

いますぐ高利回り通貨を追うと、10年後に元本だけマイナスになることがあります。
カントリーリスクプレミアム一覧を見るとき、多くの投資家は「利回りの高い国=魅力的」と直感的に考えがちです。 pages.stern.nyu(https://pages.stern.nyu.edu/~adamodar/New_Home_Page/datafile/ctryprem.html)
しかし、NYU SternのAswath Damodaran教授が公開している国別デフォルトスプレッドとカントリーリスクプレミアムの表を見ると、0%に近い国と10%前後を要求される国が同じ一覧に並んでいることがわかります。 pages.stern.nyu(https://pages.stern.nyu.edu/~adamodar/New_Home_Page/datafile/ctryprem.html)
例えば、オーストラリアやオーストリアなど一部の先進国はカントリーリスクプレミアムが0.00%とされている一方、アルゼンチンは9%と明示されており、同じ「株式リターン10%」の期待でも、必要とされるハードルレートが根本的に違います。 goldpriceforecast(https://www.goldpriceforecast.com/explanations/country-risk-premium/)
つまり、一覧表は「高い利回りがもらえる国」ではなく、「この国に対して投資家がどれだけ追加の補償を要求しているか」を数字で可視化したものということですね。
実務では、このカントリーリスクプレミアムを米国株式リスクプレミアム4.3%前後などに上乗せして、その国の株式リスクプレミアムを算出するという使い方が一般的です。 ronaldread.blogspot(https://ronaldread.blogspot.com/2025/01/country-risk-premium.html)
このカントリーリスクプレミアムをWACC計算に反映することで、海外子会社や新興国のプロジェクトIRRが本当に「ハードルを超えているのか」を、日米欧案件と同じ物差しで比較できます。 plutuscon(https://www.plutuscon.jp/reports/7644)
たとえば、アルゼンチンで想定IRRが15%の案件があっても、カントリーリスクプレミアム9%+米国株式リスクプレミアム4.3%=13.3%を超えているだけなので、実は「少し上乗せされている程度」に過ぎません。 ronaldread.blogspot(https://ronaldread.blogspot.com/2025/01/country-risk-premium.html)
このように一覧の数字を「最低限クリアしたい利回り」と考えると、利回り10%の高配当株や高金利通貨が意外に割に合わないケースが見えてきます。
結論は、一覧は利回りランキングではなく「要求される安全マージンの一覧」として読むのが正解です。
実務で一覧を活用する場面としては、「世界180カ国の資本コスト関連データ」を提供しているようなサービスの使い方が参考になります。 plutuscon(https://www.plutuscon.jp/reports/7644)
この種のサービスでは、ソブリン格付けや株価指数のボラティリティをベースに、カントリーリスクプレミアムを推計し、各国の株式リスクプレミアムやWACCの目安をデータパックとして提供しています。 plutuscon(https://www.plutuscon.jp/reports/7644)
例えば、ある新興国に工場を建てるプロジェクトで、プロジェクトIRRが12%と見積もられているとします。日本本社だけで見れば「社内ハードルレート8%を超えているからOK」と判断しがちですが、その国のカントリーリスクプレミアムが6%なら、株式リスクプレミアムは米国4.3%+6%=10.3%となり、12%は「わずか1.7%の上乗せ」にしかなりません。 ronaldread.blogspot(https://ronaldread.blogspot.com/2025/01/country-risk-premium.html)
つまり国別の上乗せ率を考えない投資判断は、10cmのものさしで東京ドーム5つ分の面積を測っているようなものということですね。
また、こうしたデータベースでは、国ごとに「ソブリン格付けベースのプレミアム」と「株価ボラティリティベースのプレミアム」という2通りのモデルが用意されていることもあります。 plutuscon(https://www.plutuscon.jp/reports/7644)
リスクの取り方が国債中心か株式中心かで、どちらのモデルを重視すべきかが変わるため、ポートフォリオの構成比と照らし合わせて選ぶのが合理的です。
