特定求職者雇用開発助成金60歳以上の条件と受給のポイント

特定求職者雇用開発助成金60歳以上の条件と受給のポイント

特定求職者雇用開発助成金の60歳以上の条件と受給を最大化する方法

ハローワーク経由でなくても、民間の転職エージェント経由で採用した60歳以上の方でも、この助成金を受給できるケースがあります。


この記事でわかること|60歳以上の助成金3つのポイント
💰
中小企業なら最大60万円の支給

60歳以上の高年齢者を1人雇用するだけで、中小企業なら最大60万円(大企業は50万円)が支給されます。 複数採用すれば人数分受け取れます。

⚠️
申請期限は「2か月以内」で厳守

支給対象期(6か月)終了の翌日から2か月以内に申請しなければ不支給になります。 1日の遅れも例外なく認められません。

📈
成長分野で採用すれば90万円に増額

成長分野等人材確保・育成コースを活用すれば、通常の1.5倍となる90万円(中小企業)の受給が可能です。

このページの目次
  1. 特定求職者雇用開発助成金の60歳以上の条件と受給を最大化する方法
    1. 特定求職者雇用開発助成金の60歳以上における基本的な概要と仕組み
    2. 特定求職者雇用開発助成金の60歳以上の受給条件と事業主の要件
    3. 特定求職者雇用開発助成金で60歳以上が対象外になる除外要件
    4. 特定求職者雇用開発助成金における60歳以上の申請手順と流れ
    5. 特定求職者雇用開発助成金の60歳以上の支給額を1.5倍にする成長分野等人材確保・育成コース
    6. 特定求職者雇用開発助成金で60歳以上を採用した場合に他の助成金と併用できるケース・できないケース
    7. 特定求職者雇用開発助成金で60歳以上を採用する際の注意点と失敗しないポイント
    8. 特定求職者雇用開発助成金と60歳以上の高年齢者雇用を同時に進める際の会社側メリット
    9. 特定求職者雇用開発助成金における60歳以上の「65歳以上」への拡充という意外な改正ポイント
    10. 特定求職者雇用開発助成金の60歳以上の活用事例と具体的な計算シミュレーション
    11. 特定求職者雇用開発助成金の60歳以上採用について、金融担当者が見逃しがちな独自視点:「賃金上限」の罠
    12. 特定求職者雇用開発助成金と60歳以上の雇用保険加入の関係:給付金との整合性
    13. 特定求職者雇用開発助成金の60歳以上での申請に役立つチェックリストと社労士活用術


特定求職者雇用開発助成金の60歳以上における基本的な概要と仕組み

特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者や障害者など就職が困難とされる方を雇用した事業主に対して、国が支給する雇用促進のための制度です。60歳以上の高年齢者の雇用は、「特定就職困難者コース」の対象となります。


60歳以上というのは、雇入れ日時点での満年齢で判断されます。


つまり60歳の誕生日を過ぎていれば対象です。


この助成金の財源は雇用保険です。つまり企業が日頃から納めている雇用保険料が原資となっており、広く活用されることが制度の趣旨にもかなっています。受給した助成金は使途制限がなく、人件費の補填だけでなく、設備投資や事業運営資金にも充てることができます。


これは使えそうです。


支給は一括ではなく、6か月ごとを1期とした分割払いです。60歳以上の高年齢者の場合は、助成対象期間が1年間(2期分)で、中小企業であれば1期あたり30万円、合計60万円が受け取れます。大企業の場合は1期25万円、合計50万円です。






















企業規模 1期あたり 合計支給額 助成対象期間
中小企業 30万円 × 2期 60万円 1年
大企業 25万円 × 2期 50万円 1年


なお、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の「短時間労働者」として雇い入れた場合は、中小企業で合計40万円(大企業は30万円)に減額されます。フルタイムか短時間かで支給額が変わる点は、採用前に確認が必要です。


特定求職者雇用開発助成金の60歳以上の受給条件と事業主の要件

この助成金を受け取るには、事業主側が満たすべき条件がいくつかあります。条件を見落とすと、採用後に「対象外」となる事態が発生します。


まず最も重要な条件が、ハローワーク等の指定機関経由での紹介であることです。自社サイトやSNS採用、知人紹介など、指定機関以外のルートで採用した場合は支給対象外となります。


