

入場料を雑費で処理すると税務調査で否認されます。
入場料を雑費として処理することは、税務上ほとんど認められません。雑費は「他のどの勘定科目にも分類できない少額で一時的な費用」に使うものです。
しかし入場料は明確な業務目的があるため、その目的に応じた専用の勘定科目を使うべきです。一部の税理士は頻度が低い場合に雑費を提案することもありますが、税務調査では業務との関連性が問われます。
つまり雑費処理は避けるべきです。
目的が明確なら専用科目を使う方が税務リスクを回避できます。例えば年に1回しか発生しない入場料でも、取材目的なら取材費、接待目的なら交際費として処理する方が適切です。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-journal/admission-fee/
雑費として処理すると、税務調査で「この費用の業務関連性を証明してください」と指摘される可能性が高まります。証明できない場合、経費として否認され追加の税金が発生するリスクがあります。
入場料の処理には主に以下の6つの勘定科目が使われます。
それぞれの科目は税法上の取り扱いが異なります。
特に交際費は法人税の損金算入に上限があり、一定額を超えると経費として認められない部分が発生します。福利厚生費として処理するには「全従業員が参加可能」という条件を満たす必要があります。
参考)入場料の勘定科目|経費で落ちるチケットや入館料と仕訳方法
この条件を満たさない場合、社内交際費などの別科目を使うことになります。
目的によって勘定科目を正しく選ぶには、入場した理由を明確にすることが重要です。
参考)入場料・入館料の仕訳方法を解説!支出目的別の適切な勘定科目と…
まず「誰と行ったか」を確認します。取引先と一緒なら交際費、社員だけなら福利厚生費または研修費の可能性が高いです。
次に「何のために行ったか」を判断します。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-journal/admission-fee/?msockid=0112adbbe84561493eaebbb9e945602e
業務知識の習得が目的なら研修費になります。顧客へのプレゼントや販促キャンペーンで使うなら広告宣伝費または販売促進費です。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-journal/tuition-fee/
判断に迷った場合は、その入場料によって「誰が利益を受けるか」を考えると分かりやすいです。取引先が利益を受けるなら交際費、社員が利益を受けるなら福利厚生費または研修費、顧客が利益を受けるなら広告宣伝費といった形です。
経理処理の際には、領収書と一緒に「誰と」「何のために」入場したかをメモとして残しておくと、税務調査時にスムーズに説明できます。入場券の半券も証拠書類として保管しておくことが大切です。
交際費と福利厚生費の違いは「誰のための支出か」で判断します。
参考)【図解で解説】接待交際費・会議費・福利厚生費の違いとは? -…
交際費は取引先など社外の人との関係構築や維持のための費用です。一方、福利厚生費は従業員の働く環境改善や士気向上のための費用です。
区別が必要な理由は税務上の扱いが大きく異なるからです。
交際費は損金算入に上限があり、資本金1億円以下の中小企業でも年間800万円までしか経費として認められません。福利厚生費には上限がなく、条件を満たせば全額経費になります。
参考)これって福利厚生費?税務調査も安心の判断基準
福利厚生費として認められるには3つの条件があります。全従業員が参加可能であること、社会通念上妥当な金額であること、業務との関連性があることです。
参考)2025年万博チケットは経費になる?税務上の取り扱いと注意点…
例えば社員旅行で博物館に行く場合、特定の部署だけでなく全社員に参加の機会があれば福利厚生費です。しかし役員や特定の社員だけが行く場合は社内交際費になります。
参考)入場料・入館料の仕訳方法を徹底解説!支出目的別に適切な勘定科…
取引先を含む場合は必ず交際費です。
入場料処理で最も多い間違いは、すべてを交際費として処理することです。取材目的や研修目的でも交際費にしてしまうケースが頻繁に見られます。
どういうことでしょうか?