海外REITやインフラファンドのように長期契約が主体の資産は、格付けベースのプレミアムを重視し、エマージング株ファンドのようなボラティリティの高い資産は株価ベースのプレミアムを重視する、といった使い分けが考えられます。 indexmundi(https://www.indexmundi.com/facts/indicators/FR.INR.RISK/rankings)
つまり用途に応じたプレミアムの選び方が基本です。
こうした国別データは、多くの場合サブスクリプション型の有料サービスとして提供されていますが、一部はサンプルとして日本やブラジル、トルコなど代表的な国の数字が無料で公開されていることもあります。 plutuscon(https://www.plutuscon.jp/reports/7644)
リスクとリターンの感覚を掴むだけなら、まず無料サンプルで「日本と高リスク国の差」を確認するだけでも、自分のポートフォリオの偏りがクリアになります。
そこから先、具体的に海外事業の投資審査を行う場合は、有料データを1回だけダウンロードして「社内の共通物差し」として使う、というライトな使い方も十分に現実的です。
カントリーリスクプレミアム一覧は、日々チェックする価格ではなく「プロジェクト判断の前に出してくる基準値」として捉えると扱いやすくなります。
つまり一覧は、意思決定のスタートラインを決めるためのツールです。
この段落で参考にしたサービスの概要説明です。
世界180カ国の資本コスト関連データ(カントリーリスクプレミアムを含む)の提供に関するレポート
カントリーリスクプレミアム一覧は株式投資家がよく見る一方で、銀行が貸し出しに使う「リスクプレミアム」は別の指標として集計されています。 indexmundi(https://www.indexmundi.com/facts/indicators/FR.INR.RISK/rankings)
世界銀行やIMFのデータを基にした「リスクプレミアム・オン・レンディング」は、銀行貸出金利と短期国債利回りの差を国別にランキングしており、マダガスカル42.59%、タジキスタン28.66%、ブラジル22.90%など、桁違いの数字が並びます。 indexmundi(https://www.indexmundi.com/facts/indicators/FR.INR.RISK/rankings)
これは、銀行が民間企業に貸し出す際に、国債利回りにどれだけ上乗せしているかを示すもので、同じ「ブラジル」であっても、株式投資家が見るカントリーリスクプレミアムの数字とは別物です。 goldpriceforecast(https://www.goldpriceforecast.com/explanations/country-risk-premium/)
つまり、株式と貸出では「リスクに対する要求利回り」がまったく違う物差しで評価されているということですね。
このズレが投資家にとって意味を持つのは、現地通貨建て社債やローンと、株式投資のどちらを選ぶかを検討するときです。 indexmundi(https://www.indexmundi.com/facts/indicators/FR.INR.RISK/rankings)
たとえばブラジルの場合、貸出リスクプレミアム22.90%という数字を見ると、「銀行は企業に対して国債+20%以上のスプレッドを要求しているのに、自分は株式でリターン10〜15%を期待しているだけかもしれない」と気づきます。 indexmundi(https://www.indexmundi.com/facts/indicators/FR.INR.RISK/rankings)
この差は、実務上は「株主がリスクを取りすぎている」シグナルとして解釈でき、株式よりもシニアな債権側にまわるべきかどうかを考える材料になります。
結論は、カントリーリスクプレミアム一覧と貸出リスクプレミアムランキングをセットで見ると、同じ国でも立場によって必要なリターンがどれだけ違うかが鮮明になる、ということです。
IMFデータに基づく国別リスクプレミアム・オン・レンディングのランキングを確認できます。
Risk premium on lending (lending rate minus treasury bill rate, %) 国別ランキング
多くの個人投資家は、日本や米国のカントリーリスクプレミアムが0〜数%台と低いことを知ると、「それなら新興国に分散してプレミアムを取りに行くべきだ」と考えます。 goldpriceforecast(https://www.goldpriceforecast.com/explanations/country-risk-premium/)
