

負債資本比率が3対1を超えると利息が損金不算入になります。
資産負債資本の計算は、会計の基本原理である「資産=負債+純資産(資本)」という等式に基づいています。この式は、企業が保有する財産(資産)が、どのような資金源(負債または純資産)によって調達されているかを示すものです。
左辺の資産は企業が持つ財産を表し、右辺の負債と純資産は「誰にお金を出してもらったか」という調達額を表します。調達額の総計と保有している財産の総計は必ず一致します。
これが基本です。
貸借対照表では、資産は左側に、負債と純資産は右側に記載され、両側の合計額は常に一致しなければなりません。この一致を確認することが、財務諸表作成の第一歩となります。
参考)https://sp-21.co.jp/study/fusai-jyunshisan/
純資産は「資産の合計-負債の合計」という式で計算できます。例えば、資産が800万円、負債が500万円の場合、純資産は300万円となり、これが最終的に企業に残る正味の財産となります。
つまり純資産が正味財産です。
参考)資産と純資産(資本)の違いを理解する!(貸借対照表の解説)
資産と負債はそれぞれ、流動性の基準によって「流動」と「固定」に分類されます。この分類には「正常営業循環基準」と「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」という2つの基準が適用されます。
参考)流動負債とは?固定負債との違いや分析できる財務指標などを解説…
流動資産は、正常な営業サイクルから生じた資産や1年以内に現金化できる資産を指し、現金、預貯金、売掛金、有価証券、商品などが含まれます。対して固定資産は、現金化するのに1年以上かかる財産で、土地、建物、自動車、長期保有予定の投資有価証券などが該当します。
負債については、流動負債が1年以内に返済しなければならない借金、固定負債が返済まで1年以上の猶予がある借金となります。正常な営業サイクルから生じたもの以外の負債は1年基準が適用され、1年以内に返済期日を迎えるものが流動負債、それ以外が固定負債に分類されます。
ただし例外もあります。流動負債の項目の中には「前受金」(または「契約負債」)という勘定科目があり、これは流動負債に分類されますが、将来お金が出ていくものではありません。
前受金は違います。
参考)資産100億円の会社と資産1000億円の会社はどちらが安全か…
貸借対照表では、流動性の高いものから順に記載するというルールがあるため、流動負債は固定負債の上に記載されます。この配置ルールを理解しておくことで、財務諸表の読み取りがスムーズになります。
負債資本比率は、企業の資本構成を評価する重要な指標であり、特に過少資本税制との関連で税務上重要な計算となります。過少資本税制では、負債資本比率が一定の基準を超えると、超過部分の借入金から生じる利息が法人税計算上、損金不算入となります。
参考)過少資本税制
日本における過少資本税制の基準は、原則として負債資本比率3対1です。これを超える場合、その超過負債部分にかかる利息費用などは税法上の損金として認められません。一方、インドネシアなど他国では4対1という基準が採用されています。
負債資本比率の計算には、期末残高ではなく期中平均残高を使用します。具体的には、最低でも毎月末の残高の平均値を用いることが要請されています。この点は計算ミスを防ぐために重要なポイントです。
金融法人など、事業の性質上負債資本比率が3対1を上回ることが常態である法人については、類似法人の特例が認められています。類似法人を選定し、その法人の負債資本比率(例えば10対1など)を用いて過少資本税制の適用判定や損金不算入額の計算が可能となります。
類似法人特例があります。
この制度は、配当金が課税済利益から支払われる一方で、利子は原則的に損金算入が可能であり課税前の利益から支払われるという違いを利用した国際的租税回避行為を防止するための措置です。税務担当者は、海外親会社からの借入がある場合、この比率を定期的に監視する必要があります。
純資産は、誰かに返済する義務のない企業の資産のことで、貸借対照表では右側の下段に記載されます。2005年の会社法成立以降、従来の「資本の部」は厳密には「純資産の部」と呼ばれるようになりましたが、基本的な考え方は同じです。
参考)純資産とは?総資産との違いや種類、活用法をわかりやすく解説 …
純資産は「資産合計-負債合計」という式で計算されるため、企業の正味の財産を表します。例えば、資産が5,000万円、負債が3,000万円の場合、純資産は2,000万円となり、これが実際に企業に帰属する財産となります。
参考)負債純資産合計とは?貸借対照表の見方と計算式をわかりやすく解…
純資産の内訳は主に、資本金と利益剰余金で構成されます。資本金は株主からの出資金、利益剰余金は過去から蓄積された利益を表します。その他、自己株式や評価・換算差額等も純資産の部に含まれます。
参考)図で一目瞭然!社長のための貸借対照表(B/S)の読み方・|中…
純資産の計算で特に注意が必要なのは、貸借対照表作成時の転記ミスです。前期のデータを使い回しながら計算書類を作成している企業では、純資産の部で前期の数字が更新されずに残ってしまうミスが多発しています。特に「その他利益剰余金」や「自己株式」の欄で、前期の数字がそのまま記載されているケースが頻繁に見られます。
参考)計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策 【第1回…
これは、転記不要の「資本金」の近辺に転記が必要な科目があるため、転記が必要なところまで転記せずに済ませてしまうことが原因です。
計算チェックが必須です。
財務諸表作成における計算チェックの最も基本的なポイントは、貸借対照表の左側(資産合計)と右側(負債・純資産合計)が一致していることの確認です。この一致が確認できない場合、どこかに計算ミスや入力ミスがあることを意味します。
参考)貸借対照表の書き方を簡単に解説!エクセル作成も対応
流動負債比率は、自己資本額に対する流動負債の割合を測る指標で、短期的に返済が必要な資金を借りすぎていないかを判断するために使用します。流動負債比率が高いほど、自己資本に対して流動負債が占める割合が高く、財務の安全性が低いと判断されます。
ギアリング比率は「有利子負債÷純資産(自己資本)×100%」で計算され、借金が自己資本の何パーセントあるかを示します。例えば、貯金が1億円で借入金も1億円の場合、比率は100%となり実質無借金状態です。しかし比率が250%を超えると危険とみなされます。
危険水準があります。
固定長期適合比率は「固定資産÷(自己資本+固定負債)×100%」で計算され、固定資産を自己資本と長期借入金の範囲内で持てているかを確認します。100%を超えている場合、固定資産を短期借入金も使って購入していることになり、返済が重くなります。
特殊なケースとして、マイナスの資本金等の会社では、株式評価の計算において異常な数値が算出される可能性があります。配当還元価額や類似業種比準価額の計算で、発行済み株式数がマイナスとなり、各値もマイナスとなるため、通常の評価方法が機能しない異常事態が発生します。このような場合、資本からマイナスされている利益を除いて、本来のプラスの資本金等の額に戻す必要があります。
参考)https://osawa-tax.jp/blog/post_news/3621
計算書類作成に関する"うっかりミス"の事例と防止策(Profession Journal)
上記のリンクでは、貸借対照表の純資産の部で発生しやすい具体的なミスの事例と、その防止策が詳しく解説されています。前期データを使い回す際の転記ミスを防ぐための計算チェック手順が紹介されており、実務担当者にとって有用な情報源となります。

d-649 ※5 検定簿記問題集 昭和53年7月15日 発行 英光社 簿記 検定 帳簿 仕入帳 伝票 資本金 利益 決算 資産 負債 精算表 損益計算書