納品請求書と請求書の違いと発行

納品請求書と請求書の違いと発行

納品請求書と請求書の違い

納品請求書と請求書の違いを3分で整理
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役割の違い

納品請求書は「納品した事実」と「請求」を同時に示す運用に向き、請求書は「支払を依頼する」目的に特化します。

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発行タイミングの違い

納品請求書は納品時点で出すケースが多く、請求書は締め日・検収後など支払条件に合わせて発行します。

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インボイス対応の注意

納品書・請求書いずれの名称でも、適格請求書の記載事項を満たすかが経理実務では最重要です。

納品請求書の役割と請求書の違い

 

納品請求書は、現場の感覚では「納品書+請求書」を1枚にまとめた書類として運用されやすく、納品と同時に請求情報(請求金額・支払期限など)も伝えたい場面で選ばれます。
一方、請求書は「支払を請求する」ことに主眼があり、取引が複数回に分かれる場合に締め処理(例:月末締め翌月末払い)でまとめて発行する運用と相性が良いです。
ここで重要なのは、会計・税務の世界では「名称」よりも「中身(記載事項)」が効く、という点です。インボイス制度(適格請求書等保存方式)では、請求書という名前でなくても、納品書・明細書などが要件を満たせば適格請求書になり得ます。実務上は「納品請求書=適格請求書として通る体裁にする」のか、「納品請求書は補助書類として、別途適格請求書を出す」のかを先に決めるとブレません。

 

参考リンク(適格請求書に必要な記載事項の公式一覧・例外規定まで確認できる)
国税庁:No.6625 適格請求書等の記載事項

納品請求書と請求書の発行タイミング

発行タイミングの設計は、売上計上の基準(出荷基準・検収基準など)や、取引先の支払サイト、そして社内の締め作業(請求締め・入金消込)に強く影響します。
納品請求書は、納品に紐づく証憑として扱いやすい反面、月内の納品が多い取引先では「毎回請求」になって先方の支払処理の負担が増え、結果として請求書の再発行・差戻しが起きることがあります。
逆に、請求書を締めて出す運用は、請求書発行を月1回に集約できる反面、締め日前後の納品・返品・値引・検収差異などが集中し、差額調整のコミュニケーションコストが増えます。

 

そのため、現場の運用としては、次のように「トラブルになりやすい点」を先に潰すのが有効です。

 

  • 納品請求書を出すなら:支払期限(いつ払うか)を明確に記載し、値引・返品が起きた場合の調整方法(翌月相殺・返金など)も社内ルール化する
  • 締め請求書を出すなら:納品書番号や注文番号で突合できるようにし、請求明細の粒度(納品単位か、品目単位か)を取引先と合わせる

納品請求書と請求書の記載事項と保存

経理担当者の観点では、「取引先に伝わる」だけでなく「仕入税額控除・証憑保存・税務調査で説明できる」状態になっているかがポイントです。
国税庁の整理では、取引の相手方から交付を受ける請求書・納品書等を適格請求書等として保存する際の記載事項として、登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの対価、消費税額等、交付を受ける事業者名などが示されています。
また、保存期間は原則として「課税期間末日の翌日から2か月経過後から7年間」とされ、6年目・7年目は帳簿または請求書等のいずれか一方でよい、という整理もあります。こうした保存ルールを踏まえると、納品請求書を採用する場合でも「電子保存の運用(検索要件、訂正削除履歴など)」とセットで考えると事故が減ります。

 

参考リンク(保存期間と、請求書・納品書等に必要な記載事項の根拠を確認できる)
国税庁:No.6625 適格請求書等の記載事項

納品請求書と請求書のインボイス制度の要件

インボイス制度では、「請求書というタイトルの紙」を必ず出す必要があるわけではなく、必要項目が記載されていれば納品書・請求書・支払明細書なども適格請求書として扱える、という整理が一般に解説されています。
つまり、納品請求書を運用する場合は、その1枚に適格請求書の必要項目を満たさせる設計にすると、書類点数を増やさずに制度対応ができます。
要件の実務ポイントとしては、次の3つが特にミスになりがちです。

 

  • 登録番号:社名だけ印字して満足してしまい、登録番号の欠落に気づきにくい
  • 税率ごとの区分:8%と10%(軽減税率と標準税率)が混在する取引で、合計や消費税額の区分が曖昧になる
  • 端数処理:インボイスでは「1つの適格請求書につき税率ごとに1回の端数処理」というルールが意識され、明細単位の丸めが混ざると整合が崩れる

加えて、あまり知られていない落とし穴として「複数書類でインボイス要件を満たす」運用があります。つまり、請求書側に一部項目が足りなくても、納品書側で補完して全体として要件を満たす考え方です。ただしこの運用は、監査・税務調査・取引先監査の場面で「相互の関連性(どの納品書がどの請求書に紐づくか)」を説明できないと、現場が混乱しやすいので、番号設計(請求番号・納品書番号・注文番号のいずれで束ねるか)を必ず整備してください。

 

参考リンク(納品書でも適格請求書になり得る点と、記載項目の具体例を確認できる)
freee:インボイス制度で納品書はどう変わる?適格請求書として扱う方法

納品請求書と請求書の独自視点の運用

検索上位の記事は「違いの定義」や「記載項目」に寄りがちですが、実務で効くのは“運用の失敗パターンを潰す設計”です。納品請求書を入れると書類が減って便利に見えますが、社内統制(承認・職務分掌)と相性が悪い会社もあります。
例えば、次のようなケースでは、納品請求書がトラブルの温床になります。

 

  • 出荷担当が発行できてしまう:金額(単価・値引)まで現場で確定させる権限が曖昧だと、不正や誤請求が起きても検知が遅れます
  • 検収差異が多い:納品時点では請求してよい金額が確定しない(数量違い・仕様違い・破損)取引では、納品請求書=確定請求と誤解されやすいです
  • 振込手数料の取り扱いが曖昧:請求書は支払条件の合意文書として機能しやすい一方、納品請求書だと「どちら負担か」を明示しないまま運用されがちです

そこで、経理主導で「書類の型」より先に「統制の型」を決めるのが独自視点としておすすめです。具体的には、納品請求書を採用する場合でも、次のようにルールを固定すると強いです。

 

  • 発行者:経理または営業事務に限定(出荷現場は納品情報の登録まで)
  • 確定プロセス:単価・値引・税区分はマスタで固定し、例外は承認必須
  • 照合キー:請求番号ではなく「注文番号+納品書番号」で一意に突合(あとから分割請求・返品が起きても追跡しやすい)
  • 保存:電子帳簿保存の要件に合わせて、取引先名・日付・金額で検索できる状態を作る

この設計を入れると、納品請求書と請求書の「違い」を理解するだけでなく、会社の業務事故(再発行地獄、入金消込できない、仕入税額控除の根拠が薄い)を実際に減らせます。

 

観点 納品請求書 請求書
目的 納品と請求を同時に伝えやすい 支払依頼に特化しやすい
向く取引 単発・少回数の取引、納品=金額確定の取引 継続取引、締め請求、検収が前提の取引
インボイス対応 要件を満たせば適格請求書になり得る(名称は問われにくい) 要件を満たす形で発行しやすい
注意点 権限設計・検収差異・番号設計が弱いと混乱しやすい 締め前後の差額調整が増えやすい

 

 


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