NYU Sternのデータや各種一覧を見ると、米国の株式リスクプレミアムは4.11%から4.33%へやや拡大しつつも、カントリーリスクプレミアム自体はゼロ扱いである一方、日本は1〜2%程度のスプレッドに収まっているケースが多いです。 pages.stern.nyu(https://pages.stern.nyu.edu/~adamodar/New_Home_Page/datafile/ctryprem.html)
一方で、アルゼンチン9%、バングラデシュ4.88%、ナイジェリア9.32%など、先ほど見たように「一気に2倍以上」のプレミアムを要求される国も少なくありません。 goldpriceforecast(https://www.goldpriceforecast.com/explanations/country-risk-premium/)
数字だけ見ると、「日本株+4%」「米国株+0〜1%」のような感覚で、新興国株や高金利債券を足したくなるのが人情ということですね。
ただし、ここで見落としがちなのが「プレミアムの変動幅」と「極端な事象の頻度」です。 rieti.go(https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/06100201.html)
米国や日本の場合、リーマンショック級のイベントでも、カントリーリスクプレミアムが短期間でゼロから10%へ跳ね上がるといった動きは通常想定されませんが、新興国では政変やデフォルトで一気に数十%レベルに広がる例が実際に存在します。 rieti.go(https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/06100201.html)
そのため、個人投資家が「日本株のリターンを+2%上乗せしたい」と思って新興国にシフトすると、ボラティリティやドローダウンは2%どころでは済まないことがしばしばあります。
つまりカントリーリスクプレミアム一覧だけでなく、「ショック時にどこまで広がりうるか」という時間軸のリスクも合わせて考える必要があるということです。
実務でこれを簡単にチェックする方法としては、新興国ETFの最大ドローダウン率や、過去10年の最低リターン年を確認するのが手軽です。
東京ドーム5つ分の広さの土地を買う前に、過去100年間の洪水データを見るようなイメージです。
カントリーリスクプレミアム一覧は、あくまで「平常時の追加要求リターン」であり、ショック時の尾っぽのリスクまで保証してくれる数字ではない点に注意が必要です。 rieti.go(https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/06100201.html)
平常時の数字を見て安心しすぎないことが原則です。
少しマニアックですが、カントリーリスクプレミアム一覧と、日本の公的機関が公表している「国カテゴリー表」を組み合わせると、実務感のあるユニークな視点が得られます。 jbic.go(https://www.jbic.go.jp/ja/support-menu/export/oecd/country.html)
JBICやNEXIは、輸出信用や貿易保険の引受方針に応じて、各国をカテゴリー1〜7などの区分に分類し、それぞれに応じたリスクプレミアム適用や引受可否の判断を行っています。 nexi.go(https://www.nexi.go.jp/cover/categorytable)
2026年2月6日現在のNEXIの国カテゴリー表を見ると、アラブ首長国連邦、カタール、クウェート、サウジアラビア、台湾、中国、ブルガリアなどが特定のカテゴリーにまとめられており、同じカテゴリー内では「保険引受の考え方」が近いことがわかります。 jbic.go(https://www.jbic.go.jp/ja/support-menu/export/oecd/country.html)
つまり日本の公的機関は、「このグループの国には似たようなリスクプレミアムを要求するべき」という実務的な区切りをすでに決めているということですね。
ここでカントリーリスクプレミアム一覧を持ってくると、同じカテゴリー内でも、NYU Sternのデータではプレミアムの値が微妙に違う国が混ざっていることに気づきます。 jbic.go(https://www.jbic.go.jp/ja/support-menu/export/oecd/country.html)
たとえば、同じ「中東の産油国」という括りであっても、バーレーンのリスクプレミアムが5.08%である一方、カタールやUAEはより低いスプレッドで評価されているなど、一覧の数字と国カテゴリーの区切りの間にはズレがあります。 jbic.go(https://www.jbic.go.jp/ja/support-menu/export/oecd/country.html)
