ideco受け取り税金完全ガイド節税方法

ideco受け取り税金完全ガイド節税方法

ideco受け取り税金の基本知識

iDeCo受け取り時の税金ポイント
💰
一時金受け取り

退職所得として扱われ、退職所得控除と1/2課税の優遇あり

📊
年金受け取り

雑所得として扱われ、公的年金等控除が適用される

⚠️
2026年改正

5年ルールが10年ルールに変更され、節税戦略の見直しが必要

ideco受け取り方法と税金の違い

iDeCoの給付金を受け取る際の税金は、選択する受け取り方法によって大きく異なります。主な受け取り方法は以下の3つです。

 

🔸 一時金として一括受け取り

  • 60歳以降75歳までの間に一括で受け取る方法
  • 退職所得として扱われ、退職所得控除が適用
  • 課税対象額が(収入金額-退職所得控除額)×1/2となる優遇措置あり

🔸 年金として分割受け取り

  • 5年から20年の期間で定期的に受け取る方法
  • 雑所得として扱われ、公的年金等控除が適用
  • 他の年金収入と合算して税額計算

🔸 一時金と年金の併用

  • 一部を一時金、残りを年金として受け取る方法
  • 取り扱う金融機関が限られているため事前確認が必要

受け取り方法の選択により税負担が大幅に変わるため、自身の退職金の有無や金額、他の収入状況を考慮した戦略的な判断が重要です。

 

ideco一時金受け取りの退職所得控除

一時金として受け取る場合、退職所得控除の恩恵を最大限活用することが節税の鍵となります。

 

退職所得控除額の計算方法

加入年数 控除額の計算式
20年以下 40万円×加入年数(最低80万円)
20年超 800万円+70万円×(加入年数-20年)

具体的な計算例

  • 30年加入の場合:800万円+70万円×10年=1,500万円
  • 40年加入の場合:800万円+70万円×20年=2,200万円

退職所得の計算式は以下の通りです。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2
この1/2課税という優遇措置により、実質的な税負担が大幅に軽減されます。会社からの退職金がない自営業者や、退職金が少ない方にとって、一時金受け取りは非常に有利な選択肢となります。

 

ただし、会社の退職金とiDeCoの一時金を同時に受け取る場合は、控除額を合算して計算するため注意が必要です。

 

ideco年金受け取りの公的年金等控除

年金として受け取る場合は、雑所得として公的年金等控除が適用されます。

 

公的年金等控除額(2025年現在)

年齢 年金収入 控除額
65歳未満 60万円以下 全額控除
65歳未満 60万円超130万円未満 60万円
65歳以上 110万円以下 全額控除
65歳以上 110万円超330万円未満 110万円

年金受け取りが有利なケース

  • 会社の退職金が退職所得控除額を大幅に上回る場合
  • 他の年金収入が少ない場合
  • 長期にわたって安定した収入を得たい場合

注意すべきポイント

  • 国民健康保険料や介護保険料の計算対象となる
  • 他の所得と合算して総合課税される
  • 確定申告が必要になる場合がある

年金受け取りを選択する際は、受け取り期間や年額を慎重に検討し、他の収入とのバランスを考慮することが重要です。

 

ideco税制改正2026年10年ルール変更

2026年1月1日から、iDeCoの受け取りに関する重要な税制改正が実施されます。

 

改正内容:5年ルール→10年ルールへ変更
🔸 従来の5年ルール

  • iDeCoの一時金受け取りと退職金の受け取り時期を5年以上空ける
  • それぞれに退職所得控除を適用可能
  • 例:60歳でiDeCo受け取り、65歳で退職金受け取り

🔸 新しい10年ルール(2026年1月~)

  • 受け取り時期を10年以上空けなければ控除額が調整される
  • 5年間隔では退職所得控除を満額利用できない
  • 税負担が増加する可能性

対応策の検討

  1. 受け取り時期の調整
    • 60歳でiDeCo受け取り、70歳で退職金受け取り
    • 70歳まで働ける環境が必要
  2. 年金受け取りへの変更
    • 一時金ではなく年金として分割受け取り
    • 雑所得として公的年金等控除を活用
  3. 退職金を先に受け取る戦略
    • 60歳で退職金、70歳以降にiDeCo一時金
    • 運用リスクの継続を考慮が必要

この改正により、多くの方が受け取り戦略の見直しを迫られることになります。

 

ideco受け取り時期と節税対策

最適なiDeCo受け取り戦略を決定するには、個人の状況に応じた総合的な判断が必要です。

 

受け取り戦略の決定要因
🔸 退職金の有無と金額

  • 退職金なし:一時金受け取りが有利
  • 退職金あり:金額により戦略変更が必要
  • 高額退職金:年金受け取りを検討

🔸 その他の収入状況

  • 公的年金受給額
  • 不動産収入や事業所得
  • 配偶者の収入状況

🔸 健康状態と寿命予測

  • 長生きリスクを考慮した受け取り期間の設定
  • 医療費負担の将来予測
  • 相続対策の必要性

節税効果のシミュレーション例
以下は年収500万円の会社員が23年間iDeCoに加入した場合の比較です。

受け取り方法 税負担 手取り額 特徴
一時金 約15万円 約585万円 退職金次第で変動
年金10年 約25万円 約575万円 安定した収入
併用 20万 約580万円 バランス型

受け取り前の最終チェックポイント

  • 税制改正の最新情報確認
  • 金融機関での受け取りシミュレーション実施
  • 税理士やファイナンシャルプランナーへの相談
  • 家族の同意と相続対策の検討

老後資金の受け取りは一度きりの重要な決断です。十分な情報収集と専門家への相談を通じて、最適な戦略を選択することが大切です。