

財産評価基本通達の通りに申告しても、税務署に評価を否認されることがあります。
財産評価基本通達は、国税庁の公式サイトから無料でPDF・HTML形式で入手できます。 正式名称は「相続税財産評価に関する基本通達」で、昭和39年1月1日以後に相続・遺贈・贈与により取得した財産の評価に適用されます。 nta.go(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02.htm)
通達は財産の種類ごとに章立てされており、主な構成は以下の通りです。 atomfirm(https://atomfirm.com/souzoku/zei/6001419)
PDFを読む際は「総則」から始まる前半部分に注目するのが基本です。 ここに評価の原則と、後述する例外規定(総則6項)が記載されています。 sn-hoki.co(https://www.sn-hoki.co.jp/shop/f/img/items/pdf/sample/5100238.pdf)
国税庁の公式ページでPDF・通達全文を確認できます。
土地の相続税評価には「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があり、どちらを使うかは土地の所在地によって決まります。 使い分けの基準はシンプルで、路線価が設定されている地域は路線価方式、設定されていない地域は倍率方式を使います。 i-sozoku(https://www.i-sozoku.com/navi/sozokuzei-rosenka/)
| 評価方式 | 対象地域 | 計算式 |
|---|---|---|
| 路線価方式 | 主に市街地 | 路線価 × 補正率 × 面積 |
| 倍率方式 | 路線価なし地域 | 固定資産税評価額 × 倍率 |
路線価は「1㎡あたりの価額(千円単位)」で表示されており、例えば「300C」なら1㎡あたり30万円という意味です。 土地の形状が不整形だったり、道路との高低差があったりする場合は「補正率」を掛けてさらに評価額を下げられる場合があります。 補正を適用できるかどうかで、最終的な相続税額が数十万円単位で変わることもあります。 chester-tax(https://chester-tax.com/encyclopedia/dic05_012.html)
実務では補正の適用漏れが起きやすいポイントです。 税理士に依頼するときも、補正の項目を確認しましょう。
路線価と評価倍率表は国税庁の財産評価基準書で毎年更新されます。
2024年1月1日以降に相続・贈与で取得した分譲マンションには、新しい計算ルールが適用されています。 改正の背景には、市場価格(時価)と通達による評価額の間に平均で約2.3倍もの乖離があったという現実があります。 renosy(https://www.renosy.com/magazine/entries/5452)
改正後の計算式は次のとおりです。 ieshil(https://www.ieshil.com/columns/658/)
「区分所有補正率」は、築年数・階数・専有面積・所在階といった4つの指数から算出されます。 タワーマンションの高層階ほど補正率が高くなり、評価額が市場価格に近づく設計です。 これはいわゆる「タワマン節税」を封じるための措置でした。 chester-tax(https://chester-tax.com/encyclopedia/26808.html)
2024年改正の詳細は大和ハウスの解説コラムが参考になります。
財産評価基本通達に従って申告しても、税務署に「著しく不適当」と判断されれば評価をひっくり返されます。 それが総則6項です。 通達全体の原則を覆す例外規定であり、国税庁長官の指示に基づいて独自の評価が行われます。 chester-tax(https://chester-tax.com/encyclopedia/dic05_137.html)
総則6項が発動されやすいケースとしては、以下が挙げられています。 agstax.or(https://agstax.or.jp/column/747/)
ただし、2024年(令和6年)には東京高等裁判所・東京地方裁判所の両方で「総則6項の適用が違法」とする納税者勝訴の判決が相次いでいます。 特に「評価額に乖離があるだけでは総則6項を適用できない」という判断は、今後の実務に大きな影響を与えるものです。 chester-tax(https://chester-tax.com/column/26065.html)
これは使えそうです。 ただし、租税回避の意図が明確な場合は依然として適用されるリスクが残るため、安易な節税策には注意が必要です。 chester-tax(https://chester-tax.com/column/27826.html)
総則6項と最近の裁判例を丁寧に解説している専門家サイトです。
AGS税理士法人|財産評価基本通達の「総則6項」とは?最近の裁判例をもとに適用基準を解説
非上場株式の評価は、財産評価基本通達の中でも特に複雑な分野です。 主な評価方式は「類似業種比準価額」と「純資産価額」の2種類で、会社の規模や業種によってどちらを使うか、あるいは併用するかが変わります。 suginami-souzoku(https://suginami-souzoku.com/declaration_new/basic-property-valuation-notice/)
| 評価方式 | 概要 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 類似業種比準価額 | 上場企業の業種平均と比較して算定 | 大・中会社が中心 |
| 純資産価額 | 会社の純資産から算定 | 小会社・資産保有型会社 |
一般的に「類似業種比準価額の方が低くなりやすい=相続税が安くなる」と思われがちですが、業種や決算内容によっては純資産価額より高くなるケースもあります。 つまり一律に「こちらが有利」とは言えません。 suginami-souzoku(https://suginami-souzoku.com/declaration_new/basic-property-valuation-notice/)
さらに、2017年(平成29年)に国税庁は非上場株式の評価に関して通達を改正しており、評価額の算定方法が一部変更されています。 数年前の情報を元に対策していると、現在の通達と乖離している可能性があります。 PDFは必ず最新版を確認するのが条件です。 yamada-partners(https://www.yamada-partners.jp/tax-topics/h290522)
非上場株式評価の改正内容はこちらで確認できます。
山田&パートナーズ|国税庁「取引相場のない株式等の評価」通達改正を公表
多くの方が見落としがちなのが、「通達評価額」と「実勢価格(市場価格)」の差を、相続が発生する前に把握しておくという視点です。 この差が大きい財産ほど、相続税の節税余地があると同時に、総則6項の適用リスクも高まります。 agstax.or(https://agstax.or.jp/column/747/)
たとえば、路線価で評価した土地が実勢価格の80%程度になるのは通常の範囲内ですが、タワーマンションでは改正前に実勢価格の30〜40%程度まで下がるケースがありました。 この「差」の大きさが、2024年改正やタワマン節税封じにつながったわけです。 renosy(https://www.renosy.com/magazine/entries/5452)
具体的なチェック方法は以下の3ステップです。 m-assets(https://m-assets.com/lp/inheritance/blog/land-inheritance-valuation-method)
この差額を把握したうえで対策を考えると、無駄な節税リスクを避けながら合法的な評価減を活用できます。 差額が著しく大きい場合は、税理士に総則6項の適用可能性についても事前に相談することをおすすめします。 chester-tax(https://chester-tax.com/encyclopedia/dic05_137.html)
相続前に評価額の実態を把握できる実務解説です。
アトム法律事務所|財産評価基本通達とは?相続税評価額の決まり方と例外が生じる場面