最低賃金2025一覧で知る都道府県別格差と活用法

最低賃金2025一覧で知る都道府県別格差と活用法

最低賃金2025年一覧と都道府県別ランキング・計算方法を完全解説

月給制の正社員でも、最低賃金を下回ると会社が50万円以下の罰金を科される可能性があります。


2025年最低賃金 3つのポイント
💴
全国平均が過去最大66円アップで1,121円に

2025年度は史上最大の引き上げ幅で全都道府県が1,000円超えを初達成。東京都は1,226円、最下位の高知・宮崎・沖縄は1,023円と、最大203円の格差が存在する。

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月給制も例外なく適用・正しい計算を知らないと危険

通勤手当・残業代・家族手当は最低賃金の計算対象外。月給を単純割りして安心しているだけでは、実は最低賃金違反になっているケースも。

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発効日が2026年3月まで分散、都道府県ごとに要確認

2025年度は過去最大の引き上げ幅だったため、企業への準備期間確保の目的で発効日が大幅に分散。最も遅い秋田県は2026年3月31日発効となっている。


最低賃金2025年の全国一覧と都道府県別ランキング


2025年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,121円となりました。前年度の1,055円から66円の引き上げで、1959年の制度開始以来、最大の上昇幅を記録しています。引き上げ率は6.3%です。


重要なポイントが1つあります。2025年度はついに全47都道府県で時給1,000円を突破しました。これは日本の賃金史における大きな転換点です。


下表に、2025年度の全国都道府県別最低賃金ランキングを掲載します。





















































順位 都道府県 最低賃金(円) 前年比(円) 発効日
1位 東京都 1,226 +63 2025年10月3日
2位 神奈川県 1,225 +63 2025年10月4日
3位 大阪府 1,177 +63 2025年10月16日
4位 埼玉県 1,141 +63 2025年11月1日
5位 千葉県 1,140 +64 2025年10月3日
5位 愛知県 1,140 +63 2025年10月18日
7位 京都府 1,122 +64 2025年11月21日
8位 兵庫県 1,116 +64 2025年10月4日
9位 静岡県 1,097 +63 2025年11月1日
10位 三重県 1,087 +64 2025年11月21日
11位 広島県 1,085 +65 2025年11月1日
12位 滋賀県 1,080 +63 2025年10月5日
13位 北海道 1,075 +65 2025年10月4日
14位 茨城県 1,074 +69 2025年10月12日
15位 栃木県 1,068 +64 2025年10月1日
16位 岐阜県 1,065 +64 2025年10月18日
17位 群馬県 1,063 +78 2026年3月1日
18位 富山県 1,062 +64 2025年10月12日
19位 長野県 1,061 +63 2025年10月3日
20位 福岡県 1,057 +65 2025年11月16日
21位 石川県 1,054 +70 2025年10月8日
22位 福井県 1,053 +69 2025年10月8日
23位 山梨県 1,052 +64 2025年12月1日
24位 奈良県 1,051 +65 2025年11月16日
25位 新潟県 1,050 +65 2025年10月2日
26位 岡山県 1,047 +65 2025年12月1日
27位 徳島県 1,046 +66 2026年1月1日
28位 和歌山県 1,045 +65 2025年11月1日
29位 山口県 1,043 +64 2025年10月16日
30位 香川県 1,036 +66 2025年10月18日
31位 大分県 1,035 +81 2026年1月1日
32位 熊本県 1,034 +82 2026年1月1日
33位 愛媛県 1,033 +77 2025年12月1日
33位 島根県 1,033 +71 2025年11月17日
33位 福島県 1,033 +78 2026年1月1日
36位 山形県 1,032 +77 2025年12月23日
37位 宮城県 1,038 +65 2025年10月4日
38位 秋田県 1,031 +80 2026年3月31日
38位 岩手県 1,031 +79 2025年12月1日
38位 長崎県 1,031 +78 2025年12月1日
41位 鳥取県 1,030 +73 2025年10月4日
41位 佐賀県 1,030 +74 2025年11月21日
43位 青森県 1,029 +76 2025年11月21日
44位 鹿児島県 1,026 +73 2025年11月1日
45位 高知県 1,023 +71 2025年12月1日
45位 宮崎県 1,023 +71 2025年11月16日
45位 沖縄県 1,023 +71 2025年12月1日
全国加重平均 1,121 +66


出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」のデータをもとに作成。


参考リンク(都道府県別の最新最低賃金額の確認に)。
厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧


