屋号とは わかりやすく|個人事業主が知るべき基本とメリット

屋号とは わかりやすく|個人事業主が知るべき基本とメリット

屋号とは わかりやすく

屋号は個人事業主の名前を公開せず事業を進められます。


この記事の3ポイント
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屋号の定義

個人事業主が使用する事業の名称で、設定は任意。法人の会社名に相当するが登記は不要

屋号のメリット

事業内容の認知向上、屋号付き銀行口座の開設、法人化の際の商号継続利用が可能

⚠️
注意すべきリスク

他社の商標登録と重複すると差止請求や損害賠償請求を受ける可能性がある

屋号とは わかりやすく 意味と基本


屋号とは、個人事業主が事業活動で使用する名称のことで、法人における会社名に相当するものです。飲食店であれば「店舗名」、事務所であれば「事業所名」が屋号になります。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/business-name-bk/

法人と異なり、個人事業主は屋号を付けることが義務ではありません。つまり屋号がなくても問題なくビジネスを展開できます。個人名で活動する場合は、屋号を設定せず本名だけで事業を進めることも可能です。


参考)屋号とは?商号・社名との違い・決め方をわかりやすく解説 - …


屋号を付けるかどうかは事業主が自由に決められる点が大きな特徴です。また、開業後でも希望すれば屋号を付けられますし、変更も何度でもできます。登記の必要がないため、変更手続きも簡単です。


参考)屋号とは?個人事業主の屋号の決め方・注意点


屋号とは わかりやすく 確定申告での扱い

確定申告書には屋号の記入欄がありますが、空欄で提出しても手続き上の問題はありません。屋号の記載は義務ではなく任意であるため、書類を埋めるために屋号名を考える必要はないということです。


参考)確定申告で屋号欄の記入は必須?何を書けばよいのか、付け方や変…

青色申告白色申告を問わず、屋号欄への記入は義務ではありません。「青色申告をする個人事業主は屋号が必要」という誤解がありますが、実はそれは間違いです。記入しなくてもペナルティを受けることはありません。


参考)WeWork


屋号を記入する場合は、確定申告書第一表の氏名の下にある「屋号・雅号」の欄に記載します。青色申告決算書や収支内訳書にも屋号を記入する欄があるため、そちらにも併せて記入してください。つまり、複数の書類に統一して記載する形になります。


参考)確定申告で屋号は必要?屋号を使う場面やメリットなどを解説 -…

屋号とは わかりやすく メリットと活用法

屋号を設定する主なメリットは3つあります。1つ目は、店舗名や事業内容を認知してもらいやすくなることです。事業内容がわかりやすい屋号を付ければ、顧客や取引先に覚えてもらいやすくなります。


参考)屋号とは? 商号との違い・メリット・デメリット・確定申告での…

2つ目は、法人化の際に商号として継続使用できることです。事業が軌道に乗って法人化する際、屋号を商号として引き継げば、それまで築いたブランドイメージを継続できます。


これは使えそうです。



3つ目は、屋号付き銀行口座を開設できることです。プライベートの口座と事業用の口座を区別できるため、経理処理が明確になります。屋号付き口座の開設には、税務署に提出した開業届の控えや確定申告書の控えを銀行に提示する必要があります。開業届は事業を開業してから1か月以内に提出する義務があります。


参考)個人事業主の屋号付き口座を開設するならどの銀行?必要書類とよ…


個人事業主の屋号設定の詳細について、freeeの公式ガイドが参考になります

屋号とは わかりやすく 付け方の注意点

同じ業界で他社の商標登録と重複すると損害賠償を請求されます。


屋号を決める際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、法人だと誤解される名称は使用できません。「○○会社」「○○法人」という表現を屋号に使うのは、法律で禁止されています。銀行でないのに「○○銀行」と付けることも違法です。


参考)個人事業主の屋号の付け方と、屋号で注意したい法律知識

次に、他社の商標権を侵害しないよう注意が必要です。同一の業界ないしサービスで、商標登録された名称を使用してしまうと、既に登録済みの企業から差止請求や損害賠償請求を受けるおそれがあります。故意に他の事業者と同じ・類似した屋号をつけるのもNGで、同じ業界の場合は訴訟や差し止め請求を受ける場合もあります。


参考)屋号


屋号の重複チェックには、ウェブ検索が有効です。検索で出てくるもののなかに、有名な名称や人気のサービスで誤解される可能性があるものがあれば、その屋号は避けたほうがよいです。競合やライバルが同じ名称ではないかは、特にしっかり調査してください。さらに、自社の屋号を商標登録することで、同業他社に先んじて保護できます。


参考)【商標登録によるトラブル防止】会社名・屋号・商品名・サービス…


屋号やロゴの商標権侵害リスクについて、みらい国際特許事務所の解説が詳しいです

屋号とは わかりやすく デメリットと対処法

屋号を付ける主なデメリットは、業務のイメージが限定されてしまうことです。通常、屋号は自分の業務内容から付けますが、あまりに限定的な内容だと将来的に他のビジネス展開をしたときに仕事を獲得しにくくなることもあるでしょう。


参考)屋号とは?屋号と商号・雅号の違いやメリットとデメリット

例えば、「○○Web制作事務所」という屋号を付けた場合、後からグラフィックデザインやコンサルティング業務を始めても、Web制作の専門家としてのイメージが強すぎて新しい分野の仕事を受注しにくくなる可能性があります。


