モメンタム戦略で資産価格のトレンドを捉える投資法

モメンタム戦略で資産価格のトレンドを捉える投資法

モメンタム戦略とは

モメンタム戦略の基本概念
📈
価格の勢い

上昇基調にある資産は今後も上昇する可能性が高いという考え方

🔄
一貫したルール

相対的に上昇基調の強い資産に投資配分を増加させる戦略

⏱️
タイムスパン

3ヶ月〜12ヶ月の期間で好調なパフォーマンスを示す資産に注目

モメンタム戦略とは、資産価格のトレンド(勢い)に着目した投資手法です。この戦略の基本的な考え方は、「上昇基調にある資産は今後も上昇する可能性が高く、下落基調にある資産は今後も下落する可能性が高い」というシンプルな原理に基づいています。
モメンタム投資家は「市場の勝者は勝ち続け、敗者は負け続ける」と考え、上昇トレンドにある金融商品を購入し、下落トレンドにあるものを売却または空売りする戦略をとります。この考え方は物理学の「運動量(モメンタム)」の概念から来ており、一度動き始めた物体はその方向に動き続ける傾向があるという原理と似ています。
具体的には、過去3ヶ月から12ヶ月の間に好調なパフォーマンスを示した資産に投資し、不調だった資産からは資金を引き上げるというアプローチを取ります。この戦略は、人間の心理的な傾向である「ハーディング(群衆行動)」を利用しており、多くの投資家が上昇している資産に注目することで、さらに価格が上昇するという循環を生み出します。

モメンタム戦略の効果的な実践方法

モメンタム戦略を効果的に実践するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、過去のパフォーマンスを測定する期間を決定する必要があります。一般的には過去9ヶ月間のパフォーマンスを計測し、その結果に基づいて資産配分を決定します。例えば、ダイワDBモメンタム戦略ファンドでは、4つの投資対象(米国株式、米国長期金利、金、米ドルキャッシュ)から過去9ヶ月間のパフォーマンスが高い順に順位付けし、第1位の資産に70%、第2位の資産に30%を配分するという方法を採用しています。
次に、配分比率の見直し頻度を決めます。一般的には3ヶ月から9ヶ月ごとに見直しを行います。頻繁に見直すと取引コストが増加しますが、市場の変化に素早く対応できるメリットがあります。逆に、見直し頻度を低くすると取引コストは抑えられますが、市場の変化に対応できない可能性があります。
また、リスク管理も重要です。モメンタム戦略はトレンドが急に反転するリスクがあるため、ストップロス注文などを活用してリスクを管理することが必要です。特にボラティリティが高い市場では、トレンドが急に反転する可能性が高いため、注意が必要です。

モメンタム戦略と他の投資戦略の比較

モメンタム戦略は他の代表的な投資戦略と比較すると、独自の特徴があります。以下の表で主な投資戦略との違いを比較してみましょう。

投資戦略 基本的な考え方 投資期間 リスク・リターン特性
モメンタム戦略 上昇基調の資産に投資 中期(3ヶ月〜12ヶ月) 高リターン・中リスク
バリュー投資 割安な資産に投資 長期(数年) 中リターン・低リスク
グロース投資 成長性の高い企業に投資 長期(数年) 高リターン・高リスク
インデックス投資 市場全体に分散投資 超長期(10年以上) 市場平均リターン・市場平均リスク