公証人と司法書士の違いと公正証書と登記

公証人と司法書士の違いと公正証書と登記

公証人と司法書士の違い

公証人と司法書士の違い
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結論:役割が違う

公証人は「中立な証明」で紛争予防、司法書士は「登記・手続の代理」で権利関係を形にします。

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経理で刺さる場面

金銭消費貸借・家賃などで強制執行を見据えるなら公正証書、会社の変更や資産移転なら登記の判断が重要です。

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意外に知られていない電子公証

電子定款などは電子データの認証・確定日付が使え、保存期間や手数料の考え方も決まっています。

公証人と司法書士の違いの業務範囲

 

公証人と司法書士の違いを最短で言うと、司法書士は「依頼者側で手続を進める専門家」、公証人は「当事者から一定の距離を置いて証明する専門家」です。
公証人は国の公務である公証作用を担い、公正証書など強い証明力を持つ文書を作成し、私的紛争の予防を目的とします。
一方で司法書士は、登記などの手続(典型は不動産登記・商業登記)を通じて、権利関係の対外的な公示・整備に関わる実務家として扱われることが多いです。
経理の現場で誤解が出やすいのは、「法律文書を扱う=どちらでも同じ」ではない点です。

 

参考)公正証書作成において司法書士を間に入れるメリットは?

例えば、取引先との契約書の“内容を整える”局面(条項の落とし穴潰し、金額・期限・遅延損害金の整合など)と、“証明して効力を強める”局面(公正証書化など)は別物で、後者は公証人の領域になりやすいです。

逆に、会社の本店移転・役員変更・増資など「最終的に登記所へ申請し、公的記録を更新する」局面では、登記の専門家として司法書士が主役になりやすいです。

 

参考)https://tsunagaru-as.com/article/scrivener-difference

公証人と司法書士の違いの公正証書

公証人は、中立・公正であることが強く求められ、一方当事者の代理人として依頼者の利益のために動く弁護士や司法書士などとは性格が異なると説明されています。
この「中立性」は、公正証書の信用の源泉で、後日の紛争(言った・言わない、合意の有無、署名の真正など)を減らす設計です。
また、公正証書には強制執行が可能なものも含まれるとされ、単なる私署証書(当事者間の契約書)より“回収の現実味”が変わる点が経理にとって大きいです。
公正証書が向く典型例としては、金銭消費貸借(貸付)・賃貸借(家賃)・離婚給付・養育費など「継続的な支払い」が絡む類型がよく挙げられます。

 

参考)https://ueno.law/topics/%E5%85%AC%E6%AD%A3%E8%A8%BC%E6%9B%B8%E3%81%AE%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%8C%96%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%9F%E3%80%902025%E5%B9%B410%E6%9C%88%E6%94%B9%E6%AD%A3%E3%80%91%E3%83%AA/

経理目線では、与信の弱い相手・取引の初期・過去に支払遅延がある相手に対して「支払の確実性を上げる」手段として検討されやすい一方、公正証書化には手数料や当事者の手間が増える点も織り込みが必要です。

ここで司法書士が活躍しやすいのは、公証役場との日程調整や必要書類の整理、原案の整合(会社・不動産・相続など周辺手続まで含めた交通整理)で、実務の詰めを代行してくれるケースがあることです。

 

参考)公証役場とは?利用の流れと司法書士に依頼するべき理由を解説|…

公証人と司法書士の違いの登記

司法書士は登記の専門家として、権利関係の変更を「公的記録に反映させる」実務に強みがあります。
経理の文脈だと、M&Aや組織再編ほど大げさでなくても、役員変更・本店移転・商号変更・増資などは、社内決裁→株主総会/取締役会→必要書類→登記申請まで一連の流れになり、ここを落とすと期限・対外信用・銀行対応に波及します。
登記が絡む手続は「提出したら終わり」ではなく、登記事項証明書の取得、金融機関・取引先の名義更新、社内規程や請求書の表記統一など後工程が多いため、司法書士と経理が連携して工程表を作るだけでも事故率が下がります。
一方、公証人は登記申請の代理をする立場ではなく、あくまで公証作用(証明・認証・公正証書作成等)を担う側です。

したがって「会社設立で定款認証が必要→公証役場→その後に設立登記」という流れでは、公証人と司法書士が同一線上に見えても、担当領域は明確に分かれます。

経理従事者が押さえるべき判断軸は、「証明を強くしたいのか(公証人)」「登記を通して権利・会社の公的記録を変えたいのか(司法書士)」の二択から入り、必要に応じて両方を使うことです。

公証人と司法書士の違いの電子公証

意外に知られていないのが、電子公証(電磁的記録の認証・電子確定日付)です。
公証人は電子データについても、作成者を証明する「認証」や、ある時点で存在したことを証明する「確定日付(日付情報)の付与」を行えるとされています。
例えば会社設立の定款もPDFファイルに対して認証でき、紙の定款認証で問題になりがちな印紙税(4万円)が不要になる旨が説明されています。
また、認証した電子文書は20年間、電子確定日付に関するデータは50年間保存されるとされ、監査・税務調査・取引先監査で「いつの文書か」「改ざんされていないか」を説明する材料になり得ます。

 

参考)司法書士と公証人の交差点——公証業務の基本とその意義|🌊 神…

電子定款や電子私署証書の認証では、ウェブ会議を利用して本人確認・署名の確認を行う運用が説明されており、移動コストやスケジュール調整の考え方が変わります。

さらに手数料の目安として、日付情報の付与700円、私署証書の認証11,000円(原則)などが示されているため、経理としては「法務コストの見積り」を早期に作れるのが実務的メリットです。

参考:電子公証の仕組み・保存期間・手数料・ウェブ会議による認証の要点
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_5

公証人と司法書士の違いの経理の独自視点

検索上位の解説は法務一般の話になりがちですが、経理従事者にとっての独自視点は「回収・証憑・内部統制」の3点で依頼先を決めることです。
回収面では、未回収リスクが高い取引ほど、公正証書(強制執行を見据えた設計)が効いてくる可能性があり、単なる契約書レビューより“出口”の設計が重要になります。
証憑面では、電子確定日付を使うと「その時点で存在した」説明がしやすくなり、取引基本契約や覚書の更新履歴をめぐる社内外の認識差を減らしやすいです。
内部統制の観点では、公証人が中立・公正である点は、取引の公正性や手続の客観性を示す材料にもなり得ます。

一方、登記を伴う論点(会社の代表者変更、担保設定、不動産の名義移転など)を放置すると、請求書の宛名・印鑑権限・銀行手続に連鎖し、月次締めや監査対応で“あとから爆発”しがちなので、司法書士と経理で先に工程管理するのが安全です。

現実的な運用としては、①契約の回収設計は公証人(必要なら司法書士が調整)②権利・組織の公的記録は司法書士、という役割分担で考えると迷いが減ります。

参考:公証人の位置づけ(中立・公正、紛争予防、公正証書)
https://www.koshonin.gr.jp/system/s02/s02_02

 

 


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