この点が原則です。


ただし、ハローワーク以外でも対象となる機関があります。具体的には、厚生労働大臣の許可を受けた有料・無料の職業紹介事業者で、かつ本助成金に関する取扱いの届出を労働局長に提出している事業者が該当します。転職エージェントを使う場合はその機関が届出済みかどうかを事前に確認することが大切です。


続いて、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇用することが必要です。そして対象労働者が65歳以上になるまで継続して雇用し、かつ雇用期間が継続して2年以上であることが確実と認められなければなりません。


その他の主な条件を整理すると、次の通りです。



  • 雇用保険の適用事業主であること

  • 労働保険料を滞納していないこと

  • 雇入れ日の前後6か月間に事業主都合による解雇をしていないこと

  • 過去3年以内に、助成対象期間中に雇止め・解雇等をしていないこと

  • 対象労働者の労働者名簿・賃金台帳・出勤簿を整備・保管していること


採用前後6か月の解雇要件は見落としがちです。


厳しいところですね。


過去に別の対象者を雇用して解雇した経緯がある場合は、3年間の申請制限がかかることも覚えておきましょう。


特定求職者雇用開発助成金で60歳以上が対象外になる除外要件

助成金を受給できないケースについても正確に理解しておく必要があります。条件を満たさない状態で採用を進めてしまうと、採用後に助成金を受け取れないだけでなく、採用コストだけが発生する最悪の事態になりかねません。


除外される主なケースは以下の通りです。



  • ハローワーク等が紹介する以前に、事業所と対象労働者との間で雇用の予約があった場合

  • 過去3年以内に、当該事業所(派遣・請負・委任・出向を含む)に雇用されていたことがある者

  • 対象労働者が代表者等の3親等以内の親族である場合

  • 雇入れの前に3か月を超える実習等を行った場合

  • 紹介時点で雇用保険の被保険者であるなど、失業状態にない者(一部例外あり)


なかでも見逃しやすいのが、「紹介前の雇用予約」です。ハローワークから正式な紹介を受ける前に、内定や口約束があった場合は対象外になります。また、過去に自社の関連企業や派遣先として働いていた方も対象外になるため、採用時にその方の職歴を確認することが大切です。


つまり過去3年の雇用歴の確認が条件です。採用担当者は、ハローワーク等から紹介を受けた時点で、この確認を漏れなく行うようにしましょう。


特定求職者雇用開発助成金における60歳以上の申請手順と流れ

申請の流れを正確に理解しておくことで、受給漏れを防ぐことができます。特定就職困難者コースを例として、手順を解説します。


申請の基本的な流れは次のとおりです。



  1. ハローワーク等に求人を登録し、60歳以上の対象者の紹介を受ける

  2. 対象者を雇用保険の被保険者として雇い入れる

  3. 雇入れから6か月後(第1期終了)の翌日から2か月以内に第1期支給申請を提出

  4. 労働局・ハローワークによる調査・審査

  5. 支給決定通知が届き、指定口座に振込

  6. さらに6か月後(第2期)に同様の申請を行う


申請先は、事業所の所在地を管轄する労働局またはハローワークです。支給申請に必要な主な書類は以下のものが求められます。



  • 支給申請書(様式第3号)

  • 賃金台帳(支給対象期間分)

  • 出勤簿またはタイムカード

  • 雇用契約書または雇入れ通知書

  • 対象者であることを証明する書類(ハローワーク紹介状など)

  • 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)


申請期限に注意すれば大丈夫です。支給対象期の末日の翌日から2か月以内に提出しなければ、その期の助成金は受け取れません。なお、第1期の申請を逃した場合でも、第2期からの申請は可能です。その際は第1期分に必要だった書類(雇用契約書・タイムカードなど)も合わせて提出が求められます。


審査が通った場合は支給決定通知が届きます。不支給の場合は通知が来ないため、通知が届かない状態が続く場合は、担当の労働局またはハローワークに直接確認することをお勧めします。


参考:申請書類の様式と記入例については厚生労働省公式ページで入手できます。


厚生労働省|特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)


特定求職者雇用開発助成金の60歳以上の支給額を1.5倍にする成長分野等人材確保・育成コース

「通常の助成金だけじゃ物足りない」と感じている事業主の方には、成長分野等人材確保・育成コースとの組み合わせが選択肢となります。


このコースを使うと、通常の特定就職困難者コースの1.5倍の支給額になります。60歳以上の高年齢者(中小企業・短時間労働者以外)であれば、通常60万円のところ、最大90万円まで受け取れます。


