

投資信託のチャートは、基準価額と呼ばれる1口あたりの価格の推移を線でつないだもので、長期の値動きやトレンドを直感的につかむための基本ツールです。
多くのチャート比較機能では、起点の日を「100」としてそこからの変化率を描くため、絶対額ではなく「何%増えたか」「どれくらい減ったか」を簡単に比較できます。
さらに、配当・分配金を再投資した前提で計算される「分配金込みチャート」を採用しているサービスも多く、同じ利回りでも分配金の出し方が違うファンドの実質的なリターンをフェアに比べられるのがポイントです。
チャートの種類としては、基準価額の推移を線でつないだラインチャートのほか、始値・高値・安値・終値を1本の足で表すローソク足チャートやバーチャートなどがあり、短期の売買タイミングを図るなら情報量が多いローソク足、長期のトレンド確認ならシンプルなラインチャートが向いています。
参考)投資信託でチャートを確認する方法は?ファンドを比較する際の注…
個人投資家向けの投信サイトでは、多くがラインチャートを標準としつつ、期間を1ヶ月〜10年超まで自由に変えられるようになっており、「5年でどう推移したか」「暴落局面ではどれくらい落ちたか」など、時間軸をスライドさせてストレステスト的に見る活用が可能です。
参考)https://www.paypay-bank.co.jp/trust/chart.html
チャート比較 投資信託でインデックスファンドとアクティブファンドを並べるときは、まず「ベンチマーク」に対してどれだけ上回っているか・下回っているかをチェックするのが基本です。
たとえば、同じ国内株式のインデックスに連動する投信と、同じカテゴリのアクティブ投信をチャート比較すると、設定来や過去5年でアクティブが分類平均を上回り続けているか、特定の上昇局面だけ強いのかなど、得意・不得意な相場が可視化されます。
プロ向けの比較手法では、「分類平均」と呼ばれる同じカテゴリーの投信平均チャートと自分の保有ファンドを重ねて、3年・5年といった中長期でどれだけ上回っているかを見るやり方が紹介されています。
参考)プロが教える「成績優秀な投資信託」を探す方法【保存版】
また、チャートを上昇局面と下落局面に区切り、それぞれで分類平均に対してどれだけ差が出たかを確認すると、「上昇相場に強いが下落時は分類平均より大きく落ちる」タイプと、「上昇はそこそこだが下落に強い」タイプといった性格の違いが浮かび上がり、リスク許容度とのマッチングに役立ちます。
主要ネット証券や銀行の投信ページには、複数のファンドを同時に表示できる「チャート比較」機能があり、なかには最大5銘柄まで同時に並べられるツールもあります。
これらの比較チャートでは、選択した期間の最初の日を100とした指数を描画し、税引前の分配金を再投資したとみなして基準価額を計算しているため、「途中で分配金を受け取ってしまったからチャートが低く見える」といった誤差を抑えた比較が可能です。
また、みんかぶ投信などの専門サイトでは、「チャート比較機能」を拡張して、検索結果一覧やお気に入りリストから複数銘柄をチェックして一括でチャートを描くことができるようになっており、個別ページを何度も開き直す手間を省けます。
参考)「チャート比較機能」拡充のお知らせ - みんかぶ投資信託
さらにユニークなのは、日経平均やTOPIX、ダウ平均に加え、金や原油、ゴムといったコモディティ指数を比較チャートに追加できる機能で、株式型投信がどの指数と似た動きをしているか、どれくらい連動しているかを視覚的に把握できる点です。
チャート比較 投資信託のツールでは、多くの場合、チャート部分にマウスカーソルを合わせることで、その日時点の基準価額指数や騰落率が吹き出しで表示される仕様になっています。
参考)比較するファンド・マーケット指標について
マーケット指標としては株価指数のほか、為替レートや国債利回り、不動産投資信託(REIT)指数なども選べることがあり、たとえば「ドル建て外債ファンドのチャートと為替」を重ねることで、どこまでが為替要因でどこからが債券価格要因なのか、といった分解的な見方も可能になります。
ファンドのチャート比較ツールと基本的な機能説明はこちらで整理されています。
チャート比較 投資信託で意外と見落とされがちなのが、「最大ドローダウン(高値からどれだけ落ちたか)」に着目する視点で、同じ期間に最終リターンが似ていても、途中の落ち込みが大きいファンドは、心理的に保有を続けるのが難しくなりがちです。
たとえば、30年間のチャートで同じようなゴールに見えるS&P500連動の投信と全世界株型投信であっても、一時的な下落幅や回復スピードには差があり、積立投資のシミュレーションをすると、投資家の行動次第で最終的な資産額が変わりうることが指摘されています。
