議決権行使でクオカードがもらえる銘柄の選び方と注意点

議決権行使でクオカードがもらえる銘柄の選び方と注意点

議決権行使でクオカードをもらえる銘柄の狙い方と注意点

議決権を行使するだけで、クオカード500円がもらえる銘柄があります。しかし「株数を増やすほど何枚ももらえる」と思っているなら、それは間違いです。100株でも1,000株でも、貰えるのは一律500円分の1枚だけなのです。


この記事の3つのポイント 📌
🗳️
議決権行使とは何か?

株主総会の議案に賛否を示すだけでOK。ネット・郵送・スマホのいずれかで完了でき、特別なスキルは不要です。

💴
利回りが驚異的に高い理由

株価が低い「低位株」では、投資額に対するクオカードの利回りが数十〜数百%になる銘柄も存在します。

⚠️
「隠れ優待」だから注意が必要

非公式なため、予告なく廃止される場合があります。業績の悪い銘柄が多い点も把握した上で活用しましょう。


議決権行使によるクオカード「隠れ優待」の仕組みと背景


「隠れ優待」とは、企業が公式に株主優待制度として発表していない、いわばサプライズ的な特典のことです。株主総会の議決権を行使した株主へのお礼として、クオカードなどの金券を贈っている企業が国内に数十社以上存在します。


通常の株主優待とは異なり、企業のIRページや四季報にも掲載されません。そのため、知っている人だけが得をする、まさに"隠れた"利回り源となっています。


では、なぜ企業はわざわざこのような特典を用意するのでしょうか? 背景には株主総会の成立要件(定足数)の確保という事情があります。株主総会は一定数以上の議決権が行使されなければ有効な決議ができないケースがあるため、企業は株主に「ぜひ議決権を行使してほしい」と考えています。そこで、プレゼントという形で行使を促しているわけです。


企業にとって義務ではないため、あくまで任意の贈呈です。これが原則です。


主に受け取る手順は以下のようなシンプルな流れになっています。


ステップ 内容
① 権利確定日に株を保有 多くの場合、最低100株(単元株)以上が必要
② 株主総会招集通知が届く 議決権行使書や電子行使のURLが案内される
③ 期限内に議決権を行使 郵送・ネット・スマホのいずれかで賛否を入力
④ 総会後1〜2ヶ月でクオカード到着 郵送で届く。電子ギフトへの切り替え例も増加中


投票の内容は賛成でも反対でも構いません。つまり「とにかく行使する」だけでクオカードが手に入ります。手順はシンプルです。


参考:隠れ優待銘柄の一覧と詳細な実施実績はこちらで確認できます。


【隠れ優待】実はこんなプレゼントも?主な隠れ優待銘柄を紹介! – downshifters.net


議決権行使でクオカードをもらえる主要銘柄一覧(2025年版)

実際に議決権行使でクオカードを受け取れる銘柄は、権利確定月ごとにまとめると全体像が把握しやすくなります。以下は2025年に実施実績が確認された銘柄の代表例です。


権利確定月 銘柄名(コード) 優待内容 特記事項
3月 丸一鋼管(5463) クオカード500円 5年以上継続実績あり
3月 ダイトウボウ(3202) クオカード500円 低位株の代表格、株価100円前後
3月 大和証券グループ本社(8601) カレンダー+クオカード500円 2024年からクオカードを追加
3月 野村ホールディングス(8604) 書面行使:クオカード500円 ネット行使:電子ギフト500円 大手証券の隠れ優待
3月 ティアック(6803) クオカード500円 株価100円前後の低位株
3月 ディジタルメディアプロフェッショナル(3652) クオカード1,000円 金額が1,000円と高め
3月・9月 大和証券グループ本社(8601) クオカード500円 年2回の権利確定
9月 オルトプラス(3672) クオカード500円 2024年はQUOカードPayに変更
12月 セルシス(3663) クオカード500円 12月権利確定の定番銘柄
12月 ブロンコビリー(3091) 食事券1,000円 クオカードでなく食事券タイプ


上記の表はあくまで過去実績であり、来年も必ず実施されるとは限りません。これが大前提です。


特に注目したいのが、大和証券グループ本社(8601)や野村ホールディングス(8604)のような大手金融機関です。「大手だから関係ない」と思いがちですが、議決権行使のお礼クオカードを実施しているのです。投資している方は見逃さないようにしましょう。


また、コメダホールディングス(3543)は同社のプリペイドカード「KOMECA(コメカ)」に500円分がチャージされる形式で、毎年2月に継続実施されています。コーヒーが好きな方には活用しやすい銘柄です。


