hubspotとは簡単にわかる機能と金融活用術

hubspotとは簡単にわかる機能と金融活用術

HubSpotとは簡単に理解する基本と金融での使い方

HubSpot(ハブスポット)は、マーケティング・営業・カスタマーサービスを一つのプラットフォームで管理できるCRMツールです。しかし金融に関心のある多くの方が見落としているのが「HubSpotはマーケティング担当者のためのツール」という思い込みです。実は、HubSpotの無料CRMを使わないと、あなたの営業機会の約3割がロスしている可能性があります。


📌 この記事の3ポイント要約
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HubSpotとは?

2005年にアメリカで設立され、現在は世界135カ国以上・約268,000社が導入するCRM+MAプラットフォーム。CRM(顧客管理)の基本機能は完全無料で使い始められます。

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何ができるの?

顧客情報の一元管理、営業パイプライン管理、メールマーケティング自動化、カスタマーサポートなど、6つのHubを組み合わせて業務全体をカバーできます。

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金融業界との相性は?

銀行・証券・保険・フィンテック企業がコンプライアンス対応と営業効率化を同時に実現するためにHubSpotを活用。対応履歴の自動記録が監査対応にも直結します。


HubSpotとは何か・簡単に理解できる基本の仕組み

HubSpot(ハブスポット)とは、2005年にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)出身の2人が創業した、インバウンドマーケティングを軸とする総合型CRMプラットフォームです。現在は世界135カ国以上、約268,000社が導入する規模まで成長しており、日本では2016年に法人を設立し、有料顧客数は2016〜2021年の5年間で約15倍に増加しています。


CRMとは「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略で、顧客情報・接触履歴・商談進捗などを一元管理する仕組みのことです。HubSpotはこのCRM機能を無料で提供している点が最大の特徴の一つです。


HubSpotが注目を集める理由は、主に3つに集約されます。


- 無料から始められる: CRMの基本機能は永続的に無料。最大5ユーザーまで月額0円で利用可能です。


- オールインワン: マーケティング・営業・カスタマーサポート・CMS・オペレーションまで、6種類のHubと呼ばれるツール群を一つのプラットフォームに統合しています。


- 拡張性が高い: 1,160種類以上のサービスとAPI連携が可能で、利用中の業務ツールと組み合わせて使えます。


つまりHubSpotとは、顧客を「見込み客→商談→成約→リピーター」へと育てる一連の流れを、一つのツールで完結させるプラットフォームということです。


金融業界の観点で補足すると、HubSpotが提供するCRMには顧客との接触履歴(メール・電話・面談)を自動記録する機能があります。この記録機能こそが、コンプライアンス対応が求められる金融企業において大きな価値を持ちます。


参考として、HubSpotの公式サイトでは金融サービス業界向けのCRM活用事例が紹介されています。


金融サービス業界向けのCRM機能と活用シーンが詳しく解説されています。


金融サービス業向けCRMの活用 | HubSpot公式


HubSpotの簡単に使える6つの主要機能(Hub)一覧

HubSpotは、用途別に分けられた「Hub(ハブ)」と呼ばれる6つのツール群で構成されています。それぞれ独立して使うこともできますが、組み合わせることで最大の効果を発揮します。


これは使えそうです。各Hubの役割を整理しておきましょう。


| Hub名 | 主な役割 | 無料で使える? |
|---|---|---|
| HubSpot CRM | 顧客情報・商談・連絡履歴の管理 | ✅ 永続無料 |
| Marketing Hub | LP・ブログ・メールマーケティング | ✅ 基本無料 |
| Sales Hub | 営業活動の自動化・見込み客管理 | ✅ 基本無料 |
| Service Hub | カスタマーサポート・FAQ構築 | ✅ 基本無料 |
| CMS Hub | Webサイト・ブログのコンテンツ管理 | ✅ 基本無料 |
| Operations Hub | 他社ツールとのデータ同期・自動化 | ✅ 基本無料 |


まず注目すべきはHubSpot CRMです。顧客の氏名・会社名・メールアドレスといった基本情報から、Webサイトへのアクセス履歴、メールの開封状況、商談ステータスまでを一元管理できます。無料で100万件のデータを管理できる点は特筆に値します。


Marketing Hubは、インバウンドマーケティング(顧客側からのアクセスを増やす手法)の実践に特化しています。無料版ではマーケティングEメールを月2,000件まで送信でき、ランディングページやフォームの作成も可能です。


Sales Hubは、営業チームの活動を効率化するSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)の機能を持っています。商談ごとの進捗管理、見積書の作成、ミーティングの日程調整自動化などが利用できます。