最高額の東京都(1,226円)と最低額の高知・宮崎・沖縄(1,023円)の差は203円です。1日8時間・週5日フルタイムで働いた場合、1ヵ月(約22日)で約35,700円もの差がつく計算になります。これは地方と都市の賃金格差が依然として大きいことを示しています。


地域間格差はあります。ただし2025年度は、地方部での引き上げ率が高くなっており、格差縮小の傾向は続いています。


最低賃金2025年の引き上げが過去最大となった背景と推移

2025年度の最低賃金引き上げが過去最大となった理由を理解するには、近年の賃金政策の流れを押さえる必要があります。


2022年度から2025年度にかけての最低賃金の推移は次の通りです。









年度 全国加重平均 前年比(円) 引き上げ率
2022年度 961円 +31 3.3%
2023年度 1,004円 +43 4.5%
2024年度 1,055円 +51 5.1%
2025年度 1,121円 +66 6.3%


2025年度の引き上げ幅66円は、2022年度の31円と比べると約2倍以上です。増加幅が急速に拡大しているのがわかります。


背景には2つの大きな要因があります。1つ目は長引く物価高騰への対応です。2022年以降の円安や原材料費の高騰により生活コストが上昇し続けており、最低賃金の引き上げで実質的な生活水準を守る必要に迫られました。2つ目は、政府が掲げる「2020年代中に全国平均1,500円」という目標の実現です。現状の1,121円から1,500円へ到達するには、単純計算で年平均75円超の引き上げが必要になります。厳しいペースですね。


金融市場への影響という視点でも最低賃金引き上げは注目されています。消費支出の増加は国内消費を底上げするため、内需関連株にとってポジティブな材料となります。一方で、人件費が上昇した中小企業の業績悪化リスクにも注意が必要です。これは投資家なら知っておくべき情報です。


参考リンク(最低賃金引き上げと生活・経済への影響を解説した記事)。


最低賃金2025年の正しい計算方法と対象外になる手当の一覧

最低賃金の計算は「時間給との比較」で行います。ここが落とし穴になりやすいポイントです。


時給制の場合はシンプルです。支払われる時給そのものが最低賃金以上であればOKです。問題は月給制の場合で、次の計算式を使います。


月給制の時給換算 = 月給 ÷ 1ヵ月の平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額


たとえば東京都で月給20万円・1ヵ月の所定労働時間が163時間の正社員の場合、時給換算すると約1,227円です。東京都の最低賃金1,226円をわずか1円上回るだけとなります。ほぼ最低ラインということですね。


重要なのは、月給の中に含まれる手当のうち、最低賃金の計算対象外となるものが存在する点です。以下の手当は計算から除外します。



  • 🚃 通勤手当(交通費実費補助のため除外)

  • 時間外勤務手当(残業代・法定時間外の割増賃金

  • 🌙 深夜・休日割増手当(時間外と同様)

  • 👨‍👩‍👧 家族手当(扶養の有無による変動分)

  • 🏆 精皆勤手当(出勤状況に応じた変動手当)

  • 🎁 賞与・ボーナス(臨時・変動の報酬のため除外)


具体的な例で確認しましょう。基本給16万円+通勤手当1万円+残業代2万円=月給19万円の従業員がいる場合、最低賃金の計算対象は基本給の16万円のみです。所定労働時間が163時間とすると、時給換算で約981円になります。東京都では1,226円を大きく下回り、最低賃金違反となる危険性があります。


対象外の手当が多いほど計算上の時給が下がりやすいという点に注意が必要です。


参考リンク(最低賃金の計算方法を厚労省が公式解説)。
厚生労働省|最低賃金額以上かどうかを確認する方法


最低賃金2025年の違反リスクと50万円罰金・企業の実務対応

最低賃金法に違反した場合のリスクは、想像以上に深刻です。罰則が厳しいということですね。


最低賃金法第40条には「50万円以下の罰金」が定められています。これは法人への適用もあります。さらに罰金だけではなく、以下のような連鎖リスクも発生します。



  • 💸 差額の遡及支払い義務:未払い賃金は3年さかのぼって請求可能

  • 🔍 労働基準監督署の是正勧告:定期調査で発覚するケースが多い

  • 📢 企業名の公表:悪質な場合は社名が公開されるリスク

  • ⚖️ 刑事告発の可能性:重篤な違反では刑事事件になることも


3年分の差額遡及というのは、数字にすると非常に大きなインパクトがあります。月給で1,000円不足していた従業員が5名いた場合、月あたり約8万円、3年間で約300万円の追加支払いが発生するケースもあります。