参考:主要銘柄の更新情報・実施実績の詳細一覧はこちら
隠れ優待のある銘柄一覧 – 楽しい株主優待&配当(kabuyutai.com)


議決権行使でクオカードの利回りが100%を超えることも

議決権行使によるクオカード受け取りが特に「おトク」に見える理由が、利回りの高さにあります。通常の株主優待や配当金とは桁違いになる場合があるのです。


たとえば、過去のピクセラ(6731)の事例を見てみましょう。臨時株主総会が開催された際、同社の株価はわずか2〜3円台でした。このとき100株購入したとすると、投資額は200〜300円。それに対してもらえるクオカードは500円分です。


$$\text{利回り} = \frac{500円}{200円} \times 100 = 250\%$$


利回り250%という数字です。これは驚異的ですね。


もちろん、これは極端な例ではありますが、株価が50〜100円程度の低位株であれば、クオカード500円の利回りが10〜30%台になることも珍しくありません。一般的な高配当株の配当利回りが3〜5%程度であることを考えると、その差は明らかです。


ただし、ここで押さえておきたい重要なルールがあります。それは「株数が多くてもクオカードは1枚しかもらえない」という点です。100株保有者も1,000株保有者も、受け取れるのは等しく500円分の1枚だけです。最低単元での購入が最も利回りが高くなるということです。


つまり、この手法では「少額投資 × 複数銘柄」の分散がセオリーになります。たとえば株価100円の銘柄に10,000円投資するより、株価100円の銘柄10社にそれぞれ1,000円ずつ分散投資した方が、クオカードを10枚受け取れる可能性があります。


実際、この戦略で「年間10社以上の議決権行使でクオカードを取得する」という個人投資家も増えています。これは使えそうです。


参考:利回りの計算方法と実践的な考え方については、こちらの実務解説が参考になります。


議決権行使でクオカードを受け取る実践術 – 券マスターズ


議決権行使のクオカード狙いで陥りやすい5つの落とし穴

クオカードがもらえると聞いて飛びつくのは理解できますが、事前に知っておかないと損をするポイントがいくつかあります。


① 業績の悪い銘柄が多い問題


議決権行使でクオカードを配布している企業の多くは、残念ながら赤字や低収益の銘柄です。なぜなら、株主数が多かったり無配であったりするため、封筒を開けてもらうためのインセンティブが必要な企業が多いからです。業績不振の企業は上場廃止リスクもあり、過去には「アジア開発キャピタル」「メディビック」「テラ」などが上場廃止になっています。クオカードをもらいながら、株が紙くずになってしまうケースがあるわけです。これは痛いですね。


② 予告なく廃止・変更されるリスク


隠れ優待の最大のデメリットが、予告なく廃止されることです。ある年にもらえたとしても、翌年は突然なくなる可能性があります。たとえば「キャンバス(4575)」は2023年まで書面・ネット両方で対象でしたが、2024年以降はネット行使のみに条件が変わりました。銘柄によってはクオカードからQUOカードPayや電子ギフトへの変更も相次いでいます。


③ 「書面行使」と「ネット行使」で条件が違う場合がある


企業によっては、書面行使とネット行使で受け取れる内容が異なる場合があります。たとえば野村ホールディングスでは書面行使の場合はクオカード500円、ネット行使では電子ギフト500円と、物理的なカードかデジタルかという違いが生じます。どちらが自分の用途に合っているかも確認が必要です。


④ 決議事項がない年は議決権行使ができない


臨時株主総会などで決議事項がない年は、そもそも議決権行使の機会がなく、クオカードが受け取れないことがあります。たとえばリプロセル(4978)やメディアリンクス(6659)は過去に「決議事項がなかったため議決権なし」として実施されなかった年が記録されています。これだけは例外です。


⑤ 貸株設定をしているとダメな場合がある


証券口座で「貸株サービス」を設定している場合、権利確定日の直前に株が貸し出された状態になり、議決権が行使できなくなることがあります。この場合、クオカードの対象外になる可能性があります。議決権行使のクオカードを狙う銘柄については、権利確定日前に貸株設定を解除しておくことが条件です。


独自視点:議決権行使のクオカード戦略が「株主優待の廃止トレンド」に逆行して注目される理由

近年、日本国内では「株主優待の廃止」が相次いでいます。2024年9月末時点で株主優待を実施している上場企業は約1,494社(全上場企業の約3分の1)ですが、外国人投資家や機関投資家は「株主優待は特定の株主だけが有利になる不公平な制度」として廃止を求める圧力をかけています。