このズレを利用すると、「公的機関としては同じ扱いだが、市場は微妙に差をつけている国」を探すことができます。
結論は、国カテゴリー表をフィルターとして使い、その中からカントリーリスクプレミアムが相対的に低い国を選ぶことで、リスクとリターンのバランスが良い候補を絞り込めるということです。
この視点は、貿易保険や輸出金融を利用しつつ、海外案件のエクイティ部分をどう組み合わせるかを考える際にも役立ちます。 nexi.go(https://www.nexi.go.jp/cover/categorytable)
具体的には、NEXIの引受条件を満たしやすいカテゴリーB〜Cの国の中から、NYU Sternの一覧でプレミアムが相対的に低い国を選ぶことで、「保険を使いつつ過度なリスクを取らない」ポートフォリオを作ることが可能です。 nexi.go(https://www.nexi.go.jp/cover/categorytable)
このような「公的カテゴリー×市場プレミアム」のクロス分析は、検索上位の記事ではあまり触れられていない独自の切り口といえます。
つまり制度とマーケットデータを両方見ることが条件です。
JBICとNEXIが公表する国カテゴリー表とリスクプレミアム適用方針の公式情報です。
JBIC 国際協力銀行 リスクプレミアム適用にかかる国分類表
NEXI 日本貿易保険 国カテゴリー表
最後に、カントリーリスクプレミアム一覧を個人投資家レベルでどう使うかを整理します。 pages.stern.nyu(https://pages.stern.nyu.edu/~adamodar/New_Home_Page/datafile/ctryprem.html)
多くの人は、国別株価指数や新興国ETFの期待リターンを「過去20年の平均リターン」や「配当利回り」だけで見がちですが、一覧の数字を加えることで、「この国に要求されている追加プレミアムを、ポートフォリオ全体でどの程度まで許容するか」という管理が可能になります。 ronaldread.blogspot(https://ronaldread.blogspot.com/2025/01/country-risk-premium.html)
具体的には、先進国(米国・日本・欧州)の比率を合計70%、残り30%を新興国に配分すると決めたうえで、新興国部分をさらに「カントリーリスクプレミアム5%以下の国」と「5%超の国」に分けて上限を決めるといった方法が考えられます。 pages.stern.nyu(https://pages.stern.nyu.edu/~adamodar/New_Home_Page/datafile/ctryprem.html)
つまりプレミアム水準ごとに「ポートフォリオ内の許容量」を決めるイメージですね。
このとき役に立つのが、証券会社やアセットマネジメント会社が提供している「世界経済・市場見通し」の資料です。 rakuten-sec.co(https://www.rakuten-sec.co.jp/web/learn/seminar/20250531-01/pdf/07.pdf)
例えば、IMF世界経済見通しや楽天証券の勉強会資料などでは、各国の成長率見通しとリスク要因(金融引き締め、住宅市場の減速、リスクオフ時のスプレッド拡大など)がまとめられており、カントリーリスクプレミアム一覧の「数字の背景」を理解するのに役立ちます。 rakuten-sec.co(https://www.rakuten-sec.co.jp/web/learn/seminar/20250531-01/pdf/07.pdf)
投資信託やETFを選ぶ際に、目論見書だけでなく、こうしたマクロレポートにも一度目を通しておくと、「この国のプレミアムは縮小しそうか、さらに拡大しそうか」の感覚が掴みやすくなります。
つまり一覧は静的な数字ですが、レポートは動的なストーリーを補完してくれる役割です。
個人レベルの対策としては、以下のような行動が現実的です。
・高プレミアム国への投資比率を、ポートフォリオの10〜20%程度に抑える上限ルールを決めてメモしておく
・年に1度、NYU Sternや主要レポートの最新データを確認し、「日本・米国とのプレミアム差が広がっていないか」をチェックする
・高金利通貨建て債券や仕組債には、必ずカントリーリスクプレミアムの観点から「なぜこの金利なのか」を1行で説明できるようにしておく
これだけ覚えておけばOKです。
IMFや証券会社の世界経済見通しレポートは、カントリーリスクがプレミアムとしてどう意識されているかを理解するために有用です。
RIETIによるIMF世界経済見通し解説(リスク要因と信用スプレッドの議論を含む)
楽天証券 セミナー資料(世界経済と市場のリスク解説)