
相続手続支援センターを利用する際の最も大きな制限として、電話による相談・回答に対応していない点が挙げられます。これは忙しい現代人にとって大きなデメリットとなる可能性があります。
対面相談のみという方針により、以下のような不便さが生じています。
また、具体的な相続税額については事前調査の段階で確認できないという重要な制限があります。これは遺産の分け方によって税額が確定するためですが、利用者にとっては不安要素となっています。
さらに、相続手続支援センターで受けられるサービスは限られるため、ご自身の相談内容がサービスに合っているかどうかの事前確認が必要です。すべての相続問題に対応できるわけではないという点は、利用前に十分理解しておく必要があります。
相続手続支援センターの料金体系について詳しく見ると、遺産総額の0.5%で最低料金は10万円という設定になっています。この料金設定に対する不満の声も一部で聞かれます。
費用に関する主な問題点。
一方で、他のサービスと比較すると割安な場合もあります。信託銀行と比べて7割以上安い料金を提供している相続手続サポート協会のような事業者もあり、料金の妥当性については相対的な判断が必要です。
ただし、事前調査報告書と見積もりは提供されるものの、最終的な費用が予想を上回る可能性もあるため、契約前の詳細な確認が重要です。
相続手続支援センターは相続手続きについてトータルサポートを謳っていますが、実際のサービス範囲には限界があります。
サービス範囲の制限。
年間3,000件超の相談実績を持つ北海道支部のような大規模な支部でも、すべてのケースに完璧に対応できるわけではありません。特に以下のような場合には注意が必要です。
また、税理士数の記載がない支部もあり、税務面でのサポート体制に不安を感じる利用者もいます。
表面的には見えにくい、相続手続支援センター利用時のデメリットも存在します。これらの点は事前に十分検討すべき要素です。
営業時間の制約
多くの支部が平日9:00~17:00の営業時間で、土日祝・定休日は休業となっています。働いている相続人にとっては相談しにくい環境です。
地域格差の問題
全国展開とはいえ、地域によってサービスの質や対応力に差があります。都市部と地方部では以下のような格差が生じている可能性があります。
情報の透明性への疑問
一部の事業者では、役所の封筒広告を「信頼の証」として宣伝するような、誤解を招く表現を使用するケースもあります。これは単に広告料を支払って掲載してもらっているに過ぎず、行政のお墨付きではありません。
専門性の限界
相続手続支援センターのスタッフが必ずしも各分野の専門家とは限らず、複雑な案件では外部の専門家への依頼が必要になる場合があります。この際の追加費用や責任の所在が不明確になるリスクがあります。
実際の利用者からの口コミを分析すると、相続手続支援センターの評価は二分される傾向があります。
ポジティブな評価
兵庫支部の利用者からは以下のような好意的な口コミが寄せられています。
北海道支部では**「スムーズに進める事ができて感謝」**「とても親切に教えてもらって手続きができた」といった声もあります。
注意すべき点
しかし、これらの口コミには以下のような留意点があります。
相談実績の信頼性
年間3,000件の相談実績を謳う事業者もありますが、これが新規相談なのか、継続案件を含むのか、電話での簡単な問い合わせも含むのかが明確でない場合があります。
対応品質のばらつき
口コミから読み取れるのは、担当者によって対応品質にばらつきがあることです。経験豊富なスタッフに当たれば満足度は高いものの、経験の浅いスタッフの場合は期待に応えられない可能性もあります。
相続手続支援センターを利用する際は、これらの悪評や制限事項を十分に理解した上で、複数の選択肢を検討することが重要です。相続税の申告は10ヵ月以内という期限がある中で、慎重かつ迅速な判断が求められます。