


退職後の生活を支える重要な制度である失業保険と年金ですが、多くの方がどちらか一方しか受け取れないと誤解しています。実際には、失業保険と年金を同時にもらうことは可能で、条件さえ満たせば両方を受給できます。
失業保険(雇用保険の基本手当)は、離職した方が安定した生活を送りながら求職活動を行えるよう支給される給付金です。一方、年金は老後の生活保障として支給される制度で、主に以下の種類があります。
これらの制度の組み合わせによって、同時受給の可否が決まります。特に重要なのは、失業保険の種類と受給者の年齢です。
65歳以上の方が退職した場合、高年齢求職者給付金と老齢年金の同時受給が可能です。これは法的に認められており、特別な手続きは必要ありません。
高年齢求職者給付金の特徴。
ただし、注意すべき点として、高年齢求職者給付金は基本手当に比べて受給額が少ないことが挙げられます。65歳未満で退職すれば最大150日間の受給が可能ですが、65歳以降の退職では50日分に減額されます。
実際の受給例を見ると、月収50万円だった方の場合、高年齢求職者給付金として約33万円程度が支給される可能性があります。これに加えて老齢年金も受け取れるため、退職後の生活の安定に大きく寄与します。
60〜64歳の方が失業保険と年金を同時に受給するには、年金の繰り上げ受給を行う必要があります。通常、老齢年金は65歳からの受給開始ですが、60歳以降に繰り上げて受給することで、失業保険との同時受給が実現できます。
同時受給の条件。
ただし、60〜64歳で高年齢雇用継続給付を受給している場合は、最大で給料の6%に相当する金額が年金から減額される点に注意が必要です。この減額措置は、給付の重複を避けるために設けられている制度です。
また、年金の繰り上げ受給を選択すると、65歳からの年金額が永続的に減額されるデメリットもあります。具体的には、1か月早く受給するごとに0.4%(令和4年4月以降は0.5%から変更)の減額となります。
障害年金や遺族年金は失業保険と同時にもらえます。これらの年金は老齢年金とは性質が異なり、働く能力や遺族の生活保障という観点から支給されるため、失業保険との併給制限がありません。
障害年金との同時受給。
遺族年金との同時受給。
特に遺族年金については、制度改正により同時受給の条件が大幅に緩和されています。以前は65歳未満では併給できませんでしたが、現在は65歳以上であれば問題なく同時受給できるようになりました。
失業保険と年金を同時に受給する際は、いくつかの重要な注意点があります。適切な手続きを行わないと、給付が停止されたり、後で返還を求められる可能性もあります。
主な注意点。
手続きの流れ。
税務面では、年金は雑所得として課税対象となりますが、失業保険は非課税です。そのため、確定申告の際は年金収入のみを申告することになります。ただし、年金と失業保険の合計収入が一定額を超える場合は、国民健康保険料や住民税に影響する可能性があります。
また、就職が決まった場合は速やかにハローワークと年金事務所の両方に届出を行う必要があります。失業保険は就職と同時に受給資格を失いますが、年金は継続して受給できます。
同時受給を検討している方は、事前に最寄りのハローワークや年金事務所で詳細な相談を行うことをお勧めします。個人の状況によって最適な受給方法が異なるため、専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めることが重要です。
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