

驚きの一文:あなたが安心して買った譲渡性預金、実は銀行破綻で1,000万円までも戻らないんです。
譲渡性預金(CD:Negotiable Certificate of Deposit)は、1960年代にアメリカで誕生しました。主に企業が短期間の資金運用を効率化するために導入された制度です。日本でも1979年に開始され、大口預金者向けに市場流通可能な仕組みとして広まりました。
普通預金と異なり、証書の形で発行され、途中で第三者に譲渡できます。つまり、一種の「預金型債券」です。発行単位は多くが1,000万円以上であり、個人より企業の利用が中心です。つまり大口資金運用が前提というわけです。
ただし、途中解約はできません。流動性を確保するには市場で売買するしかありません。つまり途中解約ができない代わりに譲渡可能という構造です。
企業にとっての主目的は「資金の一時的な効率運用」です。例えば、決算期までの余剰資金を短期間預けることで、普通預金よりも高い金利を得ます。
期間は1か月から1年程度が一般的。年0.4~1.2%程度の金利差でも、1億円規模なら年間数十万円の利益差になります。結論は、企業にとっては金利差だけでも十分な魅力がある商品です。
一方、個人の場合はどうでしょう。譲渡性預金は個人向け商品ではありません。なぜならペイオフ対象外であり、元本保証がないからです。これが最大のリスクです。
多くの人は「銀行預金だから安全」と思い込みます。しかし、金融庁の規定では譲渡性預金はペイオフの対象外です。つまり銀行が倒れたら全額失う恐れがあります。つまりノーリスクではないということです。
東海銀行破綻(1990年代)や英バーミンガム銀行破綻の事例では、譲渡性預金を保有していた企業が数億円単位の損失を出しました。金融庁によると、2023年時点でも譲渡性預金の残高は約12兆円。そのうち約7割が企業保有というデータもあります。
つまり、リスクを理解せず利用すると損失リスクは極めて高いということです。金利の高さに惑わされてはいけません。
企業は流動性管理と収益性のバランスを考え、譲渡性預金を組み込みます。特に決算期の直前は、一時的な預け先として活用されます。資金を遊ばせず「短期で少しでも増やす」が目的です。
また、譲渡性預金は「譲渡可能」な特徴から、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)にも利用されます。大手グループ企業では、親会社がCDを発行し、子会社がそれを運用するケースもあります。運用効率の高さが理由です。
ただし、金利上昇局面では評価額の変動リスクも出ます。つまり安全資産とは言い切れません。格付け情報を把握しておくことが条件です。
最近では、デジタル証書型CDも登場し、ブロックチェーンで取引できるサービスが日本でも実証中です。三井住友銀行は2025年に「デジタルCDプラットフォーム」の試験運用を開始しました。
これにより、企業間での迅速な資金移動が可能になります。特に海外子会社間のキャッシュ移動を効率化する効果が期待されています。将来的には、個人投資家向けの小口CD市場も検討されています。つまり今後はデジタル化で使い道が広がるということですね。
参考:三井住友銀行公式リリース(デジタルCD実証)
https://www.smbc.co.jp/news/
このように、譲渡性預金は「ただの預金」とはまるで違う存在です。リスクとリターンを正確に見極めれば、有用な金融ツールとなります。
つまり、知らなければ損をする預金でもあり、知っていれば資金戦略の武器にもなるのです。