Service Hubは、顧客からの問い合わせをチケットとして管理し、対応漏れを防ぎます。FAQをナレッジベースとして構築しておくことで、顧客の自己解決率を高め、問い合わせ件数を削減できます。


CMS HubとOperations Hubは、Webサイト運用とシステム連携に特化しています。専門知識がなくてもドラッグ&ドロップでWebページを作れる点と、1,160種類以上の外部ツールとAPI連携できる点がそれぞれの強みです。


金融機関向けの情報として、銀行のCRM導入活用についての解説も参考になります。


銀行業界でCRMを導入する際の課題・解決策・HubSpotの具体的な活用方法が詳述されています。


銀行にCRM導入は必要?導入によって解決できる課題と注意点 | HubSpot公式


HubSpotの料金プランを簡単に比較・無料版と有料版の違い

HubSpotの料金体系は「無料・Starter・Professional・Enterprise」の4段階で構成されています。各プランの内容を正確に把握しておかないと、不要な費用を払ったり、逆に必要な機能が使えなかったりする事態が起きます。


無料プランが条件です。CRM基本機能・メール送信月2,000件・フォーム作成・チャットボット・ランディングページ作成などが0円で使えます。ただしHubSpotのロゴが各種出力物に表示される、メール送信後のバナーCTA作成が不可など一部制限があります。


有料プランの概要は下記のとおりです(2025年時点)。


| プラン | 月額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 無料 | ¥0 | CRM・基本機能・5ユーザーまで |
| Starter | ¥2,400〜 | ロゴ削除・送信数拡大・基本レポート |
| Professional | ¥96,000〜 | ワークフロー・A/Bテスト・上級分析 |
| Enterprise | ¥432,000〜 | アクセス制御・カスタムオブジェクト・SSO |


Starterプランは月額2,400円〜と非常に低コストで、HubSpotロゴの非表示化とメール送信件数の拡大が主なメリットです。中小企業や個人事業主が初めてCRMを導入する入口として最適です。


Professionalプランは月額96,000円〜と一気に価格が上がります。その分、マーケティングオートメーション(ワークフロー)の本格利用、A/Bテスト、高度な分析機能が解放されます。インバウンドマーケティングを本格的に実践する企業向けです。


Enterpriseプランは月額432,000円〜の大企業向け設計です。フィールドレベルのアクセス制御、カスタムオブジェクト、シングルサインオン(SSO)、IPアドレス制限などのセキュリティ機能が充実しており、金融機関がコンプライアンス対応で活用するのはこのプランが前提になることも多いです。


スモールスタートで試すなら無料プランが原則です。顧客情報の整理が目的であれば無料で十分実用に耐えます。本格的なマーケティング自動化や金融機関向けの厳格なアクセス管理が必要になった段階でアップグレードするのが現実的なアプローチです。


参考として、料金体系の最新情報はHubSpot公式ページで確認できます。


各プランの詳細機能と最新料金が確認できます。導入前の比較検討に役立ちます。


HubSpotの料金プラン一覧 | HubSpot公式


HubSpotを金融業界で活用する際の具体的な設計ポイント

金融業界でHubSpotを導入する際には、一般的な企業とは異なる設計上の配慮が必要です。銀行・証券・保険・フィンテックなどの業種では、コンプライアンス(法令遵守)要件がCRMの設計に直結します。


まず対応履歴の記録から始めましょう。HubSpotは顧客とのメール・電話・面談の履歴を自動的にCRM上に記録します。金融商品取引法では「いつ・誰が・何を説明したか」の記録が求められますが、この要件をHubSpotの自動記録機能で対応できます。


アクセス制御の設計も重要です。EnterpriseプランではIPアドレス制限、シングルサインオン(SSO)、2段階認証、フィールドレベルの権限設定が可能です。「与信情報のフィールドは管理者しか編集できない」「顧客情報は所属チームのみ閲覧可能」といった設計が実現できます。


承認ワークフローの構築も実務で役立ちます。営業担当が「提案書送付」ステージに案件を移行すると、自動的に上長に承認リクエストが飛ぶ仕組みを構築できます。承認・差し戻しの結果がCRM上に記録として残るため、口頭承認の管理から脱却できます。


Excelや紙で顧客を管理している金融機関では、担当者の異動時に顧客情報が引き継げないという問題が頻繁に発生します。HubSpotに情報を集約しておくことで、引き継ぎのロスが大幅に減ります。これは時間コストの節約に直結します。


一点注意が必要です。極めて機密性の高い与信詳細データや個人資産情報については、HubSpotに入れるかどうかを企業のポリシーとして慎重に判断する必要があります。営業活動に必要な範囲の情報をCRMに格納し、詳細な与信データは専用の審査システムに残すという使い分けが現実的です。


