

中間納付時に「法人税等」で処理してしまうと決算で精算できません。
法人税の中間納付を行った際は、借方に「仮払法人税等」、貸方に「普通預金」または「当座預金」を計上します。例えば、中間納付額30万円を普通預金から支払った場合、借方に「仮払法人税等 300,000円」、貸方に「普通預金 300,000円」と仕訳します。この「仮払法人税等」は資産グループの勘定科目です。
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中間納付では納税額が不確定であるため、納付した額を仮払いとして処理する必要があります。予定申告と仮決算のどちらの方法を選択しても、中間納付時の仕訳は同じです。仮払法人税等は決算時に法人税等に振り替えられます。
参考)法人税の中間納付とは?2つの申告方法と仕訳・注意点を紹介
つまり前払い処理ということですね。
中間納付は法人税の前払いという位置付けのため、決算時に精算処理を行います。前期の確定法人税額が20万円を超えた企業は、中間申告が義務となります。
20万円以下の場合は中間納付は不要です。
決算時の精算仕訳では、まず当期分の法人税等を費用として計上し、同時に未払負債として認識します。例えば、当期の法人税等が80万円で、中間納付が50万円だった場合、借方に「法人税、住民税及び事業税 800,000円」、貸方に「仮払法人税等 500,000円」と「未払法人税等 300,000円」を計上します。
参考)第29回 法人税等(中間納付時・決算時・確定申告時の仕訳)【…
決算により法人税等の金額が確定したときは、「法人税、住民税及び事業税」を借方に記入します。中間申告を行っていたときは、「仮払法人税等」を貸方に記入し、金額は中間申告時の納付額の全額を記入します。
差額は「未払法人税等」として処理します。
これが基本の流れです。
決算時に納める法人税額は、「確定法人税額-中間納付した法人税額」で計算されます。この差額を未払法人税等として計上し、後日納付します。
中間納付した税金の方が、本年度の決算によって確定した税金より大きくなる場合があります。その場合は、「未収法人税等」という資産グループの勘定科目を使って記帳し、後日税務署により返してもらうことになります。
参考)法人税の還付金には細かい仕訳が重要。間違いのない申告をするた…
中間納付額が確定法人税額よりも多ければ、その分還付されます。法人税の還付金は、中間納付で払いすぎた税金が還付される仕組みです。確定申告で最終的に確定した法人税が、前払いした中間納付額よりも少なければ還付されます。
参考)【税理士監修】法人税の中間納付とは? 2種類の申告方法まとめ
払いすぎなら戻ってきます。
還付が発生する理由は、前期に納税した税額の半分を納税する方法、または事業年度の中間に仮決算を行い中間申告する方法のいずれかで中間納付を行った結果、最終的な確定申告の納税額がそれを下回った場合です。どちらの方法で納めた場合でも、最終的な確定申告で計算した納税額よりも中間納付した税額のほうが多ければ、払いすぎた法人税を還付してもらえます。
参考)還付金の勘定科目は?法人税還付の仕訳で重要なポイントを解説
還付金の仕訳では、借方に「未収法人税等」、貸方に「仮払法人税等」および「法人税、住民税及び事業税」を計上します。実際に還付金が入金された際は、借方に「普通預金」、貸方に「未収法人税等」を記帳します。
参考)還付金の仕訳に使う勘定科目まとめ!法人と個人の場合の解説
法人税の中間納付処理において、実務上注意すべき点は多岐にわたります。期限の管理、計算の正確性、仕訳の適切性など、どれか一つでも誤ると税務上の問題や追徴課税につながる可能性があります。
参考)https://shikinnosensei.com/corporate-tax-interim-payment-yayoi-accounting-guide/
中間申告において計算ミスが発覚した場合、修正申告や更正の請求が必要となる場合があります。予定申告の場合は前年度実績の半分という機械的計算のため比較的ミスは少ないですが、仮決算申告の場合は複雑な計算が必要で、ミスのリスクが高くなります。
計算ミスは要注意です。
中間納付時に「法人税、住民税及び事業税」で処理してしまう誤りがあります。正しくは「仮払法人税等」で処理する必要があります。この勘定科目の誤りがあると、決算時の精算処理が正しくできません。
参考)税理士ドットコム - [経理・決算]前期の未収還付 仕訳の誤…
法人税を多く納付してしまったことに気付いたときは、「更正の請求」を行います。更正の請求には期限があり、確定申告の期限から5年以内に手続きを行う必要があります。
納税期限の見落としも発生しがちです。
中間納付は年に1度の作業であるため、つい期限を見落としがちです。
納税期限の1か月前からスケジュールを確認し、計画的に準備を進めることで余裕を持って対応することが重要です。
また、申告方法の選択ミスもあります。
予定申告と仮決算のどちらを選ぶかによって納税額が変わるため、慎重に判断する必要があります。
法人税の中間納付と消費税の中間納付では、仕訳処理の方法が異なる点に注意が必要です。消費税の中間納付では、税抜経理方式の場合「仮払金」または「仮払消費税」を使用します。例えば中間申告で100万円の消費税を納付した場合、借方に「仮払金 1,000,000円」、貸方に「普通預金 1,000,000円」と仕訳します。
参考)消費税の中間納付とは?計算方法や仕訳の解説
消費税は仮払金で処理します。
決算処理では、仮受消費税から仮払消費税と中間納付の仮払金を差し引いて、確定納付額を未払消費税として計上します。消費税の中間納付には地方消費税分を含まないため、10%の場合は7.8%、8%の場合は6.24%のみが課税対象です。
中間納付の回数も消費税と法人税では異なります。消費税は前年度の納税額に応じて、年1回、年3回、年11回と中間申告の回数が変わります。前年の確定消費税額が48万円以下なら中間申告は不要、48万円超から400万円以下なら年1回、400万円超から4,800万円以下なら年3回、4,800万円超なら年11回の中間申告が必要です。
参考)消費税の中間申告、中間納付とは?仕訳や計算方法、支払う時期を…
法人税の場合は前期の確定法人税額が20万円を超えると中間申告が義務となり、基本的に年1回です。納付期限を過ぎると延滞税が発生する点は、法人税も消費税も同じです。延滞税は納期限の翌日から納付するまでの日数に応じて課されます。
参考)中間申告によって納税する消費税はいくら?計算方法や納付時期に…
延滞税が発生するので注意が必要です。
期日までに「申告」を行えばよいのではなく「納付」まで完了させなければいけない点に注意してください。中間申告が必要な場合は、中間申告月の月初までに各役所から申告書類や納付書が郵送されてきます。