譲渡制限付株式報酬 税金と課税タイミングの知られざる罠

譲渡制限付株式報酬 税金と課税タイミングの知られざる罠

譲渡制限付株式報酬 税金


あなたの受け取った株式、売る前に課税されるって知ってますか?


譲渡制限付株式報酬の税金のポイント3つ
💡
支給時点で課税される

譲渡制限付株式報酬は受け取った年の給与所得として課税対象になります。

⚠️
制限解除で再課税のリスク

条件付き解除条項の内容によっては二重課税のリスクが生じます。

💰
売却益にも課税される

売却時には譲渡所得として追加の課税が発生する可能性があります。


譲渡制限付株式報酬の課税タイミングと注意点


譲渡制限付株式報酬(RSU/RSA)は、支給時点で「給与所得」として扱われます。つまり、あなたがまだ株を売っていなくても税金が発生するということです。意外ですね。多くの人が売却して初めて課税されると思っていますが、実際は違います。


給与課税のタイミングは「制限解除時」または「受領時」に発生します。企業のスキームによって異なりますが、たとえば付与から3年後に制限が解除される場合、その年に課税されるケースが多いです。これは給与に加算されるため、所得税住民税ともに影響します。つまり税率が上がる場合があるということですね。


支給額が500万円相当の株式なら、所得税として最大約45%(高所得者の場合)課税される可能性もあります。これが課税タイミングを誤ると「税金だけ払ってまだ株を売れない」という事態を招きます。結論は、支給時点の税金計算を事前にシミュレーションすることです。


参考:譲渡制限付株式報酬の課税タイミングを解説する国税庁の記載
国税庁|譲渡制限付株式報酬に関する所得税法基本通達


譲渡制限付株式報酬と評価額の落とし穴


課税対象となる評価額は「付与時の時価」です。ここが大きな問題です。受け取った時点の株価で課税され、実際に売る時に値下がりしているケースが珍しくありません。痛いですね。


たとえば付与時の株価が1株=10,000円で、100株もらったとします。この時点での評価は100万円。課税が終わった後に株価が半分の5,000円になれば、売却しても50万円しか得られません。税金だけ先に取られる形です。つまり「実質マイナス」になることもあります。


このリスクを避けるためには、企業側に「譲渡制限解除時課税方式」なのか「付与時課税方式」なのかを必ず確認することです。方式によりキャッシュフロー計画が全く違ってきます。株価変動に注意すれば大丈夫です。


参考:税務リスクを詳しく説明する野村證券の解説ページ
野村證券|譲渡制限付株式報酬とは


譲渡制限付株式報酬と企業側の損金算入のタイミング


企業が譲渡制限付株式報酬を導入する際、損金算入のタイミングは「制限解除時」です。これは税務上の認識時点が社員の課税時期と一致するように仕組まれています。つまり、企業と社員の課税がリンクしているということですね。


ただし、上場企業であっても「付与決議時に損金計上できる」と誤解されることが多いです。実際には譲渡制限期間が経過しないと損金にならないため、決算時の利益圧縮を狙う経営戦略としては扱いにくいという特徴があります。納税と同時にキャッシュフロー計画を見直す必要があります。


この点を正しく理解していない企業は、損金反映のズレで数千万円単位の一時的な納税負担が発生しています。つまり課税時期の認識が重要です。


譲渡制限付株式報酬の譲渡所得と確定申告の流れ


譲渡制限付株式報酬を売却した際には、売却益または損失が「譲渡所得」として扱われます。そのため、給与課税を受けた年とは別に確定申告が必要です。つまり二段階の課税構造です。


具体例を見ましょう。支給時に100万円分の株式が課税され、その後に150万円で売却できた場合、差額の50万円が譲渡所得です。この50万円部分には20.315%(所得税+住民税)の課税が行われます。


つまり「支給時+売却時」で二重に税金がかかる構造です。知らずに確定申告を怠ると追徴課税のリスクがあります。追徴税は最大で15%加算される場合もあるため注意が必要です。確認だけは必須です。


譲渡制限付株式報酬の海外勤務・外資系社員の課税例外


外資系企業では、海外勤務中に譲渡制限付株式を受け取るケースがあります。この場合、課税国がどこになるかで税額が大きく変わります。いいことですね。


たとえばアメリカ本社のRSUを日本在住で受け取ると、日米租税条約の影響を受けます。税務上は「日本の居住者」として課税されるのが原則ですが、米国源泉税が引かれることもあります。二重課税のケースでは「外国税額控除」で調整可能です。


また、海外赴任中の日本企業社員が譲渡制限株を受け取った場合は、帰国時期によって課税地が変わる例外もあります。やや複雑ですが、確定申告時に「国外所得の計算書」を添付すれば解決できます。つまり申告の準備が重要です。


外資系報酬の課税対応を詳しく解説した参考記事
EY税理士法人|株式報酬の日本税務解説