借金の時効援用を自分で行うには、まず時効期間が経過しているかを確認し、時効援用通知書を作成して、内容証明郵便で債権者に送付する必要があります。これらの手順を正しく踏むことで、専門家に依頼せずに時効の援用を行うことができます。
時効の援用を行うには、まず借金の種類に応じた時効期間が経過しているかを確認する必要があります。一般的な借金の時効期間は以下の通りです:
時効期間の起算点は、最後に返済した日や督促を受けた日などから計算します。ただし、2020年4月1日以降に発生した債務については、債権者が権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年のいずれか早い方が時効期間となります。
時効期間を確認するには、以下の方法があります:
特に個人信用情報機関への開示請求は、自分で行うことができる有効な方法です。CIC、JICC、KSCの3つの機関があり、それぞれに開示請求を行うことで、借金の詳細な情報を確認できます。
時効期間が経過していることを確認したら、次は時効援用通知書を作成します。通知書には以下の内容を記載する必要があります:
時効援用通知書の書き方例:
令和〇年〇月〇日
〒〇〇〇-〇〇〇〇
東京都〇〇区〇〇 〇-〇-〇
〇〇株式会社 御中
〒〇〇〇-〇〇〇〇
〇〇県〇〇市〇〇町〇-〇-〇
債務者 〇〇 〇〇
時効援用通知書
私こと〇〇〇〇の貴社に対する以下の債務については、最終弁済日である平成〇年〇月〇日より既に5年以上経過しており、時効が成立していますので、本書をもって時効を援用いたします。
記
1. 契約日:平成〇年〇月〇日
2. 借入額:〇〇〇,〇〇〇円
3. 契約番号:〇〇〇〇〇〇〇〇
なお、本書面は債務の存在を承認するものではありませんので、お含みください。
また、貴社が保有する私の個人信用情報につきましては、すみやかに削除していただきますようお願いいたします。
以上
この例を参考に、自分の状況に合わせて内容を調整してください。
時効援用通知書を作成したら、内容証明郵便で債権者に送付します。内容証明郵便は、郵便局が文書の内容を証明してくれる特殊な郵便サービスです。送付の手順は以下の通りです:
内容証明郵便を送付する際の注意点:
内容証明郵便の料金は、文書の枚数や文字数によって異なりますが、基本的に1,500円程度です。配達証明サービスを利用する場合は、追加で数百円かかります。
内容証明郵便の詳細な手続き方法や料金について(日本郵便公式サイト)
時効の援用を自分で行うことには、以下のようなメリットとデメリットがあります:
メリット:
デメリット:
自分で行うか専門家に依頼するかは、借金の金額や複雑さ、自分の状況などを考慮して判断しましょう。
時効の援用を行うと、個人信用情報にも影響があります。通常、借金の滞納情報は個人信用情報機関に登録され、一定期間(5年間)保存されます。この情報は、新たにローンを組む際やクレジットカードを作る際の審査に影響を与えます。
時効の援用が認められた場合、以下のような流れで個人信用情報が更新されます:
ただし、時効の援用が認められても、すぐに個人信用情報が削除されるわけではありません。債権者の対応や個人信用情報機関の処理に時間がかかる場合があります。
また、時効の援用によって借金が消滅しても、過去の返済遅延の事実自体は消えません。そのため、新たな与信審査の際には、時効援用の事実が考慮される可能性があります。
個人信用情報の開示請求を行い、自分の信用情報を確認することで、時効援用後の情報更新状況を把握することができます。
以上が、借金の時効援用を自分で行う方法とそのポイントです。時効の援用は法的な手続きであり、誤った対応をすると時効の利益を失う可能性もあります。自信がない場合や複雑な事情がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家のアドバイスを受けることで、より確実に時効の援用を行うことができ、将来的なトラブルを防ぐことができます。