育児休業給付延長の添付書類と申請手続き完全ガイド

育児休業給付延長の添付書類と申請手続き完全ガイド

育児休業給付の延長に必要な添付書類と手続きの完全解説

入所保留通知書を1枚出しただけでは、育児休業給付の延長申請が通らず、受取額が最大でゼロになる可能性があります。


📋 この記事の3つのポイント
📄
添付書類が2025年4月から3点セットに

従来は入所保留通知書1点でよかった延長申請が、2025年4月以降は「延長事由認定申告書」「申込書の写し」「入所保留通知書」の3点提出が必須になりました。

⚠️
書類不備・虚偽記載は不正受給扱い

申込書の内容と事実が異なる場合、受給済みの給付金全額の返還に加え、最大3倍の追加納付命令が課されるリスクがあります。

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片道30分ルールと入所希望日に要注意

自宅から片道30分以上の保育所にのみ申し込んでいる場合や、入所希望日が1歳の誕生日より後の場合は、延長が認められないケースがあります。


育児休業給付の延長申請に必要な書類一覧【2025年4月以降版】


育児休業給付金は、原則として子どもが1歳の誕生日の前々日まで支給されます。保育所等に入所できないやむを得ない事情がある場合は、最長で子どもが2歳になるまで段階的に延長できますが、その申請に必要な添付書類が2025年4月1日以降、大幅に変更されました。


以前は「入所保留通知書(または入所不承諾通知書)」1点を添付すれば手続きが完了していました。しかし改正後は、以下の3点がすべて必要です。


No. 書類名 ポイント
育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書 2025年4月から新規追加。速やかな職場復帰を目的とする旨を申告する書類
市区町村に提出した保育所等の利用申込書の写し(全ページ) 受付印は不要。途中で内容変更した場合は変更後の申込書の写しが必要
市区町村が発行する入所保留通知書・入所不承諾通知書等 従来から必要。発行年月日が子の誕生日の2か月前以後の日付のものが対象


3点すべてが条件です。


書類が1点でも欠けると、ハローワークは延長の可否を判断できず、申請が却下されることがあります。特に②の「申込書の写し」は2025年4月に新設された要件のため、従来の感覚で手続きを進めると漏れが起きやすいポイントです。注意に注意を重ねてください。


なお、①の延長事由認定申告書は、厚生労働省の公式ウェブサイトまたはハローワークの窓口で入手できます。記入方法に迷った場合は、ハローワークへ事前に相談するのが確実です。


以下のリンクは厚生労働省の公式ページです。延長手続きに関する最新の資料一式(リーフレット・申告書様式)がダウンロードできます。


厚生労働省|育児休業給付金の支給対象期間延長手続き(公式)


育児休業給付の延長が認められる3つの条件と審査ポイント

添付書類を揃えるだけでは不十分です。書類の中身がハローワークの審査基準を満たしているかどうかが、実際の可否を左右します。


2025年4月以降は、ハローワークが以下の3つの要件をすべて確認したうえで、延長の可否を決定します。


📌 要件① 申込のタイミング


保育所等への入所申込年月日が、子どもが1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)までになっていることが必要です。申し込みを忘れていた場合や、市区町村に「定員が一杯で入所は難しい」と口頭で言われたからといって申し込みをしなかった場合は、原則として延長が認められません。


「申し込もうとしたが断られた」という口頭説明だけでは証明にならないということです。


📌 要件② 速やかな職場復帰を目的とした申し込みであること


ここが今回の改正のコアです。「保育所に落ちること」を目的とした申し込み、つまり「落選狙い」を排除するため、以下のすべてを確認します。


- 入所希望日が原則として子の1歳の誕生日の翌日以前であること
- 申し込んだ保育所等が、合理的な理由なく自宅から片道30分以上かかる施設のみとなっていないこと
- 申込書に「入所保留を希望する」「速やかに職場復帰する意思がない」などの記載がないこと


片道30分ルールは重要な基準です。自宅から30分以内に通える認可保育所が1か所でもある場合は、その保育所への申し込みが必須です。例外として認められるのは、通勤経路の途中にある場合や、開所時間の都合で勤務時間に対応できない場合など、6つの合理的理由が定められています。


📌 要件③ 誕生日時点で保育利用の見込みがないこと


入所保留通知書等によって、子の1歳の誕生日の翌日時点で保育所に入れないことを証明できることが必要です。もし一度内定(入所可)の通知を受け取ったにもかかわらず、理由なく辞退した場合は、この要件を満たしません。やむを得ない辞退理由は「申し込み時から内定時にかけて、住所や勤務場所に変更が生じた場合」に限定されています。


厚生労働省リーフレット(PDF)|2025年4月から保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります


育児休業給付の延長申請で注意すべき「書類の落とし穴」

手続きの流れを理解していても、細かなルールを見落としてしまうと申請が通らないことがあります。実務上でよく発生するミスを押さえておきましょう。


🔴 落とし穴① 入所申込書の「全ページ」提出を忘れる


保育所への利用申込書は複数ページにわたるケースが多くあります。ハローワークが求めているのは「全てのページの写し」です。表紙だけ、または記入済みページだけを提出した場合は書類不備となります。


「全ページを出す」が基本です。


また、申込後に希望保育所の追加・変更を行った場合は、最新の(変更後の)申込書の写しが必要です。当初の申込書のみを提出しても、変更内容がハローワークに伝わらないため、審査に影響する場合があります。


