カントリーリスク一覧で知る国別投資リスクの見極め方

カントリーリスク一覧で知る国別投資リスクの見極め方

カントリーリスク一覧と国別投資リスクの見極め方

実は、日本もカントリーリスク「A2」に格付けされており、リスクゼロの国ではありません。


📋 この記事の3つのポイント
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カントリーリスクとは?

投資先の国の政治・経済・社会情勢の変化に起因するリスク。新興国だけでなく先進国にも存在し、格付け機関が国別に評価・公表している。

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国別リスク一覧の見方

NEXIやコファスなどの機関がA〜Hまたは段階評価で各国を分類。ランクが下がるほど投資・取引リスクが高く、資産回収困難になる可能性がある。

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リスクを回避するには?

分散投資・格付け情報の定期確認・貿易保険の活用が有効。特に2026年時点では中東・ロシア・中南米のリスクが上昇傾向にある。


カントリーリスクとは何か?投資家が知るべき基本定義



カントリーリスクとは、海外投融資や貿易取引を行う際に、対象国の政治・経済・社会環境の変化が原因で収益を損なう危険度のことです 。個別の企業や取引相手が持つ「商業リスク」とは別の次元のリスクであり、相手国そのものの状況が投資全体に影響を与えます 。 digima-japan(https://www.digima-japan.com/knowhow/world/18912.php)


具体的には、急激なインフレ・為替の急落・国債のデフォルトなどの経済的要因、政権交代・内乱・テロなどの政治的要因、そして地震や洪水などの自然災害リスクが含まれます 。これらは予測が難しく、突発的に発生するケースも少なくありません。 smbc.co(https://www.smbc.co.jp/kojin/money-viva/kihon-no-ki/0030/)


つまり、リスクの源泉は「相手国」です。


カントリーリスク一覧|NEXIとOECDによる国別評価の読み方

国別のカントリーリスクを評価する代表的な機関が、日本政府が100%出資するNEXI(日本貿易保険)です 。NEXIはOECDのカントリーリスク専門家会合に参加し、各国の債務支払い状況・経済・金融情勢に基づいて議論し、全225の国・地域をA〜Hの8段階にカテゴライズしています 。 worldinvest(https://worldinvest.jp/contryrisk/)


カテゴリー リスク水準 代表的な国・地域
A(A1〜A4) 低リスク〜やや低リスク 日本(A2)・米国・韓国(A2)・シンガポール(A3)など
B 中程度のリスク インド・タイ・サウジアラビア・インドネシア(A4)など
C〜D やや高リスク〜高リスク エジプト(C)・パキスタン(D)・ロシア(D)など
E〜H 高リスク〜極めて高リスク イラン(E)・イラク(E)・スーダン(E)など


コファス(フランスの大手信用保険会社)も独自のカントリーリスクマップを公開しており、A1〜Eの7段階で評価しています 。ノルウェー・スイスが最上位「A1」、日本・スペイン・韓国は「A2」に分類されています 。 coface(https://www.coface.jp/news-economy-and-insights/business-risk-dashboard/4)


この表が基準です。


格付け会社のデータは無料公開されているものも多く、JBICやNEXIのウェブサイトで最新のリスクプレミアム適用国分類表を確認できます 。投資判断のひとつの材料として、定期的にチェックする習慣をつけると安心です。 jbic.go(https://www.jbic.go.jp/ja/support-menu/export/oecd/country.html)


参考:OECDカントリーリスク評価に基づくNEXIの国別引受方針一覧
日本貿易保険(NEXI)国・地域ごとの引受方針


カントリーリスク一覧で注目すべき高リスク国と最新動向(2026年版)

2026年時点では、カントリーリスクが高い地域として中東・ロシア・ウクライナ周辺・中南米・アフリカが挙げられます 。特にロシアとウクライナは元々ハイリスクだったところへ紛争が長期化し、さらにリスクが上昇しています 。 tsr-net.co(https://www.tsr-net.co.jp/plus/overseas/detail/1199059_1562.html)


注目すべき動きもあります。


2025年6月、OECDはモンゴルのカントリーリスク分類を「7」から「6」に1段階改善(引き上げ)しました 。一方、ガーナ・ボリビア・ガボンなどは最高リスクの「Hカテゴリー」に変更されており、2023年7月時点でHカテゴリーに分類された国・地域は75か所に上ります 。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/07/38acaa468b192a31.html)


これは意外ですね。


かつてローリスクとされていた北米や西欧、そして日本でさえも、2026年時点では「若干リスクが高い」黄色系に変化しているとの分析があります 。地政学的リスクや財政問題が先進国にも影響しつつあることを示しています。 tsr-net.co(https://www.tsr-net.co.jp/plus/overseas/detail/1199059_1562.html)


