

20万円以上の更新料を支払手数料で一括計上すると、税務調査で否認されます。
家賃更新料の勘定科目は、支払額が20万円を超えるかどうかで処理方法が大きく変わります。20万円未満であれば「支払手数料」または「地代家賃」として一括で経費計上できます。つまり支払った年度に全額を費用として処理できるということです。
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一方、20万円以上の更新料は税法上の繰延資産に該当するため、「前払費用」または「長期前払費用」として資産計上し、契約期間に応じて償却していく必要があります。この処理を怠ると税務調査で指摘される可能性があります。
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20万円という基準額は、更新料そのものの金額で判断します。消費税を含めた支払総額ではなく、更新料本体の金額が判断基準です。
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判断基準は明確ですね。
更新料は税法上の繰延資産として扱われます。法人税法では「支出の日から1年以上効果が及び、自己が便益を受けるもの」を繰延資産と定義しており、更新料は「建物を賃借するために支出する権利金等」に分類されるためです。
賃貸借契約の更新により、今後2年間や3年間にわたって事務所や店舗を使用できる権利を得ることになります。この効果は1年を超えて継続するため、支払時に全額を費用とするのではなく、効果が及ぶ期間に按分して費用化する必要があるのです。
会計上の繰延資産は創業費や開業費など5項目に限定されていますが、税法独自の繰延資産はより広い範囲が定められています。そのため実務では「長期前払費用」という勘定科目で資産計上することが一般的です。
20万円未満の更新料であれば「支払手数料」として一括処理できます。例えば更新料8万円を支払った場合、「支払手数料 80,000円 / 普通預金 80,000円」という仕訳で完結します。契約期間の按分計算は不要で、仕訳もシンプルです。
「地代家賃」勘定で処理することも認められています。会社の勘定科目体系に合わせて選択できますが、一貫性を持たせることが重要です。更新料を地代家賃で処理するなら、継続して同じ科目を使うべきでしょう。
20万円という金額基準は、繰延資産の少額特例として設けられているものです。この特例により、多くの中小企業では複雑な償却計算をせずに更新料を処理できるようになっています。
参考)繰延資産の範囲と取扱い
特例の活用が鍵ですね。
更新料の消費税は、物件の用途によって課税・非課税が分かれます。事務所や店舗など事業用の賃貸物件の更新料は消費税の課税対象です。一方、社宅など居住用の更新料は非課税となります。
更新手数料には注意が必要です。更新手数料とは、不動産管理会社に支払う事務手続きの対価であり、貸主に支払う更新料とは性質が異なります。更新手数料は居住用・事業用を問わず、常に消費税の課税対象となります。
参考)【2023/9/17修正】法人で、社宅又は事務所の更新料・更…
実務では、事務所の更新料を「課税仕入」として処理し、社宅の更新料を「非課税」として処理します。仕訳時に消費税区分を正しく設定することで、消費税の申告額にも影響します。
用途で扱いが変わります。
20万円以上の更新料は、原則として5年間で償却します。ただし賃貸借契約の期間が5年未満で、次回更新時にも更新料の支払いが必要な場合は、その契約期間で償却できます。例えば2年契約で更新料を支払った場合、2年間で償却することになります。
参考)更新料について|お役立ちコラム|経理アウトソーシングのCSア…
具体的な仕訳例を見てみましょう。更新料50万円を2年契約で支払った場合、支払時には「前払費用 250,000円 / 普通預金 500,000円」「長期前払費用 250,000円」と計上します。1年以内に費用化する分を「前払費用」、翌年度以降の分を「長期前払費用」に分けるのです。
決算時には「支払手数料 250,000円 / 前払費用 250,000円」と「前払費用 250,000円 / 長期前払費用 250,000円」の仕訳を行います。これにより、毎年25万円ずつ費用化していく処理が完成します。
償却処理は段階的です。
20万円未満の更新料8万円を現金で支払った場合の仕訳は「支払手数料 80,000円 / 現金 80,000円」となります。この場合、消費税区分は事務所なら「課税仕入」、社宅なら「非課税」を選択します。
30万円の更新料を2年契約で支払った場合、支払時には「前払費用 150,000円 / 普通預金 300,000円」「長期前払費用 150,000円」と仕訳します。貸借対照表では、前払費用は流動資産に、長期前払費用は固定資産の「投資その他の資産」に表示されます。
実務上、償却計算を忘れやすいのが決算時の処理です。更新料を資産計上したまま償却を忘れると、費用が過小計上され、利益が過大に表示されてしまいます。償却管理台帳を作成し、毎期の償却額を漏れなく計上する体制を整えることが重要です。
管理体制の整備が必要です。
税務調査では更新料の処理方法が確認されることがあります。特に20万円前後の金額の場合、一括処理と繰延資産処理の境界線にあるため、金額の根拠資料や契約書の保管が求められます。
請求書や契約書は必ず保管しておきましょう。
マネーフォワードの更新料仕訳ガイドでは、具体的な仕訳パターンと消費税区分について詳しく解説されています。繰延資産の償却計算に不安がある場合は参考になるでしょう。
freeeの更新料会計処理ガイドには、会計ソフトでの入力方法や注意点がまとめられています。初めて更新料を処理する担当者にとって、実務的な手順を確認できる有用な情報源です。