
中央清算機関が適格CCPとして認定されるためには、厳格な要件が定められています。適格中央清算機関は、バーゼル規制上の優遇的な資本規制適用を受けることができるため、その認定基準は特に重要です。
適格CCPの認定には以下の2つの主要要件があります。
①情報提供要件 📈
②規制・監督要件 🔍
特筆すべきは、導入当初(2013年から1年間)には経過措置が設けられ、上記要件を満たさない場合でも、適格性確保に向けた具体的取組みがなされていれば適格CCPとして扱われました。
清算参加者になるためには、金融商品取引業者または登録金融機関として厳しい基準をクリアする必要があります。JSCCを例とした具体的な資格要件は以下の通りです:
自社清算資格の主要基準 💰
項目 | 金融商品取引業者 | 登録金融機関 |
---|---|---|
資本金 | 3億円以上 | 3億円以上 |
純財産額/純資産額 | 20億円以上 | 20億円以上 |
自己資本規制比率 | 200%超 | - |
自己資本比率 | - | 国際統一基準適用 |
他社清算資格の強化基準 🏢
他社清算資格では、より高い財務要件が課せられます。
これらの基準は申請者の信用状況によって25%厳格化される場合があり、継続的な財務モニタリングの対象となります。
中央清算機関の規制は国際的な協調により標準化が図られています。特に重要なのは、2012年4月に公表された「金融市場インフラのための原則(PFMI)」です。
PFMI準拠要件 🌍
各国規制当局の対応 📋
海外CCPが適格認定を受けるためには。
この国際統一化により、グローバルな金融市場におけるCCPの信頼性と相互運用性が確保されています。
中央清算機関は参加者のリスク管理のため、多層的な担保制度を運営しています。この制度は金融市場の安定性を支える重要な仕組みです。
証拠金の種類と機能 💎
担保管理の階層構造 🏗️
興味深いことに、CCPの担保評価にはモンテカルロ・シミュレーションなどの高度な定量分析手法が用いられており、従来の単純な担保評価を大きく上回る精度を実現しています。
一般的にはあまり知られていませんが、中央清算機関には資格要件違反時の段階的制裁措置が詳細に定められています。
段階的制裁措置 ⚠️
独自の監視システム 🔍
CCPは以下の指標を常時監視しています。
特に注目すべきは、問題があると認められた場合の「債務引受け停止」措置です。これは資格取消しに至る前の中間的制裁として機能し、市場への影響を最小限に抑えながら規律を維持する革新的なアプローチといえます。
また、清算集中義務の対象となるのは、前年度のOTCデリバティブ取引想定元本合計額が3,000億円以上の大規模金融機関同士の取引に限定されており、中小金融機関への配慮も見られます。
中央清算機関制度は、2008年の金融危機を受けて導入された重要な市場インフラであり、今後もその役割はさらに拡大していくと予想されます。
金融庁による適格中央清算機関の定義に関する詳細な解説資料
日本証券クリアリング機構の最新の免許・認証取得状況
財務省による店頭デリバティブ規制入門ガイド