参考:最新のカントリーリスクマップ(コファス・2026年)
コファス Risk Review 2026|世界経済リスクの最新動向


カントリーリスクの種類一覧|政治・経済・社会・自然の4分類

カントリーリスクは大きく4種類に分類されます 。それぞれ具体的に何が起きるのかを押さえることが、投資判断の精度を高めます。 digima-japan(https://www.digima-japan.com/knowhow/world/18912.php)


① 政治リスク
革命・政権交代・クーデターなどによって新政権が旧政府の債務継承を拒否したり、外国企業の資産が国有化・没収されたりするリスクです 。ロシアのサハリン1・2開発中止命令がその代表例です 。 weblio(https://www.weblio.jp/content/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF)


② 経済リスク
急激なインフレ、通貨の急落、国債のデフォルト(債務不履行)などが該当します 。2008年のリーマンショックも、世界規模でこの経済リスクを連鎖させた事例です 。アルゼンチンは過去に複数回のデフォルトを経験しており、格付けも低位に留まっています 。 xn--enyk60lt73bbjclvh(https://xn--enyk60lt73bbjclvh.com/blog/post1606.html)


③ 社会リスク


④ 自然災害リスク
地震・津波・洪水・台風など、人間の手では防げない災害もカントリーリスクの一つです 。2010年のハイチ地震や2011年のタイ大洪水では、多くの日本企業がサプライチェーン被害を受けました 。 provej(https://www.provej.jp/column/rg/countryrisk/)


自然リスクは日本も無縁ではありません。


地震・津波の危険性が常々示唆される日本においては、自然リスクの高い国のひとつとして評価されています 。海外の投資家から見れば、日本への投資にも「自然災害リスク」が含まれているという事実は意外に思われるかもしれません。 provej(https://www.provej.jp/column/rg/countryrisk/)


カントリーリスク一覧を活用した実践的な投資リスクヘッジ術

カントリーリスクは「知っていれば対策できる」リスクです。問題は、多くの個人投資家が新興国ファンドを購入する際にリスク評価を確認しないまま投資してしまいがちな点です。


まず基本は分散投資です。


特定の1〜2か国に集中投資をしていると、その国でカントリーリスクが顕在化したとき、資産の大部分が影響を受ける可能性があります。地域ごと・通貨ごとに分散することで、リスクの連鎖を防げます。


企業が海外ビジネスを展開する場面では、NEXIの貿易保険が有効な手段となります 。取引先国のカントリーリスクによって代金回収が困難になった場合をカバーするもので、中小企業でも利用可能です。 cas.go(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kaigai_business/pdf/overseas_business_detail20251010.pdf)


これは使えそうです。


また、OECDが毎年更新するカントリーリスク分類(0〜7の8段階)は、保険料率や融資条件にも反映されます 。海外取引を行う場合、JBICやNEXIのウェブサイトで最新の「リスクプレミアム適用国分類表」を確認するのが最初のステップです 。 sansokan(https://www.sansokan.jp/eveoubo/mdoubo/20231220_nexi.pdf)


参考:NEXIによるカントリーリスクマップ(OECD評価ベース)
2026年版 COUNTRY RISKMAP(日本貿易保険・PDF)


カントリーリスク一覧が示す「日本株への意外な影響」

多くの投資家が見落としがちなのが、カントリーリスクは「海外投資だけの話」ではないという点です。日本に投資しているだけでも、海外のカントリーリスクが業績に直撃する事態は頻繁に起きています 。 digima-japan(https://www.digima-japan.com/knowhow/world/18912.php)


日本の輸出企業は世界中に事業展開しています。


たとえば、住友商事などの大手総合商社は「カントリーリスク管理対象国のうち、中長期グロスエクスポージャーが100億円超の国」を複数抱えており、特定の国でカントリーリスクが顕在化すると決算に直接影響します 。1社で数十か国ものリスク管理が必要な現実があります。 sumitomocorp(https://www.sumitomocorp.com/-/media/Files/hq/ir/report/summary/2017/30380_ext_04_0.pdf)


韓国の場合、2019年に日韓請求権問題が再浮上し、日本製品不買運動が継続。日本企業の韓国内資産に差し押さえ申請が承認される事態にまで発展し、日本企業のカントリーリスクが実際に高まりました 。こうした「隣国リスク」は日本株の投資家にとっても無視できない要素です。 weblio(https://www.weblio.jp/content/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF)


痛いですね。


国際情勢に変化があったとき、保有している日本企業の株がどの国・地域にどれだけのエクスポージャー(リスクにさらされている資産量)を持っているかを確認する習慣が、損失回避につながります。各社のIR資料や有価証券報告書に記載されているケースがあるので、確認してみてください。


参考:カントリーリスクに関する詳細解説(三井住友銀行
わかると差が出る「カントリーリスクとは?」|三井住友銀行






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