🔴 落とし穴② 受付印があるものを探そうとして時間を浪費する


「申込書の写しには市区町村の受付印が必要」と思い込み、役所に押印をもらいに行くために時間と手間をかけてしまうケースがあります。厚生労働省の公式資料では「市区町村に申し込んだものと同じ内容であれば、受付印は不要」と明記されています。手元にある控えのコピーで問題ありません。


🔴 落とし穴③ 入所希望日が1歳の誕生日より後になっている


自治体によって入所の受付開始日が月の特定の日(1日・11日・21日など)に限定されているケースがあります。例えば子どもの1歳の誕生日が10月29日の場合、10月21日の受付日を逃すと次の受付日は11月1日になります。入所希望日が11月1日(=1歳の誕生日10月28日より後)になってしまうと、延長の要件を満たさなくなる場合があります。


自分の子どもの誕生日と、お住まいの自治体の入所申込スケジュールを早めに確認することが大切です。


🔴 落とし穴④ パパ・ママ育休プラスを使っているのに通常の基準日で申請してしまう


「パパ・ママ育休プラス」制度を利用して育休を1歳2か月まで取得した場合、次の1歳6か月への延長申請では、基準日の読み替えが必要です。実際の1歳の誕生日ではなく、休業終了予定日の翌日を「延長申請上の1歳の誕生日」として扱わなければなりません。この読み替えを忘れると書類の整合性が崩れ、延長が却下される可能性があります。該当する方はハローワークに事前確認を取るのが安全です。


育児休業給付の延長で添付書類に虚偽があると最大3倍返還になる

申請書類の内容と実際の申し込み状況が異なる場合、単なる書類の不備とは扱われません。不正受給として認定されると、深刻な金銭的ペナルティが課されます。


不正受給が認定された場合のペナルティ:


| ペナルティの種類 | 内容 |
|---|---|
| 給付金の全額返還 | 不正に受け取った育児休業給付金の全額を返還 |
| 追加納付命令 | 返還額に加え、不正受給額の2倍に相当する金額の納付命令(合計3倍)が課される場合がある |
| 給付の停止 | 不正があった日以降、雇用継続給付・基本手当等の支給を受ける権利を喪失 |


最大3倍です。


例えば育児休業給付金を月に約15万円受け取っていた場合、6か月分の不正受給で約90万円の返還に加え、最大180万円の追加納付命令が課される計算になります。合計で270万円以上の損失になりかねません。「申込書の内容をちょっと変えた」「申し込んだふりをした」というレベルであっても、制度趣旨に反する行為は不正受給とみなされます。


こうしたリスクを避けるためには、申込書の写しを申請書と同時に必ず保管しておくことが有効です。会社・自分双方で書類のコピーを残しておき、提出内容が一致するかチェックする習慣を作りましょう。


また、申請そのものは事業主(会社)がハローワークへ行うのが一般的です。しかし申告書への記載内容(申し込み状況の詳細)は、従業員本人の情報が元になります。会社任せにせず、自分の申し込みの内容・日時・希望施設などをメモとして残しておくと、万が一の照合にも対応できます。


不正受給ペナルティの解説|育児休業給付金の支給対象期間延長ルールの変更点(社労士解説)


育児休業給付の延長申請を「金融的視点」で損得計算する

ここでは一般的な制度説明ではなく、育児休業給付の延長を「お金の問題」として整理します。


育児休業給付金は、休業開始前の賃金日額の67%(最初の180日)または50%(180日以降)が支給されます。月収30万円の方を例にとると、月の手取り給付額は次のように試算できます。


時期 支給率 月収30万円の場合の概算給付額
育休開始〜180日目 67% 約20万円 / 月
181日目以降(延長期間含む) 50% 約15万円 / 月


1歳から2歳までの延長期間(最大12か月)をフルで受け取れた場合、50%支給で約180万円の収入になります。これを手続きのミスや書類不備で失うことになれば、家計への打撃は相当大きいものになります。実は、書類1枚の提出漏れが、180万円の損失に直結する可能性があるということです。


これは大きい損失ですね。


一方で、延長申請を問題なく通過するために役立つ実務的なアクションとして、ハローワーク窓口への事前相談があります。書類の揃い具合や、申告書の記載内容について不安がある場合は、提出前に管轄のハローワークへ持参して確認を依頼することができます。郵送でなく窓口持参にすることで、その場で不備を指摘してもらえるため、申請却下のリスクを大きく下げられます。


また、社会保険労務士(社労士)への相談も有効な手段です。中でも、育児関連の給付制度に精通した社労士に相談すると、パパ・ママ育休プラスとの関係など複雑なケースでも書類作成のサポートが受けられます。費用(数千円〜2万円程度のスポット相談)と、180万円の受取機会の損失を比べると、相談のコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。


延長給付を確実に受け取るためのチェックリストとして、以下の点を確認しておきましょう。


- 📅 保育所申込の期日が子の1歳誕生日の前日以前になっているか
- 🏫 申し込んだ保育所が自宅から片道30分以内に1か所以上含まれているか
- 📋 入所申込書の写し(全ページ)を保管しているか
- 🗓️ 入所希望日が1歳の誕生日の翌日以前になっているか
- 📝 申告書に「入所保留を希望する」などの記載をしていないか
- 📬 入所保留通知書の発行日が子の誕生日の2か月前以後の日付になっているか


これが延長申請の生命線です。


社労士監修:育児休業給付金延長手続きの厳正化について(タヨロウ)




手続きがよくわかる 産休/育児・介護休業Q&A 令和5年4月版