医療費控除明細書書ききれない時の対処法と記入ルール

医療費控除明細書書ききれない時の対処法と記入ルール

医療費控除明細書書ききれない時の対処法

明細書に「医療費通知」を貼り付けるだけでは税務調査で否認されます。


この記事のポイント
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次葉の活用

医療費控除の明細書には次葉(2枚目以降用フォーマット)があり、16行を超える医療費も正しく申告できます

まとめ記入のルール

「医療を受けた方」または「病院・薬局等」ごとにまとめて記載でき、すべての領収書を1枚ずつ記入する必要はありません

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医療費通知の落とし穴

医療費通知には12月分の医療費が未記載のケースが多く、通知だけでは申告が不完全になる可能性があります

医療費控除明細書の基本構造と記入欄の限界


医療費控除の明細書には、医療費の記入欄が16行しかありません。家族が複数人いる場合や、複数の医療機関を受診した年は、この16行だけでは書ききれない状況が頻繁に発生します。


参考)医療費控除の明細書に書ききれない時の対処法!簡単エクセル&手…

つまり欄が足りないということですね。


国税庁の様式では、明細書本体と「内訳書(次葉)」という2枚目以降用のフォーマットが用意されています。次葉は1枚目と同じ構造を持ち、書ききれない医療費を追加で記載するための公式フォーマットです。


参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/02/pdf/ref3.pdf


税務署で配布されているほか、国税庁のウェブサイトからPDF版とExcel版の両方がダウンロードできます。Excel版は自動計算機能があり、入力ミスを減らせます。


参考)https://www.town.toin.lg.jp/material/files/group/1/iryouhikojo_kakikata_meisai.xlsx


国税庁公式サイトの医療費控除の明細書【内訳書】(次葉)
明細書が複数枚になる場合、1枚目の合計欄には全ての用紙の医療費を合算した金額を記入します。次葉には、その用紙だけの小計を記入し、最終的に1枚目で総合計を出す形です。

医療費控除の「まとめ記入」が認められる範囲

医療費控除の明細書では、「領収書1枚」ごとに記入する必要はありません。国税庁は「医療を受けた方」や「病院・薬局等」ごとにまとめて記載することを公式に認めています。


参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1119_qa.htm


具体的には大丈夫です。


例えば、同じ家族が同じ病院に年間10回通院した場合、10行使って記入する必要はなく、1行にまとめて「A病院 100,000円」のように記載できます。また、複数の医療機関をまとめて「A病院ほか」と記載し、合計金額を記入することも認められています。


参考)http://www.town.kamisato.saitama.jp/secure/1172/iryouhi_sample.pdf

この「まとめ記入」を活用すれば、記入欄が16行でも多くのケースで収まります。ただし、保険金などで補填される金額がある場合は、その医療費については個別に記載が必要です。


参考)医療費控除とは?確定申告・計算方法や明細書の書き方を解説!

まとめ方は自由ということですね。


税務担当者としては、従業員や顧問先に対して「すべての領収書を1枚ずつ記入する必要はない」と正確に案内することで、無駄な作業時間を削減できます。


医療費通知を使った明細書作成の注意点

健康保険組合などから交付される「医療費通知(医療費のお知らせ)」を利用すると、明細書の記載を大幅に簡略化できます。医療費通知を添付する場合、明細書上部の「1 医療費通知に関する事項」欄に合計金額を転記するだけで済みます。


参考)https://www.city.funabashi.lg.jp/kurashi/zei/007/002/p057634_d/fil/iryouhi.pdf


これは便利そうです。


しかし、医療費通知には重大な落とし穴があります。多くの健康保険組合では、医療費通知が発行されるのが翌年1月~2月頃のため、12月分の医療費が通知に含まれていないケースが非常に多いのです。


参考)https://allabout.co.jp/gm/gc/474458/

この場合、通知に記載されていない医療費については、別途「2 医療費(上記1以外)の明細」欄に追加で記入する必要があります。通知の金額と実際に支払った金額が異なる場合は、実際に支払った金額を明細書に記載し、通知の余白などに実際の金額を付記します。

つまり通知だけでは不完全です。


また、医療費通知には健康保険適用分しか記載されていません。自由診療や保険適用外の治療、薬局で購入した市販薬、通院の交通費などは通知に載らないため、これらも別途明細書に追加記入する必要があります。


参考)Redirecting to https://money-c…


All Aboutの「医療費のお知らせ」医療費控除での使い方と注意点
税務担当者は、医療費通知を使う場合でも、12月分の医療費や保険適用外の支出を漏らさないよう、従業員や顧問先に注意喚起する必要があります。


医療費控除明細書をExcelで効率化する方法

国税庁が提供する「医療費集計フォーム」は、Excelで医療費を入力し、そのデータを確定申告書等作成コーナーに読み込める便利なツールです。医療を受けた人の氏名、病院・薬局名、医療費の区分、支払った金額、補填された金額、支払い年月日を入力すると、自動的に集計してくれます。

国税庁の医療費集計フォームダウンロードページ
医療費集計フォームが一番便利です。


フォームには30件までのデータが入力でき、30件を超える場合は複数のファイルを作成できます。入力したデータはXML形式で出力され、確定申告書等作成コーナーで読み込むことで、手入力の手間を大幅に削減できます。


税理士事務所や企業の経理部門では、このExcelフォーマットをテンプレート化しておくことで、毎年の医療費控除申告業務を標準化できます。特に複数の従業員や顧問先の申告を扱う場合、Excelでの集計は作業効率を飛躍的に向上させます。


データ管理も楽になります。


手書きの明細書と比較して、Excelでは計算ミスのリスクが減り、修正も簡単です。また、前年度のデータを参照しながら入力できるため、継続的な医療費の管理にも適しています。


参考)「医療費控除」の書式テンプレート・フォーマットのダウンロード…

医療費控除で税務調査対象になりやすいケース

医療費控除は確定申告の中でも税務署のチェックポイントになりやすい項目です。特に毎年高額な医療費控除を申請している場合や、収入に対して不釣り合いな控除額の申請は、詳細な調査の対象になることがあります。


参考)【確定申告】税理士が教える「必ず損をする」よくある3つのミス…

厳しいところですね。


よくある失敗例として、治療目的ではないサプリメントや健康食品の購入費、美容目的の施術費用を誤って医療費に含めてしまうケースがあります。医療費控除の対象となるのはあくまで「治療または療養に必要な医薬品の購入の対価」に限定されています。


参考)確定申告の間違い、税務署から連絡はくる? ケース別対処法とペ…

また、証明書類の不備や不自然な金額は税務署の注目を集めます。医療費の領収書は提出不要ですが、自宅で5年間保存することが義務付けられており、税務調査の際に提示を求められる可能性があります。


参考)確定申告の医療費控除は領収書の提出不要!明細書の入手方法や書…


5年間の保管が必須です。


税務担当者としては、申告前に医療費の内容を精査し、対象外の支出が含まれていないか確認することが重要です。特に保険適用外の治療については、治療目的であることを証明できる書類を整えておくことで、税務調査時のトラブルを回避できます。


参考)医療費控除

還付申告の期限は医療費を支払った翌年から5年間です。申告を忘れていても、5年以内であれば遡って申告できるため、従業員や顧問先に周知しておくとよいでしょう。




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