

粗供養(そくよう)と満中陰志(まんちゅういんし)は、どちらも「弔事の返礼」に見えるため、現場では同じ箱で管理されがちです。ですが、言葉が指す“お礼の対象”が異なるため、のしの表書きや挨拶状の文面、社内での説明責任まで連鎖してズレやすい点に注意が必要です。用語のズレは、遺族・親族の気持ちだけでなく、会社(施主側)の対外文書としての正確性にも影響します。
まず、満中陰志は「忌明け(四十九日法要を終えたこと)の挨拶」と「香典へのお礼」を兼ねて贈る品物で、実質的には香典返しと同義として整理できます。
参考)満中陰志とは?粗供養の違いなどを解説します
一方の粗供養は、葬儀や法要に参列し供養してくれたことへの「ささやかなお礼の品(粗品)」という位置づけで、会葬礼状と一緒に渡す会葬御礼品と同じ意味合いで使われることが多い言葉です。
参考)満中陰志とは?意味や相場・渡す時期・掛け紙・挨拶状の書き方を…
経理従事者として押さえるべきポイントは、「誰の行為に対する返礼か」を分解して言語化することです。
この整理を一度社内で共有しておくと、総務・秘書・現場責任者が発注するときの「品目の名寄せ」や「のし指定」の齟齬が減ります。特に取引先が絡むと、同じ品でも表書きの選択ミスが“マナー違反”として認識されやすく、トラブルコストが高くなります。
違いが最も表面化するのが「いつ渡すか」です。満中陰志は「中陰(四十九日)が満ちた=忌明け」を前提とするため、四十九日法要後に贈るのが基本で、法要後から1か月以内を目安に届くよう手配するのが一般的とされています。
一方、粗供養は通夜・葬儀当日に参列者へ渡す返礼品として説明されることが多く、同じく法要当日に渡すケースもあります(参列への御礼として成立するため)。
ここで実務上ややこしいのが、「四十九日法要当日に、会場で香典返しもまとめて渡す」運用です。法要当日に参列者へ渡す場合、参列御礼としての粗供養と、香典への返礼としての満中陰志が同時に発生しうる、と整理されます。
つまり、同一人物に対して「粗供養(参列のお礼)」と「満中陰志(香典のお礼)」を両方準備する、という組み立てが起こり得ます。
また近年多い「当日返し(即日返し)」は、満中陰志の語感と衝突しやすい論点です。忌明け前に渡すため、当日返しでは表書きを「満中陰志」ではなく「志」にするのが一般的、という説明が複数の解説で示されています。
経理・総務の観点では、発注書・請求書の品目が「満中陰志(香典返し)」となっていても、のし指定は「志」になることがあるため、発注時に“時期フラグ”を付けてミスを潰すのが効果的です。
さらに、意外と盲点になるのが「スケジュール繰り上げ」のケースです。地域や考え方によっては、法要が月をまたぐ関係などで四十九日を繰り上げることがあり、その場合は四十九日が経過していないため「満中陰志」を使わず「志」にするのが一般的、という説明もあります。
このパターンは、社内の“カレンダー上の四十九日”と、寺院・葬家側の“実施した法要日”がズレることで起きるため、のしの校正は「実施日基準」で確認するのが安全です。
経理実務で一番ありがちな事故は、「品物自体は正しいのに、のし(表書き)が違う」ことです。満中陰志は香典返しの意味合いとして用いられ、忌明け後に贈る前提があるため、当日返しでは表書きを「志」にするのが一般的とされています。
粗供養は「参列のお礼(供養してくれたお礼)」として使えるため、通夜・葬儀当日や法要当日の返礼品側で整理されます。
のしの運用を社内標準化するために、次のように“入力項目化”すると、属人判断が減ります。
挨拶状についても、満中陰志は「忌明けの報告」と「香典へのお礼」を兼ねるため、郵送する場合は挨拶状を添えるのがマナーとされています。
一方で、手渡しの場合は挨拶状は不要、という整理も示されています。
経理としては、印刷費・封入作業・郵送費が“付随コスト”として発生するため、「郵送/手渡し」の判断が見積・予算に直結します。
