
2025年7月、スイス王者FCバーゼルへの電撃移籍を果たした常本佳吾は、現在26歳の右サイドバックです 。神奈川県相模原市出身の常本は、横浜F・マリノスの下部組織から明治大学を経て、2021年に鹿島アントラーズでプロデビューしました 。
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鹿島では3年間で公式戦93試合に出場し、2023年7月にスイス1部のセルヴェットに完全移籍 。セルヴェットでは2年間で公式戦83試合に出場し、1ゴール8アシストを記録する活躍を見せました 。特に2024-25シーズンには、セルヴェットをスイス・スーパーリーグ2位に導く主力として活躍し、その実力が認められてリーグ王者のバーゼルに引き抜かれました 。
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興味深いエピソードとして、大学時代には筑波大生だった三笘薫と対戦し、三笘が「対峙した中で印象に残っている相手」として常本の名前を挙げるほど、その守備力は定評がありました 。常本の移籍について、バーゼルのスポーツディレクター、ダニエル・シュトゥッキ氏は「ダイナミックで俊敏、そして守備力に優れたフルバック」と評価しています 。
参考)https://news.livedoor.com/article/detail/29663629/
FCバーゼルは1893年創設の歴史ある名門クラブで、スイス1部リーグでの優勝回数は21回を誇ります 。21世紀に入ってからは特に強さを発揮し、2009-10シーズンから4連覇を達成するなど、スイスサッカー界の頂点に君臨しています 。
参考)Jリーグ欧州スタジアム視察2014
日本人選手との関わりでは、2006年から2008年まで中田浩二(現・鹿島アントラーズ)がプレーし、マルセイユでの不遇を経験した後、バーゼルではレギュラーとしてリーグ優勝に貢献する復活を遂げました 。中田は当時、バーゼルについて「とても過ごしやすいところ」とコメントしており、外国人選手にとって適応しやすい環境であることを証明しています 。
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続いて2014年には、日本代表FW柿谷曜一朗が移籍しました 。柿谷の場合、セリエAのフィオレンティーナやブンデスリーガのブレーメンからもオファーを受けていましたが、これらの4大リーグのクラブを断ってバーゼルを選択したという経緯があります 。これは、バーゼルがチャンピオンズリーグ常連クラブであり、ビッグクラブへのステップアップとして最適な環境を提供していることを示しています。
スイス・スーパーリーグにおける日本人選手の実績は着実に積み重ねられています。通算最多出場記録は瀬古歩夢(グラスホッパー)の109試合、最多得点記録は久保裕也の26得点となっており、常本佳吾も59試合出場で5位の記録を持っています 。
参考)https://hiramaru-life.com/switzerland-japanese
現在スイス・スーパーリーグでプレーする日本人選手は、瀬古歩夢(グラスホッパー・チューリッヒ)と常本佳吾(FCバーゼル)の2名です 。瀬古は185cmのセンターバックで、セレッソ大阪から2022年1月に移籍し、東京オリンピック日本代表や日本代表の選出歴を持つ期待の若手です 。
スイスリーグの特徴として、セリエAへの移籍が最も多いケースであり、各クラブにとってイタリアへの移籍金は重要な財源となっています 。しかし近年では、ベルギーやオランダ、ポルトガルといった国々が日本の若い才能に注目しており、スイスでも日本人選手への関心が高まっているとの分析があります 。
参考)https://number.bunshun.jp/articles/-/841059?page=4
FCバーゼルは、スイス勢として唯一チャンピオンズリーグベスト16入りを果たした実績を持つ強豪クラブです 。1999-2000シーズン以降、毎シーズンUEFA主催大会に出場しており、継続的に欧州の舞台で戦い続けている数少ないスイスクラブの一つです 。
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2025年シーズンには、常本が所属するバーゼルがUEFAチャンピオンズリーグ予選プレーオフに進出しましたが、デンマークのコペンハーゲンに2試合合計1-3で敗れ、本戦出場は逃しました 。この試合で常本は右サイドバックとして先発し、90分間フル出場を果たしており、バーゼルにとって重要な戦力として位置づけられていることが分かります 。
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バーゼルのホームスタジアムであるザンクト・ヤコブ・パルクは、収容人数38,512人でスイス国内最大規模を誇り、「ヨッケリ」の愛称で市民から愛されています 。2012/13シーズンの平均入場者数は29,039人を記録しており、スイスにおける高い人気と支持を物語っています 。
参考)https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/activities/03_clubeuro_stadium_report2014_01.pdf
興味深い歴史的エピソードとして、バーゼルの創設初期の主将ジョアン・ガンペールは、後にスペインのFCバルセロナを創設した人物であり、FCバルセロナのクラブカラー「赤と青」はFCバーゼルに由来するという説も存在します(ただし、FCバルセロナ側は公式に否定しています)。
常本佳吾のプレースタイルは、「ダイナミックで俊敏、守備力に優れたフルバック」と評されており、特に激しいプレーで知られています 。現地スイスメディア『Baseljetzt』は、「これまで最も印象に残っているバーゼル選手を尋ねれば、常本の名がすぐに挙がるはずだ。この日本人選手は闘志あふれるプレーでファンの心を掴んだ」と報じており、移籍初年度から既にバーゼルファンの支持を獲得していることが分かります 。
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2025年シーズン、常本はバーゼルで公式戦11試合にすべて先発し、3アシストを記録する活躍を見せました 。また、常本が着用する背番号は「6番」で、これは中田浩二も背負っていた番号であり、日本人選手の系譜を受け継いでいることを象徴しています 。
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しかし、9月24日に行われたUEFAヨーロッパリーグのフライブルク戦で、常本はハムストリングの筋損傷を負い、数週間の離脱を余儀なくされました 。現地メディアは「その激しいプレースタイルゆえに、負傷リスクも高い」と分析しており、常本のアグレッシブな姿勢が魅力である一方で、怪我のリスクも伴うことを指摘しています 。
過去の実績として、常本は2023-24シーズンにセルヴェット所属時、スイス・スーパーリーグのベストイレブンに選出された経験もあり、リーグ全体から高く評価されている実力者です 。