普通税 目的税 一覧と地方税制度の基本分類体系

普通税 目的税 一覧と地方税制度の基本分類体系

普通税 目的税 一覧体系の基本理解

普通税と目的税の基本分類
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普通税

使途が特定されず、一般経費に充てる税金

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目的税

特定の政策目的で使途が限定された税金

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法定税・法定外税

地方税法の定めによる分類と独自税制

普通税の基本概念と使途の自由度

普通税は地方公共団体における税収の使途が特定されておらず、どのような行政事業の費用にも充てることができる税金です 。この特徴により、地方自治体は普通税収を社会保障、教育、インフラ整備、公共サービス等の幅広い一般経費に柔軟に配分できます 。普通税の代表的な税目には、住民税、固定資産税、軽自動車税、たばこ税、特別土地保有税があり、これらは地方税収の大部分を占めています 。
この自由度の高さが普通税の最大の特徴であり、地方自治体の財政運営における基盤的役割を果たしています。金融業界の視点では、地方自治体の信用力評価において、普通税収の安定性と多様性が重要な指標となります 。
参考)税の種類

 

目的税の具体的税目と特定用途の仕組み

目的税は法律や条例により使途があらかじめ特定されている税金で、特定の政策目的達成のために課税される税制です 。代表的な目的税として都市計画税があり、都市計画事業や土地区画整理事業の費用に充てられます 。その他の目的税には入湯税事業所税、水利地益税、共同施設税、宅地開発税、国民健康保険税があります 。
参考)【最新行政大事典】用語集—市町村税

 

都市計画税は1919年に創設された歴史ある税制で、市街化区域内の土地・家屋所有者に対して0.3%以下の税率で課税されます 。2022年4月現在、全国1,719市町村のうち644団体(約37%)が都市計画税を課税しており、地域の都市開発政策により課税の有無が決定されています 。

法定税と法定外税による普通税分類の詳細

地方税制度では、地方税法に定めがある法定税と、地方自治体が独自に創設する法定外税に区分されます 。法定普通税は全国統一の基準で課税される税目で、市町村民税、固定資産税、軽自動車税、市町村たばこ税等があります 。一方、法定外普通税は地方自治体が条例により独自に新設できる税制で、総務大臣との協議・同意が必要です 。
参考)【No929】法定外税について

 

令和3年度の法定外税決算額は634億円(地方税収全体の0.15%)で、このうち法定外普通税が500億円、法定外目的税が133億円となっています 。法定外税制度は平成12年の地方分権一括法により許可制から協議制に変更され、地方自治体の課税自主権が拡充されました 。
参考)https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_24.html

 

普通税における国税・地方税の体系的分類

税制全体の分類において、普通税は課税主体により国税と地方税に区分され、さらに道府県税と市町村税に細分されます 。国税の普通税には所得税、法人税、消費税等があり、地方税の普通税には住民税、事業税、固定資産税等があります 。
地方税収における普通税の割合は極めて高く、地方財政の根幹を成しています 。特に市町村税における普通税(市町村民税、固定資産税等)は、地域住民の日常生活に直結するサービス提供の財源として機能しています 。金融機関の地方自治体向け融資審査では、これら普通税収の安定性と成長性が重要な評価要素となります。
参考)市税の説明/泉南市ウェブサイトにようこそ!

 

目的税の地方税制度における独自性と課税実態

目的税制度は日本の地方税制度における独特な仕組みで、特定の政策目的と税収使途の明確な関連付けを特徴としています 。都市計画税以外にも、温泉地における入湯税(温泉保護・観光振興)、大都市部の事業所税(都市環境整備)等、地域特性に応じた多様な目的税が存在します 。
参考)目的税の使途(都市計画税・入湯税)|大阪府八尾市公式ホームペ…

 

法定外目的税の導入事例として、京都市の「(仮称)非居住住宅利活用促進税」があり、空き家・別荘対策として令和8年以降の課税が予定されています 。このような独自の目的税創設により、地方自治体は特定の政策課題に対する専用財源を確保できます。目的税の導入背景には地方財政の厳しい状況があり、地方交付税への影響を避けつつ独自財源を確保する戦略的意図があります 。