もう一つ、知られていないが現場で効くのが「受け取った側のお礼」の論点です。満中陰志は香典へのお礼として贈られるものなので、受け取った側がさらにお礼を重ねるのは「不祝儀が重なる」とされ、基本的にお礼は不要という説明があります。
取引先から「ご丁寧に…」と連絡が来た場合も、先方が“正しい”というより、“社内ルールで連絡している”可能性があるため、営業・秘書と連携して温度感を整えると角が立ちにくいです(ここは社風で最適解が変わります)。
参考:満中陰志の意味/粗供養との違い/時期(四十九日法要後1か月以内の目安)
満中陰志とは?意味や相場・渡す時期・掛け紙・挨拶状の書き方を…
参考:満中陰志と粗供養の使い分け(何に対するお返しか、いつ渡すか)/繰り上げ時は「志」などの注意点
満中陰志とは?粗供養の違いなどを解説します
経理従事者向けに重要なのは、「相場=社内ルールの前提」になりやすい点です。満中陰志(香典返し)の金額は、いただいた香典の半額(半返し)〜3分の1程度が目安とされます。
当日返し(即日返し)の場合は一律の品を渡す運用が多く、相場を2,500円〜5,000円目安とする説明や、別の解説では2,000円〜3,000円目安とする説明もあり、実務では“会場の標準プラン”に寄ることが多い領域です。
品物選びの基本は「消え物」です。満中陰志では、お茶・海苔などの日持ちする食品や、タオル・洗剤などの消耗品が定番とされます。
タブー寄りの扱いとしては、生肉・生魚などの「四つ足生臭もの」を避ける、縁起物を避ける、といった説明があり、カタログギフト等で一部含まれる程度は過度に問題視しない、という現実的な線引きも示されています。
この章での“意外な実務ポイント”は、相場そのものより「差額精算」の考え方です。即日返しを行った場合、高額の香典を受けた相手には、忌明け後に改めて満中陰志を贈る(追加返礼)という説明があり、即日返し分を差し引いて半返し〜3分の1で調整する考え方も示されています。
つまり、会計・台帳設計としては「一律返礼(当日)」と「追加返礼(後日)」を分けて管理できるようにしておくと、後追いの発注や二重計上の事故が減ります。
さらに、寄付を行った場合は満中陰志を贈らないこともある、という説明があります。
この場合、経理は「寄付金」と「返礼品」の支出構造が変わるため、社内の稟議・証憑(寄付先、金額、対外的な説明文面)を整えておかないと、後日監査的な目線で説明が難しくなります。
ここからは検索上位の一般マナー記事では触れられにくい、経理実務に寄せた“独自視点”です。粗供養と満中陰志は、社内ではどちらも「弔事の返礼品」として同じ購買フローに乗る一方、対外説明は「参列御礼(粗供養)」と「香典返し(満中陰志)」で意味が違うため、摘要の書き方が雑だと後から追えなくなります。
また、当日返し・追加返礼・郵送対応が混在すると、1件の弔事で支出が複数便に割れて、請求書も複数社(葬儀社・ギフト会社・印刷会社・郵便)に分散しやすいのが特徴です。
そこでおすすめは、勘定科目そのものを無理に分けるより、「摘要テンプレ」を固定する運用です。例えば以下のように、最低限“目的と時期”が残る形にします。
特に「満中陰志」という語は仏教由来で、神式・キリスト教では使わないという説明があります。
会社として取引先の宗教・宗派を深掘りしない方針でも、少なくとも“表書きの文言”は対外文書そのものなので、総務が判断しやすいように「宗教不明→志」などの逃げ道を社内ルール化しておくと現場が止まりません(※運用の最終判断は葬儀社・寺院・遺族意向に合わせる)。
最後に、現場で地味に効くチェック観点を整理します。
この3点が整うだけで、「マナーの話が経理に降ってくる」状態から、「経理が情報を整理して現場を助けられる」状態に変わります。どの運用に寄せるか(当日返し中心か、忌明け後中心か)は会社の事情次第なので、まずは“言葉の違い=目的と時期の違い”を社内共通語にするのが第一歩です。

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