

産後のタクシー代は医療費控除の対象外です。
助産師による産後ケアは、国税庁の見解により「助産師による分娩の介助」として医療費控除の対象に含まれます。具体的には産褥入院、新生児の保健指導、母乳外来などが該当します。
参考)https://allabout.co.jp/gm/gc/374659/
対象となるのは治療目的のケアです。
例えば乳腺炎を防ぐためのマッサージや、乳腺がつまるのを防ぐための指導は医療費控除の対象となります。これらは医療行為として認められているためです。
参考)産後のトラブル
一方で、単に母乳育児をしたいという理由だけでのマッサージは対象外となります。治療ではなく育児支援に該当するという判断です。
税務担当者として確認すべきは、領収書の内容と受診理由の2点です。助産院や母乳外来の領収書があり、乳腺炎などの具体的な症状に対する治療であれば、医療費控除として認められます。
産後1カ月健診も医療費控除の対象です。
参考)【助産師監修】母乳外来で母乳育児を相談!診察内容や費用、保険…
医療費控除額の計算式は「医療費の自己負担合計額-保険金などで補てんされる金額-10万円」です。総所得金額が200万円未満の場合は「総所得金額等の5%」を差し引きます。
参考)出産費用は医療費控除の対象になる?控除の概要や申請方法などを…
出産育児一時金は必ず差し引く必要があります。
参考)2026年度目途に「標準的な出産費用の自己負担」を無償化、産…
2026年現在、出産育児一時金は50万円です。例えば出産費用が80万円かかった場合、80万円から50万円を引いた30万円が医療費の自己負担額となります。
ここから10万円を引いた20万円が医療費控除額です。
ただし出産手当金は差し引く必要がありません。出産手当金は勤務できない期間の所得補償であり、医療費を補てんする性格のものではないからです。
この違いを理解しておく必要があります。
還付される金額は所得税率によって異なります。課税所得が400万円(所得税率20%)の場合、医療費控除額20万円に対して4万円が還付されます。
計算式は「医療費控除額×所得税率」です。
国税庁|医療費控除の対象となる出産費用の具体例
医療費控除の対象範囲や計算方法について、国税庁の公式見解が確認できます。
妊婦健診や産後ケアの通院に使った公共交通機関の交通費は医療費控除の対象です。電車代やバス代は領収書がなくても、家計簿などに記録があれば認められます。
産後の通院でタクシーを使った場合は原則対象外です。
参考)交通費は医療費控除の対象?条件や申請方法を徹底解説 - マネ…
これは税務担当者として押さえておくべき重要なポイントです。
ただし例外があります。
深夜の緊急受診、公共交通機関では通えない病院への通院、陣痛時など公共交通機関の利用が困難な場合は認められます。
参考)出産で入院する際のタクシー代は医療費控除の対象となりますか?…
出産時の陣痛によるタクシー代は明確に対象となります。
緊急時のため例外的に認められるためです。
一方、産後の母乳外来への通院でタクシーを使った場合、体調不良など正当な理由がなければ対象外となります。
里帰り出産の帰省費用は医療費控除の対象外です。これは通院のための交通費ではなく、単なる移動費用とみなされるためです。
自家用車のガソリン代も対象外です。
公共交通機関の交通費のみが認められます。
医療費控除を受けるには確定申告が必要です。対象期間は1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費で、未払いのものは除きます。
領収書は必ず保管してください。
助産院や母乳外来の領収書は、医療費控除の根拠となる重要な書類です。領収書がない交通費については、家計簿やメモに日付・金額・目的を記録しておく必要があります。
国税庁の「医療費集計フォーム」を使うと便利です。エクセル形式のフォーマットに医療費を入力すると、確定申告書等作成コーナーで読み込めます。領収書が多い場合は作業効率が大幅に上がります。
申告時に税務署から内容について質問される可能性があります。特に助産師による産後ケアは、治療目的かどうかの判断が求められることがあります。受診理由を明確に説明できるよう、診療内容のメモを残しておくとよいでしょう。
差額ベッド代は本人や家族の都合だけで個室に入院した場合、医療費控除の対象外です。医師が治療上必要と判断した場合を除き、快適性のための費用は認められません。
参考)No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例|国税…
入院時の身の回り品購入費用も対象外です。寝巻き、洗面具、タオルなどは医療行為に直接関係しないためです。
病院以外からの出前や外食費用は対象外となります。病院に支払う入院中の食事代は入院費用の一部として認められますが、個人的な食事は除かれます。
おむつ代やミルク代も対象外です。これらは育児用品であり、医療費には該当しません。ただし医師が証明する6ヶ月以上の寝たきり患者のおむつ代は例外的に認められます。
出生前診断(NIPT)の費用は医療費控除の対象外です。
健康診断の一種とみなされるためです。
妊娠検査薬代も同様に対象外となります。
親族への付添料の支払いも認められません。付添人を頼んだ場合の所定の料金は対象ですが、親族に付添料名目で支払っても控除対象にはなりません。
国税庁|医療費控除の対象となる入院費用の具体例
入院に関連する費用のうち、対象となるもの・ならないものの判断基準が詳しく説明されています。