これは使えそうです。



















コース 中小企業(短時間以外) 中小企業(短時間)
特定就職困難者コース 60万円 40万円
成長分野等人材確保・育成コース 90万円 60万円


このコースの対象となるには、雇い入れた労働者を「成長分野の業務」に従事させることが条件です。具体的には、デジタル分野(情報処理・通信技術者、データサイエンティスト、ウェブデザイナー・グラフィックデザイナー)またはグリーン分野(脱炭素・低炭素化関係の研究・技術職)の業務が対象です。


さらに、未経験の60歳以上を採用し、人材開発支援助成金を活用して訓練と賃上げを実施した場合は「人材育成メニュー」として1.5倍の助成を受けられます。


つまり訓練と賃上げが条件です。


成長分野の業務に該当するかどうかは職業分類表の区分で判断されます。自社の業務が対象に当たるかどうかは、管轄のハローワークまたは労働局に事前に確認することを強くお勧めします。


参考:成長分野等人材確保・育成コースの詳細な支給要件はこちらで確認できます。


厚生労働省|特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)


特定求職者雇用開発助成金で60歳以上を採用した場合に他の助成金と併用できるケース・できないケース

助成金を複数活用しようとしている事業主の方にとって、どれが併用可能でどれが不可なのかは非常に重要な問題です。


思わぬ落とし穴があります。


まず、特定求職者雇用開発助成金と雇用調整助成金は支給対象期が重複する場合、併給できません。 どちらか一方しか受け取れず、変更するには一方を返還する手続きが必要になります。


また、以下の助成金も支給対象期が重複する場合は併給できません。



  • 労働移動支援助成金

  • 早期再就職支援等助成金(中途採用拡大コース・UIJターンコースを除く)

  • 地域雇用開発助成金(沖縄若年者雇用促進コース)

  • 人材開発支援助成金(賃金助成部分)


一方で、トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)とは条件付きで並行利用が可能です。ただし、障害者トライアル雇用経由で採用した対象者を継続雇用した場合、特定求職者雇用開発助成金は「第2期分から」の受給となります。第1期分は受け取れませんので、これを知らずに計画を立てると資金計画に狂いが生じます。


地方公共団体が独自に設けている補助金等とも併用できない場合がある点も確認が必要です。複数の助成金・補助金を活用しようとする場合は、事前にハローワークまたは担当の労働局に相談してから進めることが最善です。


特定求職者雇用開発助成金で60歳以上を採用する際の注意点と失敗しないポイント

この助成金には「受け取れると思っていたのに、実は対象外だった」というパターンが複数存在します。金額が最大60万円〜90万円ですので、見落としによる損失は大きいです。


注意すべきポイントを以下に整理します。


📌 申請期限は1日でも遅れると不支給
支給対象期の末日翌日から2か月以内という期限は絶対です。うっかり見逃すと、その期分の助成金は一切受け取れません。カレンダーに期限を登録し、担当者が変わる場合も確実に引き継ぎをしましょう。


期限に注意すれば大丈夫です。


📌 有期雇用でも「自動更新」なら対象
よくある誤解として「有期雇用契約では対象外」と思われていることがあります。有期雇用であっても、対象労働者が望む限り更新できる自動更新の契約であり、その旨が雇用契約書や労働条件通知書に明記されていれば対象となります。ただし「勤務態度により判断する」などの条件付き更新は認められません。


📌 試用期間の設定は要注意
試用期間を設けること自体は問題ありませんが、第1期支給対象期間(最初の6か月)に試用期間がかかる場合は対象外になる可能性があります。また、試用期間と本採用後で別々の雇用契約を結んでいる場合も対象外です。


📌 入社後に対象者と判明しても申請できない
この助成金は、ハローワーク等から紹介された時点で事業主が対象者であることを把握していることが前提です。入社後に「実は対象者だった」と気づいても申請できません。


📌 不支給の通知は届かない
審査の結果が不支給だった場合、特に連絡は来ません。申請してから一定期間が過ぎても通知がない場合は、自ら労働局へ確認に行くことが必要です。


