
高年齢求職者給付金は、65歳以上の高年齢被保険者が離職して失業状態にあるときに支給される雇用保険給付制度です 。従来の失業保険(基本手当)とは異なり、一括での一時金として支給されるのが特徴です 。
参考)https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/content/contents/kounenrei_hihokensyayou3010018.pdf
平成29年(2017年)1月1日の雇用保険法改正により、65歳以上の労働者も「高年齢被保険者」として雇用保険の適用対象となりました 。この制度改正により、65歳以上でも新たに雇用保険に加入でき、離職時には高年齢求職者給付金を受給できるようになっています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/tekiyokakudai.pdf
高年齢求職者給付金の最大の特徴は、老齢年金を受給しながらでも同時に給付を受けることができる点です 。これにより、65歳以上の求職者は経済的な安心感を持って再就職活動に取り組むことができます 。
参考)【FP解説】高年齢求職者給付金とは?受給できる条件や金額など…
高年齢求職者給付金を受給するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります :
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000695108.pdf
基本的な受給要件
被保険者期間の計算方法は、離職後1ヶ月単位で区切り、賃金が支払われた日が11日以上ある月を「1ヶ月分」としてカウントします 。2020年8月1日以降に離職した方については、賃金支払い日が11日以上の月が6ヶ月ない場合でも、80時間以上働いた月を1ヶ月として計算できます。
参考)65歳以上も雇用保険に入れる?失業保険や年金のもらい方、給付…
退職理由については問われないため、自己都合退職、定年退職、会社都合退職など、どのような理由での離職でも受給対象となります 。
参考)高年齢求職者給付金とは?もらえる条件・金額・期限や受給方法は…
高年齢求職者給付金の金額は、「基本手当日額×支給日数」で計算されます 。
参考)高年齢求職者給付金とは?計算方法やメリット、もらえないケース…
基本手当日額の算出方法
賃金には基本給以外にも通勤手当や役職手当などの各種手当が含まれますが、賞与などの臨時の賃金や3ヵ月以上にわたって支給される手当は除外されます 。
支給日数の決定基準
この支給日数は、64歳以下の基本手当が最大360日まで支給されるのと比較して大幅に短く設定されています 。これは65歳以上の求職者が早期に再就職することを前提とした短期的な支援制度として設計されているためです 。
高年齢求職者給付金の申請は、住所を管轄するハローワークで行う必要があります 。
参考)ハローワークインターネットサービスhref="https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html" target="_blank">https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.htmlamp;nbsp;-href="https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html" target="_blank">https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.htmlamp;nbsp;…
申請に必要な書類
参考)失業保険とは?もらえる条件や支給額の計算方法、受給までの流れ…
申請から受給までの流れ
参考)失業手当(失業保険)とは?もらえる条件や期間、手続き方法を解…
求職申込みは失業給付を受けるために必須の手続きであり、再就職の意思を示すために必要です 。雇用保険説明会では、失業認定申告書と雇用保険受給資格者証が配布されるため、必ず出席する必要があります。
高年齢求職者給付金制度には、65歳以上の求職者にとって重要なメリットがあります。
主要なメリット
参考)高年齢求職者給付金とは?失業保険とどちらが得?条件や計算方法…
注意すべき制約事項
日本の高齢者就業率は世界トップクラスで、65~69歳の就業率は52%(OECD平均29%)、70~74歳では34%(同16%)と極めて高い水準を維持しています 。このような背景から、高年齢求職者給付金は高齢者の継続的な社会参加を支援する重要な制度となっています。
参考)高齢者就業率は世界有数の日本。課題は低賃金、男女格差など雇用…
制度を有効活用するためには、65歳到達前後での働き方や退職タイミングを慎重に検討し、自身の状況に最も適した選択をすることが重要です。