チャート比較では、あえて「暴落局面」の期間だけを切り出して重ねることで、「どの投資信託がどのくらい踏ん張ったか」「下がったあとにどれくらいの期間で元に戻っているか」を確認できます。
参考)チャート比較!過去30年間のS&P500とオルカンの投資成果…
さらに独自の見方として、チャートの谷と自分の入金タイミング(積立日)を照らし合わせ、「ここで積み増しできていれば最終リターンはどう変わったか」を後から検証しておくと、次の下落局面で感情に流されずにルール通り積み立てるためのメンタルトレーニングにもなります。
もう一つのあまり知られていない視点として、比較対象に「現金相当(無リスク資産)」や短期債券ファンドのチャートを1本混ぜておくと、株式型投信だけを見ているときよりもポートフォリオ全体のボラティリティ感覚がつかみやすくなります。
リスク資産だけを重ねると「どれが一番増えるか」に意識が集中しがちですが、あえて低ボラティリティ資産も含めてチャート比較することで、「このくらいのブレ幅なら自分は眠れる」「ここまで落ちると積立を止めたくなる」といった感覚を可視化でき、資産配分の調整に役立ちます。
チャート比較 投資信託をするとき、指数そのもの(たとえばS&P500など)と投信やETFのチャートが微妙にずれて見えるケースがあり、その一因として「分配金再投資の有無」や「為替の影響」が挙げられます。
ETFは分配金をその都度受け取るため、チャート上は指数と同じ動きに見えても、投信側は分配金を内部で再投資している分だけ、長期では指数よりも高く見える場面がある、という指摘もあります。
国内のファンド比較ツールでは、税引前の分配金を再投資した前提の基準価額をチャートにしており、これにより分配金の出し方が違うファンド同士でも長期リターンを比較しやすくなっています。
参考)ファンド比較
一方で、投資家自身が分配金を受け取ってしまい、そのまま消費に回している場合、実際の資産形成ペースはチャート上の「分配金再投資前提リターン」より低くなるため、チャート比較の結果を鵜呑みにせず、「自分の運用行動」とのギャップを意識しておく必要があります。
参考)https://finance.yahoo.co.jp/brokers-hikaku/experts/questions/q14294362199
また、外国株式型投信の場合、円ベースのチャートには為替の動きが織り込まれているため、円安が進んだ期間は「ドル建てではフラットでも円建てチャートが右肩上がり」に見えることがあります。
ETFと投資信託、あるいは同じ指数に投資する別ファンドを比較する際には、「どちらも分配金込みか」「為替ヘッジの有無は同じか」といった条件をそろえてチャート比較することで、実力差なのか条件差なのかを切り分けやすくなります。
チャート比較 投資信託を単なる「眺めるためのグラフ」で終わらせず、投資ルールに落とし込むためには、あらかじめ「どの条件を満たしたら候補にするか」を決めておくと迷いが減ります。
たとえば、「過去5年で分類平均を年率1%以上上回っていること」「最大ドローダウンがカテゴリ平均より5ポイント以上悪くないこと」「純資産が一定額以上であること」といった条件をチャートと数値でチェックリスト化し、感覚ではなくルールで取捨選択していく運用スタイルです。
意外な活用法としては、S&P500と全世界株、さらに国内債券やゴールドなど複数の資産クラスをチャート比較して、「特定の期間だけ極端に強かった資産」をあえて外し、「どの10年を切り取ってもそこまで大きく負けない組み合わせ」を探るというアプローチがあります。
これは、過去30年でS&P500の方がオルカンより良かったからといって、今後30年も同じとは限らない、という前提に立ち、チャート比較を「一点勝負の候補探し」ではなく「負けにくいポートフォリオ設計」のために使う発想で、金融リテラシーの高い投資家ほど重視する視点です。
もう一つの独自視点として、チャート比較を「自分の行動ログ」とセットで残しておく方法があります。
たとえば、「この日にチャートを見て怖くなって売った」「この急落で積立設定を止めた」といった行動と、その後のチャートを並べて振り返ると、感情ベースの判断が長期リターンにどれだけ影響したかを定量的に把握できます。
これを繰り返すと、「次に同じような形のチャートを見たら、今回は売らずにルールを守る」といった“メタ投資ルール”を作れるようになり、チャート比較が単なる情報収集から、行動改善のためのツールへとレベルアップしていきます。
投資信託のチャートの種類や見方、比較するときのポイントを整理した解説はこちらが参考になります。
投資信託のチャートの確認方法と比較・分析ポイント(R&C)
分類平均とのチャート比較やリスクリターン指標を使った「成績優秀な投資信託」の探し方を解説している保存版記事はこちらです。
プロが教える成績優秀な投資信託を探す方法【保存版】(楽天証券トウシル)