土地の評価替えはいつ?固定資産税の仕組みと節税ポイント

土地の評価替えはいつ?固定資産税の仕組みと節税ポイント

土地の評価替えはいつ?仕組みと税負担の真実

空き家を放置すると、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。


この記事の3ポイントまとめ
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評価替えは3年に1度・次回は令和9年(2027年)

固定資産税の基準となる土地の評価額は3年ごとに見直される。直近は令和6年度(2024年)、次回は令和9年度(2027年)が基準年度となる。

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評価額が下がっても税金が上がることがある

「負担調整措置」の仕組みにより、地価が下落していても固定資産税が下がらないどころか上昇するケースが存在する。評価替えの年だけ気にしていると見落としがちだ。

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縦覧制度を使えば払いすぎを取り戻せる可能性がある

毎年4月の縦覧期間中に評価額の誤りを発見すると、過去5年分(市区町村ミスの場合は最長20年分)の固定資産税が還付されるケースがある。


土地の評価替えとはいつ・どのように行われるか


土地の固定資産税評価額は、毎年変わるわけではありません。地方税法に基づき、原則として3年に1度のペースで見直される制度が採用されています。これを「評価替え」と呼び、この作業が行われる年度を「基準年度」といいます。基準年度以外の2年間は、原則として評価額がそのまま据え置かれる仕組みです。


直近の基準年度は令和6年度(2024年度)でした。つまり現在(2026年)は据え置き期間の最終年度にあたります。次回の評価替えは令和9年度(2027年度)であり、2027年1月1日時点の地価をもとに評価額が算定されます。さらにその次は令和12年度(2030年度)と続いていきます。基準年度は3の倍数で計画的に回ってくると覚えておけばOKです。











年度 内容
令和6年度(2024年度) ✅ 評価替え(基準年度)
令和7年度(2025年度) 据え置き
令和8年度(2026年度) 据え置き
令和9年度(2027年度) ✅ 評価替え(次回基準年度)
令和10年度(2028年度) 据え置き
令和12年度(2030年度) ✅ 評価替え


評価の基準となる数字として重要なのが、公示地価の約70%という水準です。固定資産税評価額は、国土交通省が毎年3月に発表する公示地価(時価)の約70%を目安に設定されます。つまり、時価1,000万円の土地であれば、固定資産税評価額はおおむね700万円前後になるイメージです。


この評価額に標準税率1.4%をかけたものが固定資産税の基本額となります。評価替えの仕組みが理解できると、「なぜ3年に一度、税額の変動が大きくなるのか」が腑に落ちるはずです。


なお、評価替えの作業は基準年度の前年1月1日を基準日として市区町村が進め、翌4月ごろに各所有者へ納税通知書が届く形で通知されます。より早い段階で確認したい場合は、1月1日以降に各市区町村の窓口で課税台帳の閲覧を請求することもできます。


参考リンク:固定資産税の評価替えと負担調整措置の仕組みを総務省が解説しています。


地方税制度|固定資産税の概要(総務省)


土地の評価替えで基準年度以外にも評価が変わる例外ケース

「3年間は評価が変わらない」というのが原則ですが、例外があります。これは意外と見落とされがちなポイントです。


以下の状況に該当する土地は、基準年度以外であっても新たに評価が行われます。



  • 🏗️ 地目の変換:農地を宅地に転用した、田畑を駐車場に変えたなど、土地の用途区分が変わった場合

  • 🔨 家屋の増改築・損壊:建物に大規模な変更があり、それが土地の利用状況に影響する場合

  • 🆕 新たに課税対象となった土地:新規開発などにより固定資産税の課税対象に加わった土地

  • 📉 地価が大幅に下落した場合:据え置き年度においても、地価の急落が確認されると評価額が修正されることがある


特に4点目は重要です。据え置き年度であっても「地価の下落があり、据え置くことが適当でない」と市区町村が判断した場合は、下落を反映した価格修正が行われます。地価が急落した際にはメリットになりえます。逆に言えば、地価の上昇はすぐには反映されないため、上昇局面での税額変化は3年後の評価替えまで待つことになります。


また、償却資産(事業用機械・設備など)については、土地や家屋とは全く異なる扱いです。事業者が毎年1月1日現在の状況を自ら申告し、毎年評価が見直されます。これが原則です。土地と混同しないようにしてください。


