
法人税の標準税率は、資本金と所得金額によって段階的に適用されます。資本金1億円以下の中小法人については、所得金額のうち年800万円以下の部分に15%の軽減税率が適用され、800万円を超える部分は23.2%の標準税率となります。大企業の場合は、所得金額全体に23.2%の標準税率が適用されますが、令和7年4月1日以後開始する事業年度からは、所得金額が年10億円を超える場合の軽減税率は17%に変更される予定です。
参考)法人課税に関する基本的な資料 : 財務省
法人税額の計算は、各事業年度の所得金額(課税標準額)に税率を乗じて算出します。また、特別法人事業税として、法人事業税の標準税率相当額に37%(外形標準課税法人は260%)の税率を乗じた金額も併せて納付する必要があります。これらの税額計算には、正確な標準税率の理解が不可欠となります。
参考)No.5759 法人税の税率|国税庁
消費税における標準税率10%に対して、軽減税率8%が適用される範囲は限定的です。標準税率10%では、消費税率7.8%と地方消費税率2.2%で構成される一方、軽減税率8%では消費税率6.24%と地方消費税率1.76%となります。軽減税率の適用範囲は「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」に限定され、テイクアウトや宅配は軽減税率対象となりますが、外食やケータリングは標準税率が適用されます。
参考)消費税の税率が2種類あることは知ってるけど……。軽減税率って…
一体資産については、税抜価額1万円以下で食品価額の占める割合が2/3以上の場合のみ軽減税率が適用され、それ以外は全体が標準税率の対象となります。この細かな区分により、事業者は商品やサービスごとに適切な税率を判断する必要があります。
参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0018006-112.pdf
個人住民税の標準税率は、所得割10%(道府県民税4%・市町村民税6%)と均等割5,000円で構成されています。所得割は課税総所得金額に対して一律10%の税率を適用する比例税率制度を採用しており、累進税率制度の所得税とは異なる税制構造となっています。また、2024年度からは森林環境税1,000円が均等割に加算され、標準的な均等割負担額は5,000円(都道府県民税1,000円・市町村民税3,000円・森林環境税1,000円)となりました。
法人住民税についても、標準税率は都道府県民税が法人税額の1.0%、市町村民税が法人税額の6.0%と定められています。ただし、資本金1億円以下で法人税額が年2,000万円以下の法人については、これらの標準税率より低い軽減税率が適用される場合があります。
参考)大阪市:法人の市民税について (…href="https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000008074.html" target="_blank">https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000008074.htmlgt;市税についてhref="https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000008074.html" target="_blank">https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000008074.htmlgt;法人市民税…
所得税の標準税率は5%から45%までの7段階の累進税率制度を採用しており、課税所得金額に応じて段階的に税率が上昇します。実務では、国税庁が提供する所得税の速算表を活用することで、複雑な累進計算を簡素化できます。例えば、課税所得300万円の場合、「300万円×10%-97,500円=202,500円」の計算式で所得税額を算出できます。
参考)No.2260 所得税の税率|国税庁
さらに、平成25年から令和19年まで復興特別所得税として、基準所得税額に2.1%を乗じた金額が付加されます。この復興特別所得税は源泉徴収の際にも適用され、所得税率に1.021を乗じた合計税率で源泉徴収が行われます。
参考)復興特別所得税に関するお知らせ
法人事業税の標準税率は業種区分により異なり、普通法人では所得400万円以下3.5%、400万円超800万円以下5.3%、800万円超7.0%の3段階税率が適用されます。外形標準課税法人(資本金1億円超)については、所得割1.0%、付加価値割1.26%、資本割0.525%の標準税率となります。電気事業等の特定業種では、収入割による課税も併用され、基準法人収入割額に対して30%または40%の特別法人事業税率が適用されます。
参考)法人事業税の税率や計算方法について解説!
これらの標準税率は都道府県によって超過税率の設定が可能であり、東京都などでは財政需要に応じて標準税率を上回る税率を採用している場合があります。そのため、実際の税務計算では、事業所所在地の自治体が採用している具体的な税率を確認することが重要です。
参考)https://www.soumu.go.jp/main_content/000968887.pdf