

クレジットカード納付は30万円超でも利用できます
国税庁は令和7年度までにキャッシュレス納付割合を4割まで引き上げる目標を掲げています。令和5年度時点でのキャッシュレス納付割合は39.0%に達しており、法人税のオンライン利用率は86.2%と高水準です。法人の窓口納付は全体の約7割を占めており、まだキャッシュレス化の余地が大きい状況です。
参考)https://www.tkc.jp/consolidate/webcolumn/023946
キャッシュレス納付は金融機関や税務署の窓口に出向く必要がなく、自宅やオフィスから納付できるため、時間とコストの削減につながります。法人にとっては、現金管理にかかる社会全体のコスト縮減にも貢献できます。国税のキャッシュレス納付は、基本的にすべての税目で利用可能です。
参考)https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/pdf/06240406_02.pdf
ダイレクト納付は、e-Taxを利用して預貯金口座から国税を納付する方法です。法人がダイレクト納付を利用する場合、「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を書面で提出する必要があります。
参考)使ってみると便利です!キャッシュレス納付!|令和7年分 確定…
この方法の最大のメリットは、インターネットバンキングの契約が不要な点です。即時納付または納付日を指定して納付することが可能なため、資金繰りに合わせた計画的な納税ができます。税理士が納税者に代わって納付手続を行うことも可能です。
ただし、書面で提出した場合、利用可能となるまで1ヶ月程度かかります。納付期限ぎりぎりでは間に合わなくなるため、事前の準備が必須です。利用前には届出した預金口座の残高を確認する必要があり、期日指定納付の場合は前日までの確認が求められます。
e-Tax経由で申告書を提出している法人は、納付書の事前送付が行われなくなっています。つまり、キャッシュレス納付への移行が実質的に求められているということですね。
クレジットカード納付は、国税クレジットカードお支払いサイト経由で納付する方法です。多くの方が「30万円までしか使えない」と誤解していますが、実際の上限額は1回の手続きにつき決済手数料を含んで1,000万円未満です。
参考)法人税はクレジットカードでも納付できる!支払い方法を解説
30万円という金額は、スマホアプリ納付の上限額です。スマホアプリ納付では、一度に取扱える金額の上限が30万円までとなっています。総額が30万円超の場合、複数回に分ければ納付は可能ですが、決済サービス自体の利用上限に注意が必要です。
参考)税金のキャッシュレス納付について
クレジットカード納付の決済手数料は以下の通りです。
参考)法人カードで税金を支払う方法|上限額・メリット・注意点を解説…
1,000万円未満の範囲内であっても、契約しているカードの利用可能枠を超えた納付はできません。法人カードの利用枠と納付予定額を事前に確認することが重要です。決済手数料は費用として計上できるため、税務上は所得を小さくする効果があります。
参考)法人税をクレジットカード納付する方法は?メリットや注意点を解…
この方法なら高額納付にも対応できますね。
キャッシュレス納付には3つの大きなメリットがあります。第一に、自宅やオフィスから納付可能なため、金融機関や税務署への移動時間と交通費を削減できます。第二に、PCやスマホで簡単に手続きができ、操作も直感的です。第三に、現金の準備が不要で、現金管理にかかるコストや紛失リスクを回避できます。
法人が複数の支店を持つ場合、専用ソフトを導入することで各支店ごとに行っていた納付をダイレクト納付で一括処理できます。ある企業では49支店の納付を一括処理することで、業務効率を大幅に改善した事例があります。地方税の納付も併せてダイレクト納付に統一すれば、さらに効率化が進みます。
クレジットカード納付を選択すれば、カードのポイントが貯まるというメリットもあります。法人税や消費税など高額な納税でポイントを獲得できれば、実質的なコスト削減になります。キャッシュフローに余裕が生まれる点も見逃せません。
参考)税金を法人カードで納付する方法とは?メリットや注意点、おすす…
窓口納付と比較すると、時間的コストの差は明らかです。
キャッシュレス納付を導入する際には、いくつかの注意点があります。まず、事前の手続きが必要な方法では、申込から利用開始まで時間がかかります。ダイレクト納付の場合、書面提出では1ヶ月程度かかるため、納期限に間に合わせるには早めの準備が不可欠です。
参考)かながわ信用金庫
クレジットカード納付では、決済手数料が発生します。税額に応じて手数料が増加するため、高額納付では手数料負担も大きくなります。例えば、50万円の納税なら約4,000円程度の手数料がかかる計算です。この手数料は費用計上できますが、キャッシュアウトは確実に発生します。
スマホアプリ納付は手軽ですが、30万円という上限額があるため、法人税や消費税など高額な納税には不向きです。複数回に分割すれば可能ですが、手間がかかります。また、現金と違って入金までに半月ほどのタイムラグが生じるため、未収金の計上が必要になる場合もあります。
e-Taxによる申告書提出を行っている法人は、納付書の事前送付が行われなくなっています。これは実質的にキャッシュレス納付への移行を促すものです。事前送付を行わない対象には、e-Tax申告義務化対象法人やダイレクト納付・振替納税利用者が含まれます。
納付方法の変更には計画的な準備が求められます。
キャッシュレス納付を戦略的に活用することで、法人の財務管理を最適化できます。例えば、ダイレクト納付の期日指定機能を使えば、資金繰りに合わせた納税計画を立てられます。月末に大口入金がある場合、納付日を月末に指定することで、口座残高を効率的に管理できます。
税理士との連携も重要なポイントです。ダイレクト納付では、税理士が納税者に代わって納付手続を行うことが可能です。顧問税理士に納付手続を一任することで、経理担当者の業務負担を軽減できます。この場合、事前に税理士との委任関係を明確にしておく必要があります。
複数の納付方法を組み合わせる戦略も有効です。通常はダイレクト納付を利用し、資金繰りが厳しい月だけクレジットカード納付でキャッシュフローを調整するという使い分けができます。クレジットカード納付は決済日と実際の引き落とし日にタイムラグがあるため、一時的な資金繰り改善に役立ちます。
国税と地方税の納付を統一することで、経理業務全体を効率化できます。多くの自治体がeLTAXによる地方税のキャッシュレス納付に対応しているため、国税も地方税もオンラインで完結させることが可能です。
参考)キャッシュレス納付のやり方をご紹介! 導入のメリットは? -…
これらの活用法を組み合わせれば、納税業務の効率は大幅に向上します。
キャッシュレス納付の推進により、納税者の利便性向上と社会全体のコスト縮減が期待されています。令和5年度のキャッシュレス納付割合は39.0%に達し、令和7年度の4割達成目標に近づいています。法人の約7割がまだ窓口納付を利用している現状を考えると、今後さらなる普及が見込まれます。
参考)https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/kokko/elec/data/elec103-1.pdf
各納付方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。ダイレクト納付は手数料無料で資金繰り調整がしやすい反面、事前申込に1ヶ月かかります。クレジットカード納付はポイント獲得やキャッシュフロー改善のメリットがある一方、決済手数料が発生します。スマホアプリ納付は手軽ですが、30万円という上限があります。
法人の状況に応じて最適な納付方法を選択することが重要です。高額納税が多い法人にはダイレクト納付、ポイント還元を重視する法人にはクレジットカード納付が向いています。事前の手続きを忘れずに行い、計画的にキャッシュレス納付を導入しましょう。
国税庁の「簡単!便利な!キャッシュレス納付のご案内」では、各納付方法の詳細な手続きと申込書式が掲載されています
国税庁の「使ってみると便利です!キャッシュレス納付!」ページでは、納付方法の選択ガイドと実際の操作手順が確認できます