

割引国債を個人で自由に買えると思っていると、実は購入できずに困ることがあります。
割引国債とは、利子の支払いがない代わりに額面より安い価格で発行される国債のことです。 たとえば額面100万円の割引国債を95万円で購入した場合、満期時に100万円が戻るため、差額の5万円が利益になります。 この構造は通常の個人向け国債(固定3年・固定5年・変動10年)とは根本的に異なります。 miraisozo.mizuhobank.co(https://miraisozo.mizuhobank.co.jp/money/80547)
個人向け国債は利子(クーポン)が半年ごとに支払われる「利付債」です。 一方、割引国債は利子ゼロで発行価格と償還額の差が丸ごと収益になります。つまり受け取り方が違うということです。 mof.go(https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/)
現在日本で発行されている代表的な割引国債は「国庫短期証券(TDB)」で、償還期間は2か月・3か月・6か月・1年の4種類があります。 短期で運用したい人にとっては選択肢に入りますね。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%BA%AB%E7%9F%AD%E6%9C%9F%E8%A8%BC%E5%88%B8)
| 項目 | 割引国債(国庫短期証券) | 個人向け国債(変動10年) |
|---|---|---|
| 利子 | なし(ゼロクーポン) | あり(半年ごと) |
| 利益の発生 | 発行価格と額面の差額 | 定期的な利子 |
| 償還期間 | 2か月〜1年 | 10年(中途換金可) |
| 最低購入単位 | 証券会社による | 1万円 |
| 元本保証 | あり(国が保証) | あり |
| 最低金利保証 | なし | 年率0.05% |
実は以前、割引国債(割引債)は個人による保有に制限が課されていました。 財務省告示で「指定された法人のみ譲渡可能」とされており、個人投資家は原則として取得も保有もできない状態でした。 note(https://note.com/hattori0819/n/n540fd54141ff)
制限が解除されたのです。平成28年(2016年)1月の税制改正により、個人でも割引債を保有できるよう政令が改正されました。 この改正と同時に、割引債の譲渡所得に対して20%の源泉徴収課税が一律適用されるようになっています。 note(https://note.com/hattori0819/n/n540fd54141ff)
ただし現在でも、国庫短期証券の入札(新発)には入札資格を持つ金融機関しか参加できません。 個人が購入できるのは、流通市場(既発債)を通じた証券会社経由のルートのみです。これが原則です。 smd-am.co(https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST0577/)
既発の国庫短期証券を購入したい場合は、証券会社の債券売買画面や窓口で問い合わせる必要があります。 取り扱い状況は証券会社によって異なるため、事前確認が必須です。 finance.yahoo.co(https://finance.yahoo.co.jp/brokers-hikaku/experts/questions/q13311509078)
割引国債から得た利益には、税率20.315%の申告分離課税が適用されます。 内訳は所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%です。この点は個人向け国債の利子と同じ税率です。 rokin-hokkaido.or(https://www.rokin-hokkaido.or.jp/site/tameru/kokusai-zeisei.html)
特定口座に受け入れれば、源泉徴収ありの設定で確定申告を省略できます。 平成28年1月以降、特定公社債として特定口座に入れられるようになったことが大きなポイントです。これは使えそうです。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/53946/)
損益通算のメリットも見逃せません。国庫短期証券の譲渡損と株式や投資信託の譲渡益を相殺できるため、ポートフォリオ全体で節税になる場面があります。 税金対策の観点から国債を活用するという発想は意外と知られていません。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/53946/)
ただし、特定口座外で保有している場合は確定申告が必要になります。 口座の種類を必ず確認するのが条件です。証券口座を開設するときに「特定口座・源泉徴収あり」を選ぶだけで手続きが大幅に簡略化されます。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/53946/)
割引国債も個人向け国債も、発行体は日本政府です。国が財政破綻しない限り、元本は保証されています。 信用リスクは極めて低いと言えます。 kabu(https://kabu.com/kabuyomu/money/1244.html)
ただし割引国債(国庫短期証券)には最低金利保証がありません。 個人向け国債の変動10年には年率0.05%の最低金利保証がある一方、割引国債は市場金利がそのまま価格に反映されます。金利が低い局面では利益がほぼゼロになるケースもある点は認識しておく必要があります。 smd-am.co(https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST0577/)
インフレリスクも考慮が必要です。総務省のデータでは直近の物価上昇率は前年比+2.8%程度で推移しており、短期の国債金利がこれを下回る場合、実質的な購買力は目減りします。 安全な運用先として選ぶ場合でも、インフレへの影響は念頭に置いておくべきです。 invest-concierge(https://www.invest-concierge.com/posts/why-is-it-said-not-to-buy-government-bonds-for-individuals)
中途換金については、個人向け国債は発行後1年経過すれば換金可能ですが、割引国債は流通市場で売却する形になります。 厳しいところですね。売却時に市場価格が下落していると損失が出る可能性もあります。 klikandpay.co(https://klikandpay.co.jp/invest/do-not-buy-government-bond/)
金融に興味を持つ個人投資家の多くは、割引国債を「機関投資家向けの商品」として最初から選択肢に入れていません。これは少しもったいない考え方です。
償還期間が2か月〜1年という短さは、株式や投資信託の待機資金置き場として有効です。 たとえばまとまった現金を3か月後に使う予定がある場合、普通預金に置くよりも若干高い利回りが見込める可能性があります。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%BA%AB%E7%9F%AD%E6%9C%9F%E8%A8%BC%E5%88%B8)
実際に運用する際は、証券会社の特定口座を使い、既発の国庫短期証券の取扱状況を確認するのがもっとも現実的なステップです。 確認する、という1つのアクションから始められます。 finance.yahoo.co(https://finance.yahoo.co.jp/brokers-hikaku/experts/questions/q13311509078)
個人向け国債(変動10年)と組み合わせることで、短期・中期・長期のはしご運用が組めます。短期の資金管理には割引国債(TDB)、中期は固定5年、長期は変動10年という配置は、分散の観点からも理にかなっています。 分散という視点で割引国債を捉えると、選択肢が一気に広がりますね。 bk.mufg(https://www.bk.mufg.jp/column/shisan_unyo/b0178.html)
国債全般の最新情報は財務省の公式サイトで毎月更新されています。募集期間や利率の確認に役立ちます。
財務省「個人向け国債」公式ページ(最新募集情報・利率・購入方法)
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/
国庫短期証券(TDB)の制度・個人保有解禁の背景(東京大学・服部孝洋氏のNote記事)
https://note.com/hattori0819/n/n540fd54141ff
国債の利子等課税制度(個人向け)財務省公式資料
https://www.mof.go.jp/jgbs/topics/taxation28/9kozinkazeihyo.html