時効の援用を自分でやった方法と注意点

時効の援用を自分でやった方法と注意点

時効の援用を自分でやる方法

時効の援用を自分でやる3つのポイント
📅
時効期間の確認

借金の種類によって異なる時効期間を正確に把握する

📝
時効援用通知書の作成

必要事項を漏れなく記載した通知書を準備する

✉️
内容証明郵便での送付

証拠を残すため、内容証明郵便で債権者に送付する

時効の援用の手続きを自分で行う前の確認事項

時効の援用を自分で行う前に、以下の2点を必ず確認しましょう:

  1. 借金の時効期間が経過しているか
  2. 債権者から裁判を起こされていないか

 

借金の時効期間は、民法改正前後で異なります:

  • 2020年3月31日以前の借金:消費者金融や金融機関からの借金は5年、個人間の借金は10年
  • 2020年4月1日以降の借金:主観的起算点から5年または客観的起算点から10年のいずれか早い方

 

時効期間が経過しているかどうかは、信用情報機関に情報照会を行うことで確認できます。債権者からの督促ハガキや封書などでも確認可能です。

時効援用通知書の作成方法と記載すべき内容

時効援用通知書には、以下の内容を記載します:

  1. 宛先(債権者の名称と住所)
  2. 差出人(自分の氏名と住所)
  3. 時効を援用する旨の意思表示
  4. 対象となる債務の特定(借入日、借入額など)
  5. 最終弁済日
  6. 時効期間が経過していることの説明

 

通知書の書き方例:

〒〇〇〇-〇〇〇〇

東京都〇〇区〇〇 〇〇ビル〇階
〇〇株式会社御中

 

〒〇〇〇-〇〇〇〇
埼玉県〇〇市〇〇番〇号
〇〇〇〇 印
TEL 090-〇〇〇〇-〇〇〇〇

 

前略

 

私こと〇〇〇〇の貴社に対する以下の債務については、最終弁済日である20〇〇年〇月〇日より既に5年以上経過しており、時効が成立していますので、本書をもって時効を援用します。

 

なお本書面は債務の存在を承認するものではありませんので、お含みください。

 

(以下、債務の詳細を記載)

内容証明郵便の送付手順と注意点

内容証明郵便の送付手順は以下の通りです:

  1. 時効援用通知書を3通作成する(1通は自分の控え、2通は郵便局提出用)
  2. 最寄りの郵便局で内容証明郵便の手続きを行う
  3. 配達証明も付けることをおすすめします

 

内容証明郵便の費用は以下の通りです:

  • 基本料金:84円
  • 一般書留料金:435円
  • 配達証明料金:320円
  • 内容証明料金:440円~

 

合計で約1,200~1,500円程度かかります。

時効の援用を自分でやる際のリスクと注意点

時効の援用を自分で行う際には、以下のリスクと注意点があります:

  1. 時効期間の誤認:最終返済日を誤って計算し、時効が成立していないのに援用してしまうリスク
  2. 債務の承認:援用の過程で誤って債務を承認してしまい、時効がリセットされるリスク
  3. 裁判の見落とし:債権者から裁判を起こされていたことを見落とし、時効が成立していないケース
  4. 書類作成ミス:必要事項の記載漏れや誤りにより、援用が無効になるリスク

 

これらのリスクを避けるためには、慎重に手続きを進める必要があります。不安な場合は、専門家に相談することをおすすめします。

時効の援用の成功率と失敗した場合の対処法

時効の援用の成功率は、正しく手続きを行えば高いと言えます。ただし、以下のような場合は失敗する可能性があります:

  • 時効期間を経過していないのに手続きしてしまった
  • 裁判を起こされていた
  • 債務の承認をしてしまった

 

失敗した場合の対処法としては、以下のような選択肢があります:

  1. 債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)
  2. 分割払いの交渉
  3. 債権者との和解交渉

 

専門家に相談し、最適な解決方法を見つけることが重要です。

 

時効の援用に関する詳細な情報は、以下のリンクで確認できます:

 

法務省:民法(債権関係)の改正に関する情報
民法改正による時効期間の変更について詳しく解説されています。

時効の援用を専門家に依頼するメリットと費用

時効の援用を専門家(弁護士や司法書士)に依頼するメリットには以下のようなものがあります:

  1. 正確な時効期間の判断
  2. 適切な書類作成
  3. 債権者との交渉サポート
  4. 裁判対応(必要な場合)
  5. 心理的負担の軽減

 

専門家に依頼する場合の費用は、一般的に以下のようになります:

専門家 費用(1社あたり)
弁護士 3万円~
司法書士 3万円~

 

※債務額140万円までの場合(司法書士)

 

実費(郵送料など)は別途かかる場合があります。複数の債権者がいる場合は、それぞれに対して費用がかかります。

 

専門家に依頼する場合のメリットと費用について詳しくは、以下のリンクを参照してください:

 

日本弁護士連合会:借金問題解決の手引き
債務整理や時効の援用に関する専門家への相談方法が詳しく解説されています。

 

以上が、時効の援用を自分で行う方法と注意点についての解説です。時効の援用は重要な法的手続きであり、慎重に進める必要があります。自信がない場合や複雑なケースの場合は、専門家に相談することをおすすめします。適切な対応により、借金問題から解放され、新たな人生のスタートを切ることができるでしょう。