なお、不服申立て(審査申出)は原則として基準年度のみ受け付けられます。地価の動向から「次の評価替えで大きく評価額が上がる可能性がある」と感じる場合は、基準年度の翌年4月以降に届く納税通知書の内容をきちんと確認し、不服があれば納税通知書の交付を受けた日から3か月以内に固定資産評価審査委員会へ申し出ることが重要です。この期限を過ぎると原則として申立てができなくなります。期限には注意が必要です。


土地の評価替えと負担調整措置─地価が下がっても税が上がる仕組み

金融・不動産に関心のある方が「土地の評価替え」で疑問に思うことの一つが、「なぜ地価が下落しているのに固定資産税が下がらないのか」という点です。この現象を引き起こしているのが「負担調整措置」という制度です。


固定資産税は全国一律に課税される税ですが、バブル崩壊後に生じた地域格差や土地ごとの課税不均衡を解消するため、平成9年度(1997年度)の評価替えからこの制度が導入されました。つまり「税の公平性を段階的に整えていく」ための仕組みです。


具体的には「負担水準」という指標が使われます。


> 負担水準 = 前年度の課税標準額 ÷ 今年度の評価額(×住宅用地の特例率)


この数値が低い土地(課税されてきた額が本来の評価額に比べて低い土地)については、課税標準額をなだらかに引き上げていく仕組みになっています。その結果、地価が下落して評価額が下がっていても、負担水準が低い状態の土地では課税標準額が上昇し続けることがあるのです。



  • 🏢 商業地等の場合:負担水準が70%を超えると評価額の70%が課税標準額となる。負担水準が60〜70%の間は据え置き、60%未満だと課税標準額を引き上げていく

  • 🏠 住宅用地の場合:負担水準が20%未満の土地は20%まで引き上げられる。上限も設定されており、税額が急騰しにくい設計になっている


つまり、「評価額が下がった=税額も下がる」とは限りません。これが原則です。


この制度を理解していないと、「地価は下がっているのに通知書の税額が増えている」という状況に直面して混乱することになります。不動産投資の収支計算をする際も、評価替えの年だけでなく据え置き期間中の負担水準の変化まで見込んでシミュレーションしておくことが大切です。


参考リンク:商業地と住宅地それぞれの負担調整措置の具体的な計算方法が掲載されています。


商業地等に係る固定資産税・都市計画税の負担調整措置(東京都主税局)


土地の評価替えで気をつけたい「住宅用地の特例」解除リスク

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が大幅に軽減されています。これは知っておきたい重要な制度です。







区分 面積 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 200㎡以下の部分 評価額の1/6 評価額の1/3
一般住宅用地 200㎡超の部分 評価額の1/3 評価額の2/3


例えば、200㎡以下の住宅用地で評価額が1,000万円の場合、特例適用後の課税標準額は約167万円(1,000万円 ÷ 6)になります。税率1.4%をかけると年間約2.3万円です。これが特例なし(1,000万円 × 1.4%)だと約14万円となり、差額は約12万円にも上ります。特例の効果は絶大です。


しかし、この特例が外れるケースがあります。代表的なのが以下の3つです。



  • 🏚️ 住宅を取り壊した場合:更地にした途端に特例が解除される。固定資産税は最大6倍になる可能性がある

  • 🚗 住宅を駐車場など別用途に変更した場合:用途変更の翌年から特例が使えなくなる

  • ☠️ 「特定空家」「管理不全空家」に指定された場合:令和5年(2023年)の法改正により、管理不全空家も指定対象に追加。自治体から勧告を受けると特例が解除され、固定資産税が最大約6倍に跳ね上がる


特定空家や管理不全空家に指定されると固定資産税が約6倍になると聞いても「自分には関係ない」と思いがちですが、相続で取得した地方の実家や長年放置している空き地は意外と対象になりやすいため注意が必要です。厳しいところですね。


親から相続した土地や建物を持っている場合、評価替えのタイミングで改めて現況を確認することを強くおすすめします。固定資産税の納税通知書が届く4〜5月は、所有不動産を見直す絶好の機会です。


参考リンク:特定空家・管理不全空家の指定基準と固定資産税6倍の仕組みが詳しく解説されています。


固定資産税の評価替えとは?時期や固定資産税の下げ方を解説(マルイシ税理士法人)


