時効の援用で重要なもののひとつは、最後に借金の返済をおこなったのはいつか?という点です。
まずは、借用書や過去の督促状を確認しましょう。
借用書
日付:誤っていないか確認する。二重線で修正されていたり、原本と異なる場合は要注意です。
署名:捺印ではなく手書きの場合は、誰が書いたものなのか確認する必要があります。
金額:借入金額と返済金額が正しく記載されているか確認する。
利息:利息の計算方法と利率が正しく記載されているか確認する。
返済期日:返済期日が過ぎているか確認する。
連帯保証人や担保設定などの記載がある場合は、内容を確認する必要があります。
過去の督促状
送付日:時効中断事由となる可能性があるため、いつ送付されたのか確認する。
内容:どのような内容で督促されていたのか確認する。
送付方法:内容証明郵便で送付されていた場合は、時効中断の効果が発生します。
次は、信用情報機関や裁判履歴を調べます。
信用情報機関
返済状況:過去5年間の返済状況を確認することができます。
延滞情報:延滞している債権の情報を確認することができます。
異動情報:債務整理などの情報を確認することができます。
裁判履歴
過去の訴訟履歴:過去に裁判で借金の支払いを命じられたことがあるか確認することができます。
判決内容:判決内容によって、時効期間が延長される可能性があります。
最終的には、弁護士に相談するのが確実でしょう。
弁護士に相談するメリット
弁護士に相談する際の準備
特に時効の援用手続きは、素人が適当にやると失敗して、最悪の場合は「時効が成立していたのに、時効がリセットされる」というケースもあります。
関連)連絡したら時効援用が失敗した
最終貸付直後残高とは、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者が、お客様に最後にお金を貸し出した直後の残高を指します。具体的には、以下の項目が含まれます。
最終貸付直後残高は、お客様の借入状況を把握するための指標として利用されます。また、貸金業者がお客様の返済能力を判断する際にも用いられます。
最終貸付直後残高を確認する方法は、以下の通りです。
最終貸付直後残高を減らすためには、毎月の返済額を増やしたり、ボーナス月に多めに返済したり、借り換えをおこなうなどの方法があります。
まあ、地道に返していくしかないということですね…。
主なケースとしては以下の2つが挙げられます。
債権者から届いた督促状などの書類を紛失・処分してしまった場合
最終返済日は債権者から届いた督促ハガキや封書などに記載されていますが、時間が経って紛失したり処分してしまったりすると、最終返済日が不明になります。
そもそも借入先自体がはっきりしない場合
どこから借入れをしていたのかがハッキリしない場合、最終返済日を確認する方法がありません。
このように最終返済日が確認できない場合の対処法としては、信用情報機関に情報開示請求を行うことが有効です。
信用情報機関には個人の借金の利用や返済などの履歴が登録されているため、開示請求することで最終返済日を把握できる可能性があります。
ただし、債権者が裁判を起こして判決が出ていた場合は、たとえ最終返済日から5年以上経過していても消滅時効は完成せず、時効の援用はできません。
以上のように、最終返済日が不明で時効の援用に支障をきたすケースはありますが、信用情報の開示請求などを活用することで、できる限り最終返済日を特定し、時効援用の可否を判断することが重要です。