東京商工リサーチの調査(2025年10月)では、「最低賃金を下回る時給での雇用がある」と回答した企業が27.1%に達しています。約4社に1社は要注意という状況です。特に注意が必要なのは、アルバイト・パートではなく月給制の正社員やパート従業員に「みなし残業」や各種手当を多く付けているケースです。手当を除いた基本給が実は最低賃金を割っている可能性があります。


中小企業がこのリスクを防ぐために活用できる制度として「業務改善助成金」があります。賃金引き上げと設備投資を同時に行う場合、最大600万円の助成を受けられる可能性があります。


参考リンク(最低賃金違反の罰則と企業リスクを社労士が解説)。
社労士事務所Steady|最低賃金を守らないとどうなる?企業が負う罰則・リスクと防止策


最低賃金2025年の地域別格差が縮まる理由と特定最低賃金の見落とし

「最低賃金は地域別に1種類だけ」と思っていると、見落としが生じることがあります。実は最低賃金には2種類あります。


1つ目は「地域別最低賃金」で、都道府県ごとに設定され全労働者に適用されるものです。2つ目は「特定(産業別)最低賃金」で、特定の業種に従事する労働者に適用されるものです。全国で223件が設定されています(2025年1月現在)。


特定最低賃金は地域別最低賃金より高く設定されるのが原則です。例として、北海道の「電子部品・デバイス・電子回路・電気機械器具・情報通信機械器具製造業」の特定最低賃金は1,116円で、北海道の地域別最低賃金1,075円を41円上回っています。


自動車製造業や鉄鋼業など技術水準の高い産業では、地域の最低賃金よりも高い金額が設定されているケースが目立ちます。これが条件です。


地域間の賃金格差という観点でも、興味深いデータがあります。2002年頃は最高額に対する最低額の割合が約85%と格差は小さめでしたが、2006年以降に格差が急拡大し、近年は徐々に回復傾向にあります。2025年度は地方部の引き上げ率(7〜8%台)が都市部(5〜6%台)を上回る形で設定されており、格差縮小が加速しています。


金融面での見方をすると、地方の賃金引き上げは地方銀行や地域密着型の小売・サービス業の消費底上げにもつながります。地方関連銘柄の動向を把握する際の参考データとして活用できます。これは使えそうです。


参考リンク(特定最低賃金の対象業種を全国一覧で確認できる公式サイト)。
厚生労働省|特定(産業別)最低賃金全国一覧


最低賃金2025年の一覧から読む「1,500円目標」と金融・投資への影響

最低賃金の引き上げ動向は、個人投資家や金融に関心のある方にとって、重要なマクロ経済指標の1つです。単なる労働者の話にとどまりません。


現政権は「2020年代中に全国平均1,500円」という目標を維持しています。現状の1,121円からこの目標を達成するには、残り5年弱で計379円の引き上げが必要です。単純計算で年約75〜80円の引き上げが求められますが、2025年度の実績は66円でした。目標達成はかなり厳しいペースです。


最低賃金の上昇が金融市場に与える影響は、主に次の3つの経路で考えられます。



  • 📈 消費関連株へのポジティブ影響:低賃金労働者の所得増加は消費支出を押し上げ、外食・小売・レジャー関連銘柄にプラス

  • 📉 中小企業・労働集約型業種へのネガティブ影響:人件費負担が増す飲食・介護・運輸などの業種では利益率の圧迫要因に

  • 🏦 金融政策との連動:賃金上昇は日本銀行の利上げ判断に影響し、金利環境の変化を通じて債券・株式市場全体に波及


日本の最低賃金の国際的な位置づけも重要です。OECDの常勤労働者の中央値に対する比率でみると、日本は法定最低賃金制度を持つ30カ国中で下から5番目という低い水準にあります。欧米主要国と比べると、まだ引き上げ余地があるとも解釈できます。


投資家としての実践的なアクションとしては、毎年8〜9月頃に公表される最低賃金審議会の答申に注目することが挙げられます。その数値は、秋以降の国内景気・消費動向を読む上での先行指標になり得ます。最低賃金の引き上げ幅が大きい年は、消費関連セクターへの資金流入が強まりやすい傾向があるためです。


参考リンク(最低賃金と実質賃金・日本経済の関係を専門家が解説)。
三菱UFJ信託銀行|経済指標の見方・読み方~日本の雇用環境:人手不足と賃上げ~




週刊金曜日 2025年9/26号[雑誌]