

ローカルファイルをSpotifyで同期しようとして失敗した場合、月額1,080円のプレミアム料金が丸ごと無駄になります。
Spotifyのローカルファイル機能は、PCやスマホに保存してある音楽をSpotifyアプリ内で再生できる機能です。ストリーミング配信されていないCDリッピング曲や自作音源を、Spotifyのプレイリストに組み込んで管理できるため、使いこなせると非常に便利です。
ただし、Spotifyが対応しているファイル形式には明確な制限があります。確認しておかないと、取り込んでもグレーアウトして再生できないという状況になります。
対応形式は以下の通りです。
| 形式 | 対応状況 | 備考 |
|------|----------|------|
| MP3 | ✅ 対応(推奨) | 最も安定して動作する |
| M4P | ⚠️ 一部対応 | DRMなしのもののみ |
| MP4(音声のみ) | ⚠️ 条件付き | QuickTimeインストール済みのMacのみ |
| WAV | ❌ 非対応 | 認識されないことが多い |
| FLAC | ❌ 非対応 | M4AのApple Lossless変換推奨 |
| M4A(ALAC) | ❌ 不安定 | 一部の環境では動作するが保証なし |
FLACやWAVが非対応というのは意外に感じる方も多いです。音質にこだわって高解像度ファイルを持っている方は、まずMP3への変換が必要になります。これは知らないと損する情報です。
また、もう一つ重要な前提として、スマホ間の同期にはSpotify Premiumへの加入が必須です。PCのデスクトップアプリでのローカル再生は無料プランでも可能ですが、PCからスマホへ同期してオフライン再生するにはプレミアムプランに加入している必要があります。日本では2025年8月の料金改定以降、Standardプランは月額1,080円です。
つまりMP3形式が条件です。
Spotifyのローカルファイルに関する公式サポート情報はこちらで確認できます。
設定手順はPCとスマホで異なります。それぞれの環境に合わせて確認しましょう。まずPCでの設定が「親機」として必要で、スマホ同期はその後の工程になります。
PC(Windows/Mac)での設定手順
ここで一つの落とし穴があります。ローカルファイルタブに表示されているだけでは、スマホには同期されません。必ずプレイリストに入れることが条件です。
スマホ(Android)での設定手順
iPhoneでの追加確認項目
iPhoneにはAndroidにはない権限設定が必要です。iOSの「設定」アプリからSpotifyを開き、「ローカルネットワーク」へのアクセスがオンになっているかを確認してください。これがオフのままだと、PCと同じWi-Fiにいても互いを認識できません。
設定画面の場所はやや深い階層にあります。「設定」→「Spotify」→「ローカルネットワーク」の順で進むだけなので確認しておきましょう。
これは必須の手順です。
なお、ブラウザ版(Web版)のSpotifyではローカルファイル機能は利用できません。必ずデスクトップアプリをインストールした状態で行う必要があります。
設定が合っているのに同期できない場合、多くはWi-Fi環境に原因があります。これがSpotifyのローカルファイル同期で最も見落とされやすいポイントです。
絶対に守るべき3つのWi-Fi条件
| 条件 | 内容 |
|------|------|
| ① 同一SSID | PCとスマホが同じWi-Fi名に接続されていること |
| ② 同一周波数帯 | 2.4GHzと5GHzが混在していないこと(同じ帯域を使用) |
| ③ VPN・AP隔離なし | VPNアプリやルーターの「AP隔離」「プライバシーセパレーター」がオフ |
この3つのうちどれか1つが欠けるだけで同期は失敗します。特に「見た目上は同じWi-Fiだが周波数帯が違う」というケースは非常に多く、実際に同期できないトラブルの原因として上位に入ります。
同じWi-Fiにいることが原則です。
Windowsのネットワーク設定も要確認
Windowsでは、Wi-Fiのネットワークプロファイルが「パブリック」に設定されているとSpotifyの通信が遮断されます。以下の手順でプライベートに変更しておきましょう。
この設定変更は1分以内で完了します。「パブリック」のままにしておくと、Windowsのセキュリティ機能がSpotifyのローカル通信を外部接続とみなしてブロックするため、必ず確認してください。
また、セキュリティソフト(ウイルスバスター、ノートンなど)がSpotifyの通信をブロックしているケースも珍しくありません。同期を試みる際は一時的にリアルタイム保護をオフにして確認するのが有効です。
Androidの場合は省電力モードがオンになっていると、Wi-Fi環境でもバックグラウンド通信が遮断されることがあります。「設定」→「アプリ」→「Spotify」→「バッテリー」→「制限なし」を選択しておきましょう。
設定も手順も正しいのに同期されない、またはグレーアウトして再生できない場合には、いくつかの具体的な原因が考えられます。
よくある失敗パターン一覧
| 症状 | 主な原因 | 解決策 |
|------|----------|--------|
| 曲名がグレーアウト | ファイル形式が非対応 or DRM付き | MP3形式に変換する / DRM付きは使用不可 |
| ダウンロードが進まない | PCとスマホの通信が確立できていない | Wi-Fi環境を確認・同一ネットワークに接続 |
| プレイリストは見えるが曲が空 | PCのSpotifyが起動していない | PC側のSpotifyを起動したまま同期を試みる |
| iPhoneで認識されない | ローカルネットワーク権限がオフ | iOS設定でSpotifyのローカルネットワーク許可をオン |
| AndroidでSDカード保存後に失敗 | SDカードへの保存制限 | Spotifyの保存先を「本体ストレージ」に変更 |