金融業界でのHubSpot設計について、より詳しく知りたい方はこちらの解説記事も参考になります。


コンプライアンス対応とCRM活用を両立させるための具体的な設計手法が解説されています。


金融業界のHubSpot活用|コンプライアンス対応と顧客管理の両立 | StartLink


HubSpotとSalesforceの違い・簡単に比較して選び方を解説

HubSpotを検討する際に必ず比較に上がるのがSalesforce(セールスフォース)です。金融業界でも両者を比較検討するケースは多く、それぞれの特性を正しく理解しておくことで、コスト面での大きな失敗を防げます。


結論はシンプルです。中小〜中堅規模でインバウンドマーケティングを軸にするならHubSpot、大企業で高度なカスタマイズや既存のSalesforce環境との統合が必要ならSalesforceが有力候補になります。


具体的な違いを整理すると下表のようになります。


| 比較項目 | HubSpot | Salesforce |
|---|---|---|
| 無料プラン | あり(基本CRM) | なし |
| 導入のしやすさ | 直感的・非エンジニアでも操作可 | 要設定・専門知識が必要な場面あり |
| カスタマイズ性 | 中程度 | 非常に高い |
| コスト感 | 小規模なら低コスト | 基本的に高コスト |
| マーケティング機能 | 充実(MAが標準搭載) | 別途Pardotなどが必要 |
| 金融向けセキュリティ | Enterprise以上で対応可 | 高水準のセキュリティ機能 |


HubSpotの最大の強みは、CRM・MA・SFAをわざわざ別々のツールで揃える必要がない点です。Salesforceでは別途Account EngagementやPardotを追加購入しなければ実現できないマーケティング自動化の機能が、HubSpotでは標準的に含まれています。


コスト面での差は非常に大きいです。HubSpotのStarterプランが月額2,400円〜なのに対し、Salesforceの最安プランはEssentialsで月額3,600円/ユーザーです。ユーザー数が増えるほどコスト差が広がります。


ただし、Salesforceはエコシステムが巨大で、外部パートナーが650社を超えます。すでに社内にSalesforce環境がある場合、乗り換えコスト(データ移行・社員再教育)を考えると継続利用が合理的なケースもあります。


比較する際の判断軸は一つに絞るのがおすすめです。「まずCRMを試してみたい」「コストを抑えて始めたい」という段階ならHubSpotの無料プランが最適な入口です。まず1ヶ月無料で試すことで、自社に必要な機能が見えてきます。


HubSpotの導入前に知っておくべきデメリットと注意点

HubSpotの利便性はこれまで説明してきたとおりですが、導入前に把握しておくべきデメリットや注意点も存在します。知らないまま導入すると、費用面や運用面で想定外の課題が起きることがあります。


まずプランのコスト体系が複雑な点に注意が必要です。無料・Starter・Professionalの間の価格差は特に大きく、Starterが月額2,400円〜なのに対し、Professionalは月額96,000円〜と一気に40倍以上に跳ね上がります。マーケティングオートメーション機能を使いたいと思ったら、思いのほかコストがかかる場面もあります。


日本語サポートの範囲という観点では、機能面のサポートは受けられますが、マーケティング戦略の設計や改善提案は含まれません。HubSpotへの問い合わせで解決できるのはツールの操作・機能の範囲内に限られます。戦略的な運用支援が必要な場合は、HubSpotの認定代理店やパートナー企業への相談が必要になります。


ヘルプページが英語表記の場合が多いという点もデメリットです。意外ですね。日本語化は進んでいますが、詳細な設定マニュアルやトラブルシューティング情報は英語のみのものも残っています。IT担当者がいない中小企業や、英語に不慣れなチームでは、学習コストがかかる場面があります。


有料プランへのアップグレードを促す設計になっている点も把握しておくべきです。無料版では頻繁に「この機能を使うにはアップグレードが必要」という通知が表示されます。これはHubSpot側のビジネスモデル上自然なことですが、使う機能の範囲を事前に明確にしておかないと、不必要にコストが膨らむリスクがあります。


外回り営業の効率化には限界があります。HubSpotはインバウンドマーケティング、つまりオンラインで顧客に見つけてもらう手法を主眼に設計されており、飛び込み営業・イベント・紙媒体広告などのオフライン施策の管理ツールとしては機能が限定的です。対面営業が主体の金融機関の場合は、この点を踏まえた設計が必要になります。


導入前のチェックリストとして最低限確認しておくべき点は、利用目的の明確化・必要プランの確認・担当者の操作環境の確認の3つです。特に「何のために使うか」を絞らないと、多機能ゆえに使いこなせないまま放置されるリスクがあります。導入前の1〜2週間、無料プランで実際に使ってみることを強くおすすめします。