

委任契約書として作成しても印紙税が発生するケースがあります
委任契約とは、当事者の一方が法律行為を相手方に委託し、相手方がこれを承諾することで成立する契約です。
参考)委任契約書に印紙は不要?必要なケースや金額、請負契約との違い…
民法第643条に規定されており、資産の売買などの法律行為の委託が対象となります。
税理士や弁護士への業務依頼が典型例です。
参考)委任契約の契約書に収入印紙は必要?印紙代と不要なケースを解説…
つまり委任契約ということですね。
準委任契約は委任契約の類似概念で、法律行為以外の事務処理を委託する契約を指します。システム開発の運用保守やコンサルティング業務などが該当します。
委任契約と請負契約の違いは、成果物の完成義務の有無です。請負契約は仕事の完成を約束しますが、委任契約は業務遂行そのものが目的となります。
参考)委任契約と請負契約の印紙の違い - 渋谷区の税理士・会計事務…
委任契約書には原則として収入印紙が不要です。
印紙税法では課税対象となる文書を課税文書として明確に分類していますが、委任契約書はこの課税文書に含まれていません。印紙税額一覧表に委任契約に関する記述がないためです。
課税文書に該当しない以上、印紙税の納付義務は発生しません。
準委任契約も同様に、受託者が業務を遂行することに対する報酬が支払われる形態であり、金銭や物件の取引を行う業務ではないため、原則として非課税です。
参考)準委任契約に印紙が必要なケースとは?印紙税額や過怠税、節税対…
この原則を理解しておけば大丈夫です。
委任契約書でも、契約内容が第1号文書または第7号文書に該当する場合は印紙税が必要です。
第1号文書に該当するケース
第1号文書の場合、契約金額に応じた印紙税額が適用されます。10万円以下なら200円、10万円超50万円以下なら400円です。
第7号文書に該当するケース
第7号文書の印紙税額は契約金額にかかわらず一律4,000円です。
これは例外です。
契約書の名称だけでは判断できず、実質的な内容によって課税対象かどうかが決まります。税理士や弁護士への業務委託契約でも、特定の成果物の納品を約束する内容が含まれていれば、第2号文書として扱われることがあります。
委任契約として作成した契約書でも、実質的に請負契約の要素を含んでいれば印紙税が課されます。
参考)請負契約と委託契約の違いを分かりやすく解説!企業にとってのメ…
請負契約は「仕事の完成」を約束する契約です。一定の成果物を目的とする点が委任契約との大きな違いです。
請負契約と判定されると、第2号文書として扱われます。記載された契約金額により200円から60万円の印紙税が必要です(契約金額1万円未満は不要)。
判定のポイント
業務委託契約という名称でも、内容が請負契約であれば課税文書になります。契約書のタイトルではなく、契約の実質で判断されます。
参考)業務委託契約って請負?委任?準委任?
結論は実質判断です。
税務署の調査で請負契約と判定されると、印紙税の納付漏れとして過怠税が課されるリスクがあります。
参考)準委任契約に収入印紙は必要?不要なケースや印紙額・貼り忘れの…
印紙税を負担するのは、契約書の作成者です。
印紙税法第3条では、課税文書の作成者は印紙税を納める義務があると定めています。委任契約の場合、当事者の双方が契約書を保管するために2通作成されることから、1通ずつ印紙税を負担するケースが一般的です。
契約金額別の印紙税額(第1号文書)
契約書の控えには印紙は必要ありません。印紙税法では契約書の原本が課税対象となるため、契約の写しやコピーには印紙を貼る義務はないとされています。
これが原則です。
電子契約で締結した場合、どんなケースでも収入印紙が不要になります。電子データで作成された契約書は「文書の作成」に該当しないため、印紙税は非課税です。
収入印紙を貼り忘れると、本来の印紙税額の3倍の過怠税が徴収されます。
参考)準委任契約で印紙が必要になる場合と金額とは?過怠税に注意
具体的には、納付しなかった印紙税額とその金額の2倍の合計が課されます。例えば本来4,000円の印紙が必要だった場合、12,000円の過怠税が徴収されることになります。
痛いですね。
過怠税の対象となるケース
消印とは、印紙が再利用されるのを防ぐために押す印のことです。印紙と文書をまたぐように印鑑を押すか、署名する必要があります。
過怠税の催促に応じなかったり、不正行為によって印紙税を支払わなかったりした場合、印紙税法違反となり、最悪3年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。
ただし、印紙を貼り忘れたとしても契約書自体の法的効力には影響を与えません。契約に基づく権利や義務はそのまま履行されます。
契約は有効です。
過怠税が課される前に貼り忘れに気づいた場合は、速やかに対応することで過怠税の支払いを回避できます。自主的に納付すれば、過怠税は1.1倍に軽減される場合があります。
契約書が課税文書に該当するかどうかの判定には、国税庁の印紙税の手引や質疑応答事例を参照する必要があります。
参考)https://www.nichizeiren.or.jp/suggestion/siryo-2/04.pdf
国税庁のウェブサイトには、印紙税額一覧表や具体的な課税・非課税の判定基準が掲載されています。税理士や行政書士の業務委託契約については、専門職種ごとの取り扱いも示されています。
国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表」では、各号文書の詳細な分類と税額が確認できます
判定時のチェックポイント
委任契約として認められなかった場合のリスクを回避するためには、契約書の文言を慎重に検討する必要があります。
国税庁「請負の意義」では、請負契約と委任契約の区別基準が詳しく解説されています
税理士など専門家に相談することで、より確実な判定が可能です。特に金額が大きい契約や複雑な内容の契約では、事前に専門家の見解を得ておくことが望ましいでしょう。
参考)顧問契約書に印紙税はかかる?税理士契約の課税・非課税の判断基…
厳しいところですね。
誤って課税文書に該当しない文書に収入印紙を貼ってしまった場合、印紙税の過誤納金として還付を受けることができます。
所轄の税務署で還付手続きが可能です。