DRM(デジタル著作権管理)付きのファイルについては、解除することはできません。iTunes Storeで2009年以前に購入した楽曲や、一部のサブスクサービスからダウンロードしたデータはDRM保護がかかっている場合があり、Spotifyのローカルファイルとして読み込めません。
対策としては、DRMフリーの音源(CD等から自分でリッピングしたMP3など)を使用することが基本です。
キャッシュのリセット手順
設定もファイルも問題ないのに改善しない場合は、Spotifyのキャッシュが蓄積・破損している可能性があります。以下の手順でクリアしてください。
キャッシュ削除後はダウンロードしていた曲が消える場合があります。再ダウンロードが必要になる点だけ注意してください。
Spotifyの再生トラブル全般に関する公式の解説はこちらが参考になります。
金融に関心のある方が音楽サービスをどう選ぶか、という観点でSpotifyのローカルファイル機能を考えてみましょう。これは一般的なレビューサイトでは語られない独自視点です。
Spotifyのプレミアムプランは日本で月額1,080円です。年間に換算すると12,960円になります。一方、Apple MusicのIndividualプランは月額1,080円(同額)、Amazon Music Unlimitedは月額980円と、主要サービスの価格帯は年々収束してきています。
この「どれも似たような月額」の状況で差が出るのは、実際に使える機能の範囲と、セットアップにかかる時間コストです。
| サービス | 月額(日本・個人) | ローカルファイル同期 | 配信楽曲数 |
|----------|-----------------|---------------------|-----------|
| Spotify Premium | 1,080円 | ✅ 対応 | 1億曲以上 |
| Apple Music | 1,080円 | ✅ 対応(iCloud連携) | 1億曲以上 |
| Amazon Music Unlimited | 980円 | ❌ 非対応 | 1億曲以上 |
| YouTube Music Premium | 980円 | ✅ 対応(Android限定) | 非公開 |
金融的な判断をするなら、サービスの「月額÷実際に使う機能数」で考えることが有効です。
CDコレクションや自作音源が多い方にとって、Spotifyのローカルファイル機能は同じ月額でも実質的な価値が大きく変わります。たとえば手持ちのCDが100枚あるとして、それをすべてストリーミングサービスに委ねると配信されていないタイトルが相当数出てきます。Spotifyのローカルファイル機能を使えば、その「配信されていない曲」をプレイリストに混ぜて一元管理できます。
これは使えそうです。
逆に言えば、ローカルファイルを使う予定が全くないなら、Amazon Music UnlimitedやYouTube Music Premiumの方が月額100円安くなります。年間1,200円の差は小さいようですが、10年続けると12,000円の差になります。これは10年間の新NISA積立に換算すると、月100円分の投資元本に相当します。
もちろん音楽の楽しみ方は人それぞれですが、「月額を払っている機能を本当に使いこなしているか」を定期的に確認するのは、日常のサービス費用を最適化するうえで大切な視点です。
Spotify日本での料金改定(2025年8月)の詳細情報(musicman掲載)
一度設定に成功しても、OSのアップデートやルーターの変更で再び同期が止まることがあります。快適な状態を維持するためには、定期的なメンテナンスの習慣が必要です。
安定運用のための3つの習慣
まず、ファイルの整理を徹底することです。Spotifyが認識しやすいMP3形式に統一し、ファイル名に「/」「:」「?」などの特殊文字が入らないようにします。ID3タグ(曲名・アーティスト名・アルバム名)が正しく入力されていると、プレイリストの管理も格段に楽になります。ID3タグの編集には「Mp3tag」(Windows)や「Kid3」(Mac/Linux)などの無料ツールが使いやすいです。
次に、同期用フォルダを一か所にまとめることです。デスクトップや複数の場所にファイルが散らばっていると、Spotifyが見つけられず認識エラーになることがあります。「Spotify同期用」など名前をつけた専用フォルダを作り、そこをSpotifyのソースに指定すると管理がシンプルになります。
さらに、Dropbox・GoogleドライブなどのクラウドストレージをSpotifyのソースフォルダとして指定する方法もあります。PC本体ではなくクラウド上にファイルを置くことで、PCを買い替えたときも再設定が容易になります。
月1回のキャッシュ削除がトラブル予防になります。
Spotifyはキャッシュが肥大化すると動作が重くなり、同期エラーの原因になります。スマホのストレージが逼迫してくると、Spotifyが内部的にファイルを削除してしまうケースもあります。AndroidとiOSどちらも、「設定」→「アプリ」→「Spotify」→「ストレージ」からキャッシュの容量を定期的に確認しておきましょう。
また、プレイリストは1つに曲を詰め込みすぎると同期に時間がかかります。100〜300曲程度に小分けすることで同期が安定しやすくなります。
Spotifyのバージョンは常に最新を保つことも基本です。
アップデートを後回しにしていると、古いバージョンとの非互換で同期が失敗する場合があります。自動更新をオンにしておくか、月に一度アプリのバージョンを確認する習慣をつけておくとよいでしょう。
最後に、同期が成功した状態のときにプレイリスト構成をメモやスクリーンショットで保存しておくことをおすすめします。万一リセットが必要になったとき、設定を復元する手間が大幅に減ります。
Spotifyのオフライン再生と同期の仕組みについての公式情報は以下で確認できます。