

「租税条約があっても、限度税率が自動適用されると思い込むと20万円余分に税を払うことがあります。」
限度税率とは、各国政府間の「租税条約」で取り決められた、源泉徴収される税の上限率のことです。例えば日本企業が米国から配当を受け取る場合、通常は30%の課税ですが、租税条約に基づく限度税率が適用されると10%に抑えられます。
これは国際的な二重課税を防ぐための仕組みです。つまり、同じ所得に対して二重に課税されないようにするのが目的ですね。
限度税率が基本です。
そのため経済活動が国境を越えるほど、限度税率の理解が必須になります。
意外ですが、租税条約があっても限度税率が自動で適用されるわけではありません。主要証券会社でも、手続きを忘れると上限税率が無効になります。
例えば、米国株の配当を受ける際に「租税条約届出書」を提出していないと、30%課税されます。申請済みであれば10%しか取られないため、年間で20万円以上の差になるケースも珍しくありません。
つまり、事前登録が原則です。
実際、「ウェルスナビ」や「楽天証券」などでも、国別の届出状況によって税率が変動します。
租税条約による限度税率を享受するには、「居住者証明書」が不可欠です。これは、日本の税務署から発行される公式な書類で、提出期限を過ぎると効力を失います。
証明書がなければ、あなたがどの国の居住者なのか証明できず、条約上の優遇税率を受けられません。
つまり証明書が条件です。
なお、証明書の有効期限は通常1年間ですが、多くの人が期限切れに気づかず、再発行を怠って不利な課税を受けているのが現状です。
確認を怠らないようにしましょう。
限度税率が適用されていない状態で過剰に税金が引かれた場合、日本国内で「外国税額控除」や「還付手続き」をすることができます。
例えば、海外から配当を受け取って30%源泉徴収された場合、そのうち10%が限度税率であるなら、日本側の確定申告で差額を控除できます。
結論は還付請求が可能です。
手続きには時間がかかりますが、確定申告で過剰課税分を取り戻した人も多いです。税務署の「国際課税室」に問い合わせると具体的な流れを教えてもらえます。
近年増えている暗号資産取引にも、租税条約と限度税率の議論が及び始めています。米国やシンガポールでは、「ステーキング報酬」なども所得として扱われており、租税条約に基づいた源泉課税の対象になることがあります。
つまり新しい課税対象です。
今後、条約の改定で限度税率が適用される可能性がある動きも出ています。金融の動きが速い分野だけに、暗号資産投資家もこの話題を無視できませんね。
参考:租税条約に関する限度税率の詳細解説(日本国税庁・公式サイト)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1200.htm