これらを事前に把握しておくことが、60万円を確実に受け取るための最低条件です。


参考:申請の落とし穴と注意点についての実務的な解説は以下のサイトも参考になります。


パーソルダイバース|特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)申請における注意点


特定求職者雇用開発助成金と60歳以上の高年齢者雇用を同時に進める際の会社側メリット

60歳以上の高年齢者雇用は、助成金の受給という金銭面だけでなく、企業経営に複合的なメリットをもたらします。


まず、60歳以上のベテラン人材は長年の職業経験から業務遂行能力が高く、教育コストを抑えられる可能性があります。特に専門的なスキルや業界知識を持つ方は、即戦力として機能するケースも珍しくありません。


中小企業にとってこれは大きな強みです。


また、現在の日本では労働人口の減少が続いており、採用市場では若年層の確保が難しくなっています。そうした状況で60歳以上の方を積極的に採用することは、人手不足解消の現実的な手段のひとつです。


さらに、60歳以上の従業員を雇用することで職場内の年齢層が多様になります。世代を超えたナレッジの共有が促進され、若手社員へのOJT(職場内教育)や顧客対応力の向上につながった事例も数多くあります。


いいことですね。


なお、60歳以上の従業員を雇用する場合は、働き方や健康面への配慮も重要です。高年齢者雇用安定法の改正(2021年4月施行)により、70歳までの就業機会の確保が努力義務とされています。雇用延長・継続雇用制度の整備と合わせて、助成金の活用を計画することが、長期的な雇用管理の観点からも効果的です。


特定求職者雇用開発助成金における60歳以上の「65歳以上」への拡充という意外な改正ポイント

多くの方が見落としているポイントのひとつに、65歳以上の高年齢者への適用拡大があります。


もともと、65歳以上を対象とした「生涯現役コース」という専用コースが存在していました。しかし令和4年度末(2023年3月末)をもってこのコースは廃止されています。廃止は知っていた方も多いかもしれませんが、その後の変更を把握していない方が多く見られます。


令和5年度(2023年4月1日)以降、65歳以上の方は「特定就職困難者コース」の対象者として取り込まれました。つまり65歳でも70歳でも、ハローワーク等の紹介で採用されれば助成金の対象になります。


これは意外ですね。


ただし、65歳以上の方を雇用した場合でも「継続雇用の確実性」の判断が、65歳未満の方の場合とは異なります。65歳以上に達するまで継続して雇用するという要件は文言上では成立しないため、実務上は雇用保険の「高年齢被保険者」として雇用し、かつ継続雇用が確実と認められる契約形態であることが必要です。


つまり65歳以上でも対象になるが条件確認が原則です。70代の方を採用する場合も、対象外と決めつけずに管轄のハローワークや労働局に確認してみることをお勧めします。


特定求職者雇用開発助成金の60歳以上の活用事例と具体的な計算シミュレーション

実際にどれだけ助成金を受け取れるのか、具体的な数字でイメージすることが大切です。


事例①:中小企業が60歳以上を3名、フルタイムで採用した場合


日本政策金融公庫の活用事例として紹介されている具体的なケースがあります。週40時間の無期雇用(正規雇用相当)として3名全員が1年間就業した場合、60万円 × 3名 = 合計180万円の助成金を受給できます。


事例②:中小企業が65歳以上の方を1名、短時間労働者として採用した場合


1名の支給額は40万円(短時間労働者)となります。第1期・第2期各20万円ずつ、計40万円を受け取ることができます。


事例③:成長分野等人材確保・育成コースで60歳以上を2名採用した場合


IT部門でデータサイエンティストとして60歳以上を2名採用(中小企業・フルタイム)した場合、1名あたり90万円 × 2名 = 合計180万円の受給が可能になります。


これは使えそうです。


このように、採用人数とコースの選択によって助成金の総額は大きく変わります。複数の方を採用予定の場合は、どのコースが適用できるかを雇用前に確認することで、受給額の最大化が期待できます。


参考:具体的な活用事例と計算例については日本政策金融公庫の資料が参考になります。


日本政策金融公庫|「特定求職者雇用開発助成金 特定就職困難者コース」活用のポイント


特定求職者雇用開発助成金の60歳以上採用について、金融担当者が見逃しがちな独自視点:「賃金上限」の罠

この視点はあまり表立って語られません。金融や管理部門に関わる担当者が特に理解しておくべき、助成金の「実支給額の上限」にまつわる話です。


特定求職者雇用開発助成金の支給額は「1期あたり30万円(中小企業・60歳以上)」と定められていますが、実はこれが必ず受け取れるわけではありません。


支給対象期ごとの支給額は、その期間中に対象労働者に実際に支払った賃金額を上限とするという規定があります。たとえば6か月間に支払った賃金の合計が25万円しかなかった場合、受け取れる助成金は30万円ではなく25万円にとどまります。


