

仕入時の運賃を荷造運賃で処理すると原価率が歪みます。
荷造運賃は、顧客に販売した商品や製品を発送する際に発生する費用を処理するための勘定科目です。荷造費と運賃の2つの要素から構成されています。荷造費は商品を梱包するための資材費用、運賃は実際に商品を輸送する際の運送費用を指します。
この勘定科目は「販売費及び一般管理費」に属する経費として扱われます。つまり売上原価ではなく、販売活動に関連する費用です。商品の販売時にかかる経費を表す区分に含まれるため、企業の経費構造を明確にする役割があります。
参考)勘定科目「荷造運賃」とは?混同しやすい科目との違いや経理処理…
荷造運賃として計上できる具体的な費用には、段ボール箱、緩衝材、ガムテープ、包装紙などの梱包材料費が含まれます。また、宅配便の配送料、ゆうパック代、レターパック代、運送会社への運賃も該当します。商品運搬専用の車両がある場合、そのガソリン代も荷造運賃として処理できます。
参考)勘定科目「荷造運賃」の仕訳例 宅配便送料、梱包材の経費処理の…
荷造運賃は期間費用として認識されます。発生した会計期間の費用として処理されるのが基本です。
参考)荷造運賃の基礎知識から仕訳例:発送費との違いや農業特有の仕訳…
荷造費に関連する具体例として、段ボール箱の購入費、エアキャップやプチプチなどの緩衝材、ガムテープ、ひも、包装紙、発泡スチロールなどが挙げられます。これらは商品を安全に届けるための梱包材料です。商品梱包専用にダンボールを用意している場合は、荷造運賃に計上するのが妥当でしょう。
参考)荷造運賃に計上すべき費用や仕訳例を徹底解説 - ジンジャー(…
発送費に関連する具体例は多岐にわたります。ゆうパックやレターパックなどの小包郵便物の料金、宅配便の配送料、運送会社への運賃が代表的です。クリックポストや定形外郵便も商品発送であれば荷造運賃として処理します。
参考)https://kojin-aoiro.com/qa/astray/646/
農作物等を出荷する際に発生する検査手数料も荷造運賃に含まれます。また、通関手数料を荷造運賃として処理する場合もあります。配送用車両のガソリン代は荷造運賃として計上できます。
参考)【個人事業主向け】荷造運賃とは?通信費との違い・消費税区分・…
判断のコツは明確です。その費用が商品の出荷・配送に直接関連するかどうかで決めればOKです。
商品を仕入れた際に発生する運賃は、荷造運賃ではなく「仕入」勘定で処理します。これは引取運賃と呼ばれ、仕入諸掛として商品の取得原価に含める必要があります。仕入時の送料を負担した場合、本体価格と送料を合算して仕入勘定に計上するのが正しい処理です。
仕入として処理すると売上原価の一部となるため、荷造運賃(販売費及び一般管理費)として処理する場合と比べて原価率に違いが生じます。この区別を誤ると、財務分析において原価率や利益率が正確に把握できなくなる可能性があります。
原価率が歪むと経営判断に影響します。
参考)運賃の勘定科目・仕訳方法は?引き取り運賃・発送運賃について解…
発送の運賃は「荷造発送費」として販売費の区分に表示されますが、引取の運賃は購入のための付随費用ですので、仕入商品の取得原価に含めて「仕入」勘定など売上原価として処理されます。どちらも運賃には変わりありませんが、会計処理は異なります。
ただし、負担した運賃の金額が少額で重要性に乏しい場合には、仕入に含めずに通信費などの勘定科目で処理する場合もあります。
重要性に乏しいなら柔軟に対応できます。
通信費は、電話料金やはがき代や切手代など、相手との通信のために使った費用を処理する勘定科目です。一方、荷造運賃になる費用は商品を発送するためのものです。基本的な区分として、商品の発送費は「荷造運賃」、その他の発送費は「通信費」と考えておけばよいでしょう。
具体例で見ると、請求書やカタログなどを得意先に郵便で送る場合は通信費で処理し、商品を発送する場合は荷造運賃で処理します。切手やはがき、手紙など書類だけの普通郵便は通信費です。商品発送は荷造運賃、書類郵送は通信費と覚えるのが原則です。
レターパックやクリックポスト、定形外郵便の扱いは発送物の内容で判断します。商品を発送する場合は荷造運賃、書類のみの場合は通信費となります。
宅配便は基本的に荷造運賃です。
税務上、自社の商品を顧客に送る場合は、通信費、運賃どちらで処理をしても問題はありません。ただし、商品発送費とそれ以外の発送費に分けることは事業計画作成の際など、管理会計の上では重要です。
一貫性が何より大切です。
参考)通信費と運賃の区分は必要か?
一般的な仕訳例を見てみましょう。宅急便で顧客に商品を発送した場合、借方に「荷造運賃 1,200」、貸方に「現金 1,200」と記帳します。商品の発送代金を現金で支払ったときは、借方「荷造運賃 1,080」、貸方「現金 1,080」という仕訳になります。
シンプルな仕訳ですね。
荷造運賃は消費税の課税対象です。販売した商品の配送手数料は課税取引となり、消費税が課税されます。配送手数料などの荷造運賃は、新聞や飲食料品と違って軽減税率の対象ではないため、原則として8%ではなく10%の標準税率が適用されます。
消費税区分は基本的には「課税仕入」です。ただし、海外に商品を発送するための運賃は「不課税」となります。配送先や取引の性質によって消費税区分が異なる場合があるため注意が必要です。
参考)荷造運賃とは?荷造運賃と通信費の違い・仕訳例など - 個人事…
荷造運賃は発生した会計期間の費用として認識される期間費用であり、売上原価ではなく販売費として処理されます。この理解は、正確な収益性分析にも役立ちます。
期間費用として認識するのが基本です。
荷造運賃と混同しやすいのが消耗品費です。消耗品費は、日常業務で使用する10万円未満の消耗品に関する費用を指します。段ボールやガムテープ、包装紙などは消耗品費としても計上できます。
使い分けの基準として、使途が商品・製品の発送のみに限定されない汎用性が高い物品を費用計上するときには「消耗品費」の勘定科目を使うのが適当です。反対に、商品梱包専用のダンボールを用意する場合などは「荷造運賃」に計上しても構いません。大部分を梱包や荷造りのために利用する場合、消耗品ではなく荷造運賃として計上することが一般的です。
結論から言って、事業の実態と合っていて一貫性があれば、どの勘定科目で処理しても構いません。税額計算では、結局どちらも費用として処理されるので大きな問題にはなりません。税務上問題になるのはあくまで経費にしていいかどうかという点なので、仮に勘定科目が間違っていてもそれほど大きな問題にはならないとは思います。
参考)「荷造運賃と倉庫の保管料がまとめて請求されますが、「荷造運賃…
ただし、項目別に分けてそれぞれ実態を示す勘定科目で経理すべきという原則は守る必要があります。管理会計の観点からも、費用の実態を正確に把握するために適切な勘定科目を選択することが重要です。
一貫性を保って処理することが大切です。
楽楽精算の勘定科目「荷造運賃」解説ページ
荷造運賃の基本的な定義と混同しやすい科目との違いについて、具体例とともに詳しく説明されています。
マネーフォワードの荷造運賃仕訳例
荷造運賃の仕訳例と他の勘定科目との使い分けについて、実務に即した形で解説されています。