交際費には損金算入の上限があるため、本来は他の科目で処理すべき費用まで交際費にすると、経費として認められる金額が減ります。例えば年間900万円の交際費がある会社で、そのうち100万円が実は取材費だった場合、交際費のままだと100万円分が損金不算入になります。
しかし取材費として処理すれば、その100万円は全額経費になります。
もう一つの間違いは、領収書だけを保管して目的を記録しないことです。税務調査では「なぜこの施設に入場したのか」を説明する必要があります。
領収書には「入場料」としか書いてないため、目的が分からなければ経費として認められない可能性があります。
業務との関連性が証明できないリスクを避けるには、入場時に「取材のため」「取引先との接待」などメモを残すことです。スマートフォンのメモアプリでも十分で、日付と目的、同行者を記録しておけば税務署への説明資料になります。
freee会計ソフトの入場料仕訳ガイド
こちらには入場料の具体的な仕訳例が複数掲載されており、自社のケースに当てはまる処理方法を確認できます。
取材費として入場料を処理できるのは、出版業や放送業など特定の業種です。取材費は新聞・雑誌・書籍・映像などのコンテンツ制作を目的とした取材活動で発生する費用を指します。
結論は制作目的が必須です。
しかしこの条件に該当しない業種では取材費は使えません。
製造業や小売業の社員が視察目的で施設に入場した場合、取材費ではなく研修費または雑費として処理します。「取材」という言葉から連想される活動と、実際の業務内容が一致している必要があります。
取材費として処理する際は、どのような制作物のための取材だったかを記録しておくことが重要です。記事のタイトル案や撮影予定の番組名をメモしておくと、税務調査時に業務関連性を証明しやすくなります。
また取材によって実際に制作されたコンテンツ(記事のURLや放送日など)も保管しておくと、より説得力が増します。
入場料を支払った側の消費税処理は、課税仕入れとして扱います。つまり支払った入場料に含まれる消費税は、仕入税額控除の対象になります。
参考)イベント参加費と消費税の関係をわかりやすく解説!
消費税の扱いは科目に関係ありません。
取材費でも交際費でも福利厚生費でも、入場料として支払った金額は課税仕入れです。例えば2,200円の入場料(本体2,000円、消費税200円)を払った場合、200円分が仕入税額控除の対象になります。
ただし交際費として処理する場合は、法人税上の損金算入限度額に注意が必要です。消費税は全額控除できても、法人税では一部が経費として認められない可能性があります。
一方、入場料を受け取る側(施設側)にとっては、その収入に対して消費税が課税されます。イベント主催者や美術館などは、入場料収入を課税売上として申告する必要があります。
経理担当者が注意すべきは、領収書やレシートに消費税額が明記されているか確認することです。税抜経理方式を採用している会社では、本体価格と消費税を分けて記帳する必要があるため、内訳が分からないと処理に困ります。
2024年1月から電子帳簿保存法の要件が緩和されましたが、入場料の証憑管理には注意が必要です。電子チケットで入場した場合、そのデータを保存しておく必要があります。
どの形式で保存すべきでしょうか?
QRコードチケットやPDFチケットは、受け取った時点でスクリーンショットまたはダウンロードして保存します。メールに添付されたチケットなら、そのメールごと保存するか、PDFを別途保存します。
重要なのは改ざん防止です。
電子データは簡単に編集できるため、税務署は元データの真正性を確認します。受信メールや決済完了画面のスクリーンショットなど、購入した証拠も一緒に保存しておくと安心です。
紙の入場券や領収書をスマートフォンで撮影して保存する場合は、撮影した日付が記録されるアプリを使うことが推奨されます。多くの経費精算システムはタイムスタンプ機能を備えており、撮影時刻が自動記録されます。
入場券の半券も証拠書類として有効なため、電子チケットでない場合は半券を保管しておきます。特に高額な入場料や頻繁に利用する施設の場合、半券に利用目的をメモしておくと後で仕訳する際に便利です。
国税庁の交際費等の範囲に関する通達
交際費として処理する際の詳細な判断基準が記載されており、入場料が交際費に該当するかどうかの判断材料になります。