宿泊税一覧で分かる各自治体の制度と税率

宿泊税一覧で分かる各自治体の制度と税率

宿泊税一覧で分かる各自治体の制度と税率

全国の宿泊税導入状況
📊
導入済み自治体

2025年現在で12自治体が宿泊税を導入済み

導入予定自治体

2026年までに23自治体が新たに導入予定

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検討中の自治体

92自治体が宿泊税の導入を検討中

宿泊税導入済み自治体の一覧と税率

現在宿泊税を導入している主要な自治体は以下の通りです :
参考)宿泊税が課税される全国の自治体の一覧について!それぞれの税率…

 

都道府県レベルの導入地域

  • 東京都:1万円~1万5千円未満(100円)、1万5千円以上(200円)
  • 大阪府:7千円~1万5千円未満(100円)、1万5千円~2万円未満(200円)、2万円以上(300円)
  • 福岡県:県内一律200円(福岡市・北九州市を除く)

市町村単独導入地域

  • 京都市:2万円未満(200円)、2万円~5万円未満(500円)、5万円以上(1,000円)
  • 石川県金沢市:2万円未満(200円)、2万円以上(500円)
  • 北海道倶知安町:宿泊料金の2%
  • 福岡市:2万円未満(150円)、2万円以上(450円)
  • 北九州市:一律150円
  • 長崎市:1万円未満(100円)、1万円~2万円未満(200円)、2万円以上(500円)

これらの自治体では、宿泊料金は素泊まり料金を基準として計算され、消費税や食事代は含まれません 。
参考)宿泊税/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Pr…

 

宿泊税の免税点と課税対象額

宿泊税には免税点が設定されており、一定額未満の宿泊では課税されません 。
参考)宿泊税とはどんな税金?東京都・大阪府などの税額一覧をまとめま…

 

主要自治体の免税点

  • 東京都:1万円未満は課税されない
  • 大阪府:2025年9月から5千円未満に引き下げ(従来は7千円未満)
  • 京都市:免税点なし(全額課税)
  • 金沢市:5千円未満は課税されない

大阪府では2025年9月1日から制度改正が実施され、免税点が7千円未満から5千円未満に引き下げられました 。同時に税率も見直され、5千円以上7千円未満の宿泊に200円の税額が新設されています。
参考)大阪府 宿泊税改定のお知らせ - ホテル関西公式Webサイト

 

この変更により、より幅広い宿泊者が宿泊税の対象となり、大阪府の税収増加が見込まれています。

 

宿泊税導入予定と検討中の自治体状況

全国的に宿泊税導入の動きが加速しており、今後の導入予定は以下の通りです :
参考)【2025年版】全国で増える宿泊税、どこがいくら? 導入地域…

 

2025年導入済み・予定

  • 愛知県常滑市:2025年1月~(一律200円)
  • 静岡県熱海市:2025年4月~(一律200円)
  • 北海道ニセコ町:2024年10月~(段階的税率)

2026年以降導入予定

  • 長野県全域:2026年6月予定(県と市町村の重複課税)
  • 軽井沢町:6千円以上1万円未満(300円)、1万円以上10万円未満(350円)、10万円以上(800円)

共同通信のアンケート調査によると、32都道府県の92自治体が新たに宿泊税導入を検討中です 。これは全自治体の約5%にあたる規模で、観光収入の増加とインフラ整備財源確保への期待が背景にあります。
参考)宿泊税、全国92自治体が検討 訪日客増で導入拡大(共同通信)…

 

総務省が同意した自治体数は2025年で35に達し、うち12が導入済み、23が2026年までの導入を予定しています 。
参考)総務省、新たに10自治体の「宿泊税」の新設に同意

 

宿泊税の納入手続きと事業者対応

宿泊税の徴収は特別徴収制度により、宿泊施設が利用者から預かって自治体に納入する仕組みです 。
参考)宿泊税申告納入/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osak…

 

手続きの流れ

  1. 宿泊税特別徴収義務者としての登録申請
  2. 毎月末日までに前月分の申告納入
  3. 申告すべき宿泊税額が0円の場合も申告書提出が必要

大阪府では2023年10月からeLTAXによる電子申告が開始され、事業者の利便性向上が図られています 。宿泊料金が一定額未満の施設は登録義務免除対象となりますが、届出書の提出は必要です。
参考)宿泊税特別徴収義務者登録申請/大阪府(おおさかふ)ホームペー…

 

宿泊業者にとって留意すべき点は、宿泊契約や支払日に関わらず宿泊日基準で適用されることです。特に大阪府のような制度改正時期には、宿泊日によって異なる税率が適用されるため注意が必要です。

 

宿泊税による地域経済効果と課題

宿泊税導入による効果は各地で実証されています 。
参考)https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/report2006_2-1.pdf

 

経済効果の実例

  • 福岡市:2023年度の宿泊税収は前年比47%増の28億円
  • 大阪府:H28~R5年の8年間で40事業に約50.9億円を充当
  • 東京都:2002年の導入以来、安定的な観光予算財源として機能

宿泊税収は観光振興、インフラ整備、多言語化対応、夜景観光整備などに活用されており、持続可能な観光地づくりに貢献しています。

 

一方で課題も指摘されています。小規模宿泊事業者では事務負担が大きく、納税者が納得できる使途の明示が求められています 。また、購入者価格上昇による消費需要減少の懸念もあり、税率設定には慎重な検討が必要です 。
金融業従事者として把握しておくべき点は、宿泊税が地域の財政基盤強化と観光産業の持続的発展を両立させる仕組みとして機能していることです。インバウンド需要の回復とともに、今後さらなる自治体での導入拡大が予想されます。

 

大阪府の宿泊税制度に関する詳細情報と最新の税率改定内容
総務省による宿泊税新設同意状況と手続きに関する公式資料