これは痛いですね。


この規定が影響しやすいのは、次のようなケースです。



  • 途中で体調不良などにより欠勤が多くなった場合

  • 時給制で実働時間が短い場合

  • 月額賃金が低めに設定されている場合


また、コロナ禍の特例(実労働時間が減少した場合の減額免除)はすでに終了しています。原則通り、賃金総額が上限として機能することを前提に助成金額を試算する必要があります。


採用後に「思っていた額と違う」という事態を防ぐには、雇用前に月次の賃金設定と助成金額の関係を試算しておくことが有効です。


賃金台帳と出勤簿の整備・保管が条件です。


月次で賃金記録を正確に管理し、申請時に必要な書類をそろえておく体制を整えておくと、申請時の手間も大幅に削減できます。


特定求職者雇用開発助成金と60歳以上の雇用保険加入の関係:給付金との整合性

60歳以上の従業員を雇用する場合、助成金と並んで理解しておく必要があるのが、雇用保険の加入要件と関連給付金の変更です。


2025年4月1日以降に60歳を迎えた方については、高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金)の支給率が最大15%から最大10%へ縮小されました。この給付は、60歳到達時点と比べて賃金が75%未満に低下した場合に支給されるものです。


給付率が下がる点は知っておくべきですね。


一方で、65歳以上の従業員についても雇用保険への加入が義務とされています(週20時間以上・31日以上の雇用見込みがある場合)。ただし受け取れる給付金の体系は通常とは異なり、「高年齢求職者給付金」が適用されます。これは失業給付の一時金として、最大50日分が支払われる仕組みです。


60歳以上の従業員を雇用する際は、特定求職者雇用開発助成金の受給要件として「雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れること」が必要です。つまり雇用保険の加入手続きが助成金申請の前提条件でもあります。


雇用保険加入が原則です。


雇用保険加入の手続きは、採用日の翌月10日までにハローワークへ「雇用保険被保険者資格取得届」を提出することで完了します。この届出を忘れると助成金申請にも影響が出るため、採用直後のチェックリストに組み込んでおくことを勧めます。


参考:60歳以上の雇用保険・高年齢雇用継続給付の変更点については以下の記事が詳しいです。


マネーフォワードクラウド給与|60歳以上の高齢者雇用の助成金や給付金、支援、手続きまとめ


特定求職者雇用開発助成金の60歳以上での申請に役立つチェックリストと社労士活用術

助成金の受け取りを確実にするために、申請前・採用後それぞれのタイミングで確認すべき事項を整理します。


【採用前のチェックリスト】


  • ✅ 求人をハローワーク等に登録しているか

  • ✅ 民間職業紹介会社を使う場合、その会社が本助成金の届出済み事業者か確認したか

  • ✅ 採用予定者が過去3年以内に自社(関連会社含む)で雇用されていないか確認したか

  • ✅ 採用予定者との間で紹介前の雇用予約・内定が発生していないか

  • ✅ 雇用契約書に「自動更新」の条件を明記しているか(有期雇用の場合)


【採用後・申請時のチェックリスト】


  • ✅ 雇用保険の加入手続きを採用日翌月10日までに完了したか

  • ✅ 賃金台帳・出勤簿・労働者名簿を整備・保管しているか

  • ✅ 第1期支給申請の期限(雇入れから6か月の翌日から2か月以内)をカレンダーに記入したか

  • ✅ 支給対象期中に事業主都合による解雇が発生していないか


このような書類管理と期限管理が全体的な流れの中で最も重要です。


書類の整備や申請手続きが煩雑だと感じる場合は、社会保険労務士(社労士)への相談が選択肢のひとつになります。助成金の申請代行は社労士の業務範囲に含まれており、申請ミスや期限切れリスクを大幅に低減できます。ただし、特定就職困難者コースは他の助成金に比べて申請難易度が比較的低く、自社担当者が申請要件を正しく理解していれば、社労士に依頼せずに申請・手続きを進めることも十分可能です。


助成金の受給実績を上げたい企業にとって、まずは管轄のハローワークまたは労働局への事前相談が出発点となります。


窓口での相談は無料で行えます。


十分な情報が集まりましたので、記事を生成します。