
相続に関する相談先は主に司法書士、弁護士、税理士の3つの専門家に分けられます。それぞれの特徴を理解することで、あなたの状況に最適な相談先を選択できます。
司法書士の特徴
司法書士は相続登記を独占業務として扱っており、不動産が含まれる相続では必須の存在です。2024年4月から相続登記が義務化されたため、司法書士への相談需要が急増しています。
弁護士の特徴
弁護士は法的紛争の解決プロフェッショナルです。相続人間でトラブルが発生している場合や、遺言書の有効性に疑問がある場合には弁護士への相談が最適です。
税理士の特徴
相続税が発生する可能性がある場合(基礎控除額3,000万円+600万円×法定相続人数を超える場合)は、税理士への相談が不可欠です。
相続相談の費用体系は専門家や事務所によって大きく異なります。適切な相談先を選ぶために、費用構造を理解しておきましょう。
無料相談の活用方法
多くの事務所で初回相談を無料で提供しています。無料相談では以下の点を確認しましょう。
無料相談を複数の事務所で受けることで、費用やサービス内容を比較検討できます。
報酬体系の種類
費用相場の目安
手続き内容 | 司法書士 | 弁護士 | 税理士 |
---|---|---|---|
相続登記 | 5-10万円 | 10-20万円 | - |
遺産分割協議書作成 | 3-8万円 | 10-30万円 | - |
相続税申告 | - | - | 20-100万円 |
相続争いの解決 | - | 30-100万円 | - |
適切な相続相談先を選ぶためには、以下の評価基準を用いて総合的に判断することが重要です。
専門性と実績の確認方法
相続案件の実績数は専門性を測る重要な指標です。以下の点をチェックしましょう。
実際に事務所のWebサイトや面談時に、具体的な実績数を確認することをおすすめします。「相続登記を年間500件以上処理」「相続税申告実績1,000件超」など、具体的な数値で示している事務所は信頼性が高いといえます。
コミュニケーション能力の重要性
相続手続きは長期間にわたることが多く、専門家との良好なコミュニケーションが成功の鍵となります。
初回相談時の対応で、その事務所のコミュニケーション姿勢を判断できます。
アクセスの良さと利便性
相続手続きでは複数回の打ち合わせが必要になることが多いため、事務所の立地も重要な選択基準です。
最近では、コロナ禍の影響でオンライン相談に対応する事務所が増えています。遠方の専門性の高い事務所に相談したい場合は、オンライン対応の有無を確認しましょう。
相続に関する無料相談サービスを効果的に活用することで、コストを抑えながら適切な相談先を見つけることができます。
自治体の無料相談サービス
多くの市区町村で相続に関する無料法律相談を実施しています。
自治体の無料相談は中立的な立場でアドバイスを受けられるメリットがありますが、時間制限があるため、事前に質問を整理しておくことが重要です。
法テラスの利用方法
法テラス(日本司法支援センター)では、収入要件を満たす方に対して無料の法律相談を提供しています。
法テラスの相談には収入制限がありますが、該当する場合は非常に有効な選択肢です。
専門家事務所の無料相談
多くの法律事務所や司法書士事務所で初回無料相談を実施しています。
無料相談を受ける際は、以下の資料を準備しておくと効果的です。
相続相談先選びで失敗を避けるために、以下の点に注意が必要です。
悪質業者の見分け方
残念ながら、相続分野にも悪質な業者が存在します。以下の特徴がある業者は避けましょう。
特に相続開始直後は精神的に不安定な状態にあるため、冷静な判断が重要です。
契約前の確認事項
専門家と契約する前に、必ず以下の点を書面で確認しましょう。
報酬に関する確認事項
業務範囲の明確化
複数の専門家が必要なケース
相続案件によっては、複数の専門家の協力が必要になることがあります。
このような場合は、各分野の専門家同士が連携できる体制があるかを確認することが重要です。多くの事務所では、他分野の専門家とのネットワークを持っており、ワンストップでサービスを提供できる体制を整えています。
相続は人生で何度も経験することではないため、適切な専門家選びが非常に重要です。焦らずに複数の選択肢を検討し、あなたの状況に最も適した相談先を選択してください。また、相続手続きは期限が設けられているものもあるため、早めの相談開始をおすすめします。
最後に、相続は単なる手続きではなく、故人への最後の贈り物でもあります。専門家と協力しながら、故人の意思を尊重し、相続人全員が納得できる解決を目指しましょう。