土地の評価替えを味方につける─縦覧制度と審査申出で税を取り戻す方法

評価替えは「税金が上がる脅威」としてだけ見る必要はありません。実は、評価額に誤りがあった場合に過去分の固定資産税を取り戻せる制度も用意されています。これは使えそうです。


毎年4月から第1期納付期限日(自治体により異なるが、おおむね5月末ごろ)まで、「縦覧期間」が設けられています。この期間中、固定資産税の納税者は市区町村の窓口で「縦覧帳簿」を閲覧でき、自分の土地・建物の評価額を他の土地や家屋と比較することができます。


縦覧制度を使って評価額の誤りを発見した場合、固定資産評価審査委員会への審査申出(不服申立て)が可能です。手続きが認められれば過去に遡って固定資産税が還付されます。ただし還付される期間には上限があります。



  • 📋 通常のケース(申告漏れ等):過去5年分が還付対象

  • 🏛️ 市区町村側のミスが原因の場合:最長20年分が還付対象になるケースがある


実際に、埼玉県和光市では住宅用地特例の適用漏れが発覚し、過去8年分が対象者全員に返還された事例があります。市区町村のミスは「ゼロではない」という認識が大切です。


評価替えの後、新しい評価額が気になる場合は、まず4月1日以降に届く納税通知書を確認し、評価明細書の数字が前回と大きく変わっていないかをチェックしましょう。不審に思った場合は、縦覧期間内に市区町村の窓口で比較確認を行うことが第一歩です。


審査申出の期限は、固定資産課税台帳の公示日(通常4月1日)から、納税通知書の交付を受けた日後3か月以内です。評価替えの年だけ動けばOKです。


不動産を複数所有している場合や、相続で取得した土地を初めて管理する場合は、税理士や不動産鑑定士に相談することで見落としていた評価誤りが見つかることもあります。特に、土地の形状が不整形・旗竿地・崖地に近いケースや、接道条件に制限がある土地は補正が効く可能性があるため、専門家への確認が有効です。


参考リンク:固定資産税評価額に対する不服申立ての手順と期限が解説されています。


固定資産評価の不服申し立ての実務(不動産の味方)


2027年の次回評価替えに向けて今から準備すべき独自視点の対策

次回の評価替えは令和9年度(2027年度)、評価の基準日は2026年1月1日時点の公示地価です。現時点(2026年3月)はまさに次回評価替えの基準日を過ぎた直後にあたります。つまり、2027年に届く納税通知書に記載される評価額の「素材」はすでに固まりつつある段階です。


近年の地価動向として、2017年から上昇が続いた大都市圏の地価は、その後も比較的高い水準を維持しています。この動向が2027年の評価替えに反映されると、特に以下のような土地では固定資産税評価額が上昇する可能性があります。



  • 📍 都市部・駅近の住宅地・商業地

  • 🏙️ 再開発が進むエリア周辺の土地

  • 🔧 建築費高騰の影響を受けやすい鉄骨・RC造の建物が建つ敷地


では、今から何を準備できるでしょうか。一般的に語られない視点として「評価替え前の地目変更・用途変更のタイミング管理」があります。例えば、使っていない土地を農地として適法に活用すれば「農地評価」が適用され、評価額・課税額ともに大幅に下がる可能性があります。ただし市街化区域内の農地は宅地並み評価になる場合もあるため確認が必要です。


また、現在は「住宅用地の特例」が適用されている土地について、建物の老朽化が進んでいる場合は解体のタイミングを慎重に検討することが重要です。解体した翌年から特例が外れ税額が急増するリスクがあるため、解体する前に市区町村や税理士に相談することをおすすめします。


不動産投資の観点では、評価替えの周期を収支シミュレーションに組み込むことが基本です。例えば令和9年度の評価替えで固定資産税評価額が10%上昇した場合、評価額1,000万円の物件では固定資産税が年間約1.4万円増加します。物件数が多ければ影響額も大きくなります。複数物件を持つ投資家であれば、2027年度分の税額変動をあらかじめ収支計画に織り込んでおくことが安全策です。


評価替えを「3年に一度の確認イベント」として捉え、今から準備を始めることがコスト削減への近道です。


参考リンク:令和9年度評価替えに向けた地価動向と固定資産税への影響が詳しく解説されています。


固定資産税の評価替えとは?時期や固定資産税の下げ方を解説(マルイシ税理士法人)






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