中国の排出権取引制度概要

Ⅰ制度概要

中国の排出権取引制度は、企業ごとに温室効果ガスの排出量の上限を設定し、排出が認められる量を枠として割り当て、実際の排出量との差により生まれた不足あるいは余剰の枠を企業間や市場で売買する制度です。

下記の図表は、企業Bは超過排出による「不足枠」分を、企業Aの「余剰枠」或は企業Cの自主排出削減プロジェクトにより創出された削減量(CCER)を購入することで目標達成する場合の仕組みです。なお、2省5市の排出権取引市場では義務履行に際して、排出枠総量に対するCCER使用量がそれぞれ定められているため、利用条件は確認が必要です。

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 Ⅱ各試行取引地域の概要

試行各省市の経済発展状況の違いを鑑みて、設定されている削減目標や基準値はそれぞれ異なっています。2省5市の試行取引地域の状況に関しては、下記の図表の通りです。(下表をクリックすると拡大されます)

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Ⅲ義務履行と厳しい罰則
1)義務履行

義務履行とは、実際に排出した量に相当する排出枠を政府側に返却し、清算することを指します。各試行取引地域では義務履行日が定められており、期限内に削減対象企業は義務履行を完了しなくてはなりません。もし定めた期限通りに完了しなかった場合、下記のような経済面と行政面の罰則が与えられます。

2)厳しい罰則(深センの場合)

①企業の名前を銀行等の信用システムへ登録し、メディアを通して社会に公布する。

②企業の受けているあらゆる財政補助を停止させ、申請中或は今後5年間の財政補助も受けさせない。

③超過排出量に相当する排出枠を排出枠口座から強制的控除し、足りなかった部分に関しては翌年の排出枠から直接控除する。更に超過した分については市場の平均価格の3倍の罰金を徴収する。