こうした流れの中で、議決権行使によるクオカードの「隠れ優待」が金融個人投資家から注目を集めている理由が2点あります。


まず1点目は「権利落ちで株価が下がりにくい」という特性です。通常の株主優待は権利確定日の翌日(権利落ち日)に株価が大きく下がることがよくありますが、議決権行使のクオカードは非公式かつ知名度が低いため、権利落ちの影響が軽微な傾向があります。株を売って優待だけ取って退場する「優待クロス」の対象にもなりにくいのです。つまり長期保有のメリットが出やすいということですね。


2点目は「議決権行使QUOカードから正式な株主優待に昇格した事例がある」という点です。過去にはミナトホールディングスや山一電機、アプリックスなどで、隠れ優待として始まったクオカード贈呈が後に正式な株主優待制度に昇格しています。つまり、隠れ優待をきっかけに優待体制が充実する可能性があるわけです。


この観点から見ると、議決権行使でクオカードを配布している企業は「将来、本格的な株主優待を新設するかもしれない候補企業」としても観察する価値があります。


もちろん、こうした見方はあくまで一つの可能性であり、廃止や上場廃止に転ずるリスクも同時に存在します。しかし「単純なコスト計算」だけでなく「将来的な優待格上げという視点」で銘柄を見ることは、個人投資家としての独自の観察眼につながります。この視点は持っておくと得です。


過去の廃止・格上げ事例の実績は、以下のサイトで詳しく確認できます。


議決権行使の御礼でQUOカードがもらえる銘柄(最新版)– note


議決権行使でクオカードをもらうための実践ステップとよくある質問

最後に、初めて挑戦する人向けに具体的な実践ステップとよくある疑問点を整理します。


【実践ステップ】


STEP1 :銘柄選びと購入タイミング


権利確定月の前月末頃までに100株(単元株)を購入します。権利確定日は通常、月末の最終営業日です。たとえば3月権利の銘柄なら3月28日(年によって異なる)が権利付き最終日になります。購入が1日でも遅れると権利を逃すので注意が必要です。


STEP2 :招集通知の確認と議決権行使


総会前の約3週間前に「招集通知」が郵送されます。この中に議決権行使書が同封されているか、もしくはネット行使のURLとアクセスコードが記載されています。ネット行使は期限当日の午前中に完了させるのが安全です。


STEP3 :クオカードの受け取りと管理


総会後1〜2ヶ月ほどで郵便でクオカードが届きます。複数銘柄を保有している場合は、銘柄ごとに受け取り時期が異なるため、管理表をつけておくと便利です。


【よくある質問 Q&A】


質問 回答
📌 議決権行使に手数料はかかる? かかりません。無料で行使できます。
📌 賛成・反対のどちらを選べばいい? どちらでも受け取れます。ただし「未記入(棄権)」は対象外になる場合があります。
📌 NISAで買った株でもクオカードはもらえる? もらえます。通常口座でもNISA口座でも議決権の扱いは変わりません。
📌 クオカードは課税対象になる? 一時所得として扱われ、年間50万円の特別控除内に収まれば一般的には課税不要です。ただし詳細は税理士に確認を。
📌 貸株していてもクオカードはもらえる? 権利確定日に株が貸し出されていると議決権が消失するため、クオカードの対象外となる可能性があります。


議決権行使でクオカードを取りこぼさないために、もう一点だけ補足します。招集通知が届いたら「特典の有無」「期限の時刻」「行使方法の条件」の3つを最初に確認する習慣をつけましょう。この3点を先に確認すればOKです。


特に期限は「〇月〇日 17:00まで」と時刻が定められているケースがあり、日付を確認しただけで当日夜に行使しようとすると間に合わないことがあります。


継続実施が多い銘柄として定評のある「丸一鋼管(5463)」や「NSD(9759)」「フライトソリューションズ(3753)」などは、ここ5年以上毎年継続してクオカードを配布している実績があり、安定性を重視する投資家には参考になります。ただし継続の保証はない点は忘れずに。


参考:議決権行使の仕組みや招集通知の読み方について、より詳しい銘柄別の実施実績はこちらで確認できます。


【2025年版】議決権行使やアンケートでもらえる"隠れ優待"まとめ – kabuinu-yutai.com




別冊商事法務No.463 機関投資家の議決権行使方針及び結果の分析〔2021年版〕