crmとはマーケティングで顧客関係を管理し収益を最大化する手法

crmとはマーケティングで顧客関係を管理し収益を最大化する手法

CRMとはマーケティングで顧客関係を管理し収益を最大化する手法

口座を持つだけでは、あなたの資産は8割の「お荷物顧客」に分類されている。


この記事の3ポイント
📊
CRMとはマーケティングの中核手法

CRM(顧客関係管理)は単なる名簿管理ではなく、顧客データを分析して関係性を深める経営戦略。金融業界でも急速に普及中です。

💰
新規獲得コストは既存顧客の5倍

「1:5の法則」により、新規顧客を獲得するコストは既存顧客へのアプローチの5倍。CRMでLTV最大化が収益改善の近道です。

🏦
金融×CRMで個人ローン申込が10倍に

仙台銀行はCRM導入後、個人ローンの申込金額が従来比約10倍に。RFM分析などのセグメント手法が成果を生んでいます。


CRMとはマーケティング用語でどんな意味を持つのか


CRMとは「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。商品やサービスを売るだけでなく、顧客との関係性を継続的に管理・強化することで、双方の利益を最大化するマネジメント手法全般を指します。


ここで押さえておきたいのは、CRMは「ソフトウェア」と「経営手法」の二つの意味で使われるという点です。「CRMを導入した」と言うときは専用ツール(システム)のことを指すケースが多く、「CRM戦略を立てた」と言うときは顧客管理の方針・考え方を指すことが多いです。どちらの意味で使われているか、文脈で判断する必要があります。


金融に興味がある方にとってわかりやすい例で言えば、銀行が「住宅ローンを組んだ顧客が5年後に教育資金の相談をしてきそうなタイミングで、ぴったりの商品案内を送る」という行動がCRMマーケティングの典型です。つまり「誰に・いつ・何を届けるか」をデータで設計する仕組みです。


CRMという概念が生まれた背景には、1990年代以降のインターネット普及があります。オフライン中心だった顧客接点が多様化し、顧客情報を一元管理・分析する必要性が急速に高まりました。これが基本です。


シナジーマーケティング「CRMとは?マーケティング用語集」
CRMの定義・語源・考え方の基礎が丁寧に解説されています。


CRMとSFA・MAの違い:マーケティングで混同しやすい3つの概念

CRMを理解するうえで、よく混同されるのが「SFA(Sales Force Automation)」と「MA(Marketing Automation)」です。意外ですね。この3つはそれぞれ異なる目的・対象のツールであり、正しく使い分けることが重要です。


まずMAは「見込み顧客(リード)」を育てるためのツールです。まだ購入や契約をしていない潜在顧客に対して、メールや広告などを通じて段階的にアプローチし、購買意欲を高めます。金融の文脈で言えば、「証券口座の開設に興味を持ちそうなユーザーに対してセミナー案内を送る」といった動作がMAの担当領域になります。


SFAは「商談中の見込み顧客」を管理するツールです。営業担当者の行動や案件の進捗を可視化し、受注確率を高めることが目的です。商談管理・パイプライン管理が中心と言えます。


対してCRMは「既存顧客」との関係を深めることに特化しています。顧客のプロフィール・取引履歴・行動履歴を一元管理し、リピート購入やアップセル・クロスセルを促進します。金融で例えると、「普通預金しか持っていない既存口座ユーザーに、投資信託の案内を届ける」行動がCRMの典型です。


| ツール | 対象顧客 | 主な目的 |
|---|---|---|
| MA | 見込み顧客(リード) | リード育成・ナーチャリング |
| SFA | 商談中の顧客 | 営業活動の可視化・効率化 |
| CRM | 既存顧客 | 関係強化・LTV最大化 |


つまり3つはセットで機能するものです。MAで育てた見込み顧客をSFAで商談化し、成約後はCRMで長期的に関係を維持する、というのが理想の流れになります。


Salesforce「SFA・CRM・MAの違いや活用方法とは?」
三つのツールの役割の違いと連携のポイントが図解付きで整理されています。


CRMマーケティングの核心:LTVと「1:5の法則」で理解する顧客価値

CRMマーケティングが重視される最大の理由は、「LTV(顧客生涯価値)」の最大化にあります。LTVとは、一人の顧客が取引を通じて生涯にわたって企業にもたらす収益の総額のことです。


なぜLTVが重要かを理解するうえで欠かせないのが「1:5の法則」です。これは、新規顧客に販売するためのコストは、既存顧客へ販売するコストの5倍かかるという法則で、アメリカのコンサルティング企業Bain & Companyのフレデリック・ライクヘルド氏が提唱したものです。


金額に換算するとわかりやすいです。既存顧客への金融商品の案内に1万円のコストで済む場面でも、新規顧客を獲得するには5万円かかる計算になります。一定の売上を維持するだけなら、既存顧客を大切にする方がコストパフォーマンスは圧倒的に優れています。


さらに関連する「5:25の法則」も知っておくと得です。これは顧客の離脱率を5%改善するだけで、利益が最低でも25%改善されるという法則です。CRMは新しい顧客を増やすだけでなく、今いる顧客が離れないようにする「顧客リテンション」にも大きく貢献します。


