知っておくべき重要ポイント

新リース会計基準が導入されると、会計処理と税務処理に差異が生じます。会計上はオペレーティング・リースでも「使用権資産」と「リース負債」をオンバランスする必要がありますが、法人税法では賃貸借処理が適用されます。このため、リース契約時における仕訳処理が、会計上と税務上で異なることになります。


参考)オペレーティング・リースの税務上の取扱い・税務調査のポイント…


リース料を支払った際には、借手は消費税を含めて支払った場合に仕入税額控除によって消費税の計算上、納税額から控除することが可能です。それに対し、貸手側は消費税を含めてリース料収入を受け取るため、課税事業者に該当する場合には、借手から支払いを受けた消費税に基づいて、消費税の納税額を計算する必要があります。

雑費として計上する場合でも、消費税の取扱いは取引の内容によって異なります。課税取引に該当するのは、クリーニング代やレンタル料、ごみ処理費用などです。これらは消費税10%が含まれた金額で支払うため、仕入税額控除の対象になります。一方、非課税取引に該当するのは、住民票や印鑑証明書の発行手数料など行政サービスに対する支払いです。


これらには消費税がかかりません。


勘定科目リース料の減価償却計算方法

リース資産の減価償却方法は、リース取引の種類によって異なります。所有権移転ファイナンス・リース取引の場合、減価償却は自社で保有する資産と同様に処理します。


定額法または定率法を選択できます。


法人の場合、届出をしなかった場合は一部を除いて定率法で減価償却します。


参考)リース資産のメリット・デメリットや減価償却の計算を解説 |固…


所有権移転外ファイナンス・リース取引の場合、リース期間を耐用年数とみなして減価償却を行います。リース資産の償却方法は、定額法、級数法、生産高比例法等の中から企業の実態に応じたものを選択します。自己所有の固定資産と異なる償却方法も可能です。


参考)リース取引の会計|リースについて|芙蓉総合リース株式会社


リース期間定額法による減価償却費の計算式は「リース料総額÷リース期間の月数×その年度の月数」です。たとえばリース料総額120万円、リース期間120か月(10年)の契約の場合、年間の減価償却費は「120万円÷120か月×12か月=12万円」となります。


契約終了時には残存簿価をゼロとします。



減価償却を行う際には、取得価額に償却率をかけて償却費を算出します。借方勘定科目は、リース資産の種類に応じて「車両運搬具」や「機械装置」などの科目で処理しても問題ありません。貸方勘定科目は、「未払金」や「未払費用」など、別の負債科目で処理しても問題ありません。


オペレーティング・リースの場合、減価償却の処理は不要です。リース料の支払時に費用として計上する仕訳を行うだけです。資産の取得時や決算時の仕訳も必要ありません。これがオペレーティング・リースの大きなメリットです。

会計処理上、期首や期末に近い時期にリース契約を開始した場合、月割計算による費用計上の必要性も検討すべきでしょう。会計理論上は、総支払額をリース期間全体で均等配分することが望ましいですが、中小企業の実務では単純化のため実際の支払額をそのまま費用計上することも多く見られます。

リース会計・税務についての詳細な解説(三井住友ファイナンス&リース)
リース取引の会計処理や税務上の取り扱いについて、より専門的な情報が掲載されています。


リース取引の会計処理方法の詳細(マネーフォワード)
リース料の仕訳や勘定科目のポイントについて、実務に即した解説が読めます。




富士印 ゴム印 科目印 「リース料」 52-478