これは厳しいところですね。


この問題を回避するには、事業内容を過度に限定しない屋号を選ぶことが重要です。将来の事業展開を見据えて、汎用性のある名称を検討しましょう。また、屋号は何度でも変更可能なため、事業の方向性が変わった際には変更を検討するのも一つの方法です。変更する場合は、税務署への届出で新しい屋号を記載すれば完了します。


参考)屋号とは?個人事業主・フリーランスが付けるメリットや決め方、…


屋号とは わかりやすく 銀行口座開設の手順

屋号付き銀行口座を開設するには、まず税務署に開業届を提出する際に屋号を登録する必要があります。屋号がなくても個人事業主として事業を行えますが、屋号付き銀行口座を持つためには、この登録が必須条件です。

基本的に、屋号のみで銀行口座を開設することはできません。例えばゆうちょ銀行では、屋号名で活動していることが確認できる資料を提出することで、屋号を別名として登録できます。


つまり「屋号+個人名」の形式になります。



参考)個人事業主が屋号付き銀行口座を開設!銀行比較・口座は分けるべ…

口座開設に必要な書類は、開業届の控えまたは確定申告書の控え、個人の印鑑、本人確認書類です。三菱UFJ銀行など主要な銀行では屋号付き口座の開設に対応していますが、すでに個人名義で口座を持っている場合は、店舗で申し込む必要があります。


審査期間は1週間から1か月程度です。



屋号とは わかりやすく 業種別の付け方例

屋号は業種に応じて分かりやすい形式を選ぶことが重要です。物を販売している場合は、「○○屋」「○○堂」「○○店」「○○本舗」などがわかりやすいでしょう。苗字が変わっている場合は自分の苗字をつけてもいいですし、販売する商品名を頭につけるという方法もあります。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/business-name-find-out/

事務所を構えている事業の場合は、「○○オフィス」「○○office」などとつけると分かりやすいです。編集・ライター系の仕事の場合も同様の形式が適しています。事務所系の屋号は、プロフェッショナルな印象を与えやすいのが特徴です。

建設業の一人親方の場合、塗装業なら「彩美塗装」「匠塗」「美彩ペイント」、左官業なら「匠左官」「伝統工藝左官」「和彩工房」、電気工事業なら「未来電設」「和光電設」「創新電設」などが例として挙げられます。


業種の内容が一目でわかる屋号が基本です。



参考)【建設業】一人親方は屋号・会社名を持つべき?つけ方やサンプル…

屋号とは わかりやすく 変更と税務上の手続き

屋号は何度でも変更できるため、事業の方向性が変わった際には柔軟に対応できます。変更回数に制限はなく、新しい屋号を付けたくなった際に個人の判断で変更が可能です。


登記が不要なため、変更手続きは簡単です。



屋号を変更する場合、税務署に提出する書類に新しい屋号を記載するだけで完了します。具体的には、所得税の届出書や確定申告書の屋号欄に新たな屋号を記載します。


特別な変更届を提出する必要はありません。



ただし、屋号だけでなく納税地に変更があった場合には、所得税(源泉税を含む)や消費税などに影響が出るため、別途届出等が必要です。これらの書類の屋号欄には新たなものを記載します。また、屋号付き銀行口座を持っている場合は、銀行にも変更を届け出る必要があります。変更には開業届の控えなど、新しい屋号が記載された書類が必要になることを覚えておけばOKです。

屋号とは わかりやすく 商標登録による保護

屋号には法的保護力がほとんどないため、事業が軌道に乗ってブランド力を高めてきた屋号を守るには、商標登録が必要です。商標登録をすることで、他社が同一・類似の商標を使用できなくなります。


参考)屋号を商標登録するメリットは?商標権侵害はしない・させない!


商標登録を活用すれば、商標トラブルを回避するための「防衛策」になります。自社の屋号を同業他社に商標登録される前に、自社が先んじて商標登録をしてしまえば、それ以降は同業他社が同一・類似の商標を商標登録することはできなくなります。


これが原則です。



ロゴやマークも「商標として登録されているケースが多数」あります。似たような名前で開業したり、そっくりなロゴを利用すると、商標権侵害になるリスクがあります。事業を本格的に展開する前に、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)などで既存の商標を検索し、重複がないか確認することが重要です。適当な気持ちで屋号を付けると、スタートダッシュに失敗し、後悔するおそれがあります。


参考)miraie-ip


商標登録によるトラブル防止策について、八戸企業法務の弁護士コラムが参考になります

屋号とは わかりやすく 複数事業での使い分け

個人事業主が複数の事業を展開する場合、屋号を2種類以上持つことも可能です。屋号の登録や変更の手続きは簡単で、手間をかけることなく使用できます。ただし、複数の屋号を使い分ける際には注意すべき点もあります。


参考)屋号を2種類以上持つのはアリ?屋号の基礎知識を解説

確定申告書には屋号を記入する欄が1つしかないため、複数の屋号がある場合は主要な事業の屋号を記載するか、いずれか1つを選んで記載することになります。


これは無料です。


銀行口座も複数の屋号でそれぞれ開設することは可能ですが、管理が煩雑になる可能性があります。


事業内容が大きく異なる場合は、それぞれの事業に適した屋号を付けることで、顧客にわかりやすく伝えられます。例えば、Web制作事業とカフェ経営を両立する場合、「○○デザインオフィス」と「○○カフェ」のように別々の屋号を使い分けることで、各事業の専門性を明確にできます。どういうことでしょうか?つまり、事業ごとにブランドイメージを構築しやすくなるということです。




ワンス・アポン・ア・ディスティニー fate.1 (HertZ&CRAFT)