たとえば証券会社の場合、資産運用口座を持つ顧客が毎月1万円を積み立てて30年間続けてくれれば、その人のLTVは360万円です。その顧客が他社へ乗り換えてしまうと、以降の収益は全てゼロになります。たったの5%の離脱率改善が、会社全体で見ると25%以上の収益改善につながるのです。これは使えそうです。


三ツ江「1:5の法則と5:25の法則」
二つの法則の仕組みとCRMへの活用意義が詳しく説明されています。


CRMマーケティングの代表的な分析手法:RFM分析でセグメントを設計する

CRMマーケティングの実務において最も広く使われる分析手法のひとつが「RFM分析」です。RFMとは以下の3指標の頭文字をとったものです。


- Recency(直近購買日):最後にいつ購入・利用したか
- Frequency(購買頻度):どのくらいの頻度で利用しているか
- Monetary(購買金額):合計でどのくらいの金額を使っているか


この3軸でスコアリングすることで、顧客を「優良顧客」「休眠顧客」「新規顧客」「離脱リスク顧客」などのグループに分類できます。顧客を細かく分ける(セグメントする)ことで、各グループに最適なアプローチを設計できるのがポイントです。


金融機関での具体例を見てみましょう。じぶん銀行(三菱UFJ銀行とKDDIの合弁)では、顧客データを分析した結果、実に口座保有者の約8割が収益にほとんど貢献していない「費用だけがかかる顧客」であることが判明しました(EnterpriseZine, Teradata Partners 事例)。この驚きのデータをもとに、CRMを活用した200通り以上のシナリオ設計を行い、顧客エンゲージメントの改善に取り組んだのです。


銀行業界でのRFM分析の活用は続きます。Rスコアが低い(最終利用が遠い)顧客にはリアクティベーションメール(再活性化施策)、Fスコアが高い(利用頻度が高い)顧客にはプレミアムサービスの案内、Mスコアが高い顧客には資産運用提案、というように各セグメントにアクションを対応させます。


RFM分析は、Excelの基本関数でも実施できる点も実用的です。VLOOKUP関数やIFSを使って各顧客にRFMスコアを付けるだけで、簡易版のセグメント分類は完成します。大規模な専用ツールがなくても始められます。


LinkedIn「銀行業務におけるRFM顧客セグメンテーション分析の活用方法」
銀行業でのRFM分析の具体的な手順と活用パターンが解説されています。


金融機関でのCRMマーケティング導入事例と失敗しない運用のポイント

CRMマーケティングの効果は、金融業界の実際の導入事例に如実に表れています。結論から言えば、成功事例は「課題の明確化」が出発点になっています。


宮城県の仙台銀行では、個人ローンの申込低迷を課題と特定し、CRMシステムを刷新しました。複数の保証会社の情報をCRMで一元管理できるようにしたことで審査フローが改善され、さらにWebサイトやランディングページを顧客のニーズに合わせて最適化。その結果、施策前と比べて個人ローンの申込金額が約10倍にまで拡大しました(シナジーマーケティング 仙台銀行事例)。1.5倍や2倍ではなく、10倍という数字は驚異的です。


一方で、CRM導入の6〜7割が失敗するとも言われています。主な失敗原因として多いのが、「導入すること自体がゴールになってしまい、活用戦略がない」ケースです。ツールを入れるだけでは、現場の担当者が使い方を覚えられず、データが蓄積されないまま形骸化します。


失敗しないための運用ポイントは、大きく分けて3つあります。


1つ目は「KPIを具体的に設定する」ことです。「顧客満足度を上げる」では曖昧すぎます。「解約率を3%改善する」「クロスセル率を15%向上させる」といった数値目標が必要です。


2つ目は「現場の担当者と目的を共有する」ことです。CRMの入力作業が現場の負担になると定着しません。どのデータをなぜ入力するのかを丁寧に説明し、担当者が「自分の業務にも役立つ」と感じる環境を作ることが条件です。


3つ目は「小さく始めて段階的に拡張する」ことです。いきなり全社導入するのではなく、特定の部署・商品カテゴリからスモールスタートし、成功事例を社内で共有しながら横展開するのが賢明です。


金融分野でCRMを学ぶ際に参考になるのが、Salesforceが提供する「Financial Services Cloud」のような業界特化型CRMツールです。銀行・保険・証券会社向けの機能が充実しており、規制対応やセキュリティ要件も考慮されています。こうした専門ツールを活用することで、金融業界特有の課題(顧客情報の機密性、厳しいコンプライアンス要件)を踏まえた運用が実現します。


北日本銀行・仙台銀行などの実際の金融機関でのCRM導入事例と成功ポイントがまとめられています。


HubSpot「なぜCRM導入の6割は失敗するのか?成功のための実践ガイド」
CRM導入が失敗する構造的パターンと、定着させるための具体的なステップが解説されています。






【14万部突破】貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください (サンクチュアリ出版)