特定保健指導の基準2025年度の変更点と対応策

特定保健指導の基準2025年度の変更点と対応策

特定保健指導の基準・2025年度の変更点と現場対応

腹囲2cm・体重2kgを達成した対象者は、支援回数ゼロでも特定保健指導が終了扱いになります。


特定保健指導 基準 2025年度の3つのポイント
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アウトカム評価の導入

腹囲2cm・体重2kg減を達成すれば、介入量にかかわらず積極的支援が終了。支援回数よりも「結果」が問われる時代に。

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動機付け支援の中間支援廃止

2025年度(令和7年度)から、動機付け支援における中間支援が廃止。初回面接と最終評価の2段階構成に変更。

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遠隔支援の拡充

ICTを活用した遠隔保健指導が対面と同等の評価水準に。在宅勤務・遠隔地勤務の対象者にも対応しやすくなった。


特定保健指導の2025年度基準:階層化の判定値と対象者の条件

特定保健指導の対象者を判定するための数値基準は、第4期(2024年度〜)から一部見直されています。2025年度もこの基準が継続適用されます。


判定の起点となる腹囲の基準は、男性85cm以上・女性90cm以上が「判定基準A」、BMI25以上で腹囲が基準未満の場合が「判定基準B」です 。この2つの基準をもとに、リスク数に応じて「動機付け支援」または「積極的支援」に振り分けられます。 daikyokenpo.or(https://www.daikyokenpo.or.jp/wp-content/uploads/sidou_hantei_2025.pdf)


対象外となる重要な条件があります。高血圧症・糖尿病・脂質異常症で服薬治療中の方、インスリン注射をしている方は、特定保健指導の対象になりません 。また、65歳以上75歳未満の方は積極的支援ではなく動機付け支援の対象です 。 kyoukaikenpo.or(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/iwate/assets/20250321001.pdf)


つまり「腹囲・BMIが引っかかったら必ず積極的支援」ではありません。


服薬中かどうかの確認は、健診当日の問診・質問票で行います。見落としがあると対象者判定が誤り、保険者への報告にも影響するため注意が必要です。


区分 腹囲 BMI 追加リスク数 支援レベル
判定基準A 男性85cm以上・女性90cm以上 問わない 1〜2つ 動機付け支援
判定基準A 男性85cm以上・女性90cm以上 問わない 3〜4つ 積極的支援
判定基準B 基準未満 25以上 1〜3つ 動機付け支援
判定基準B 基準未満 25以上 4つ 積極的支援


特定保健指導の積極的支援でアウトカム評価が使える条件

第4期から導入されたアウトカム評価は、積極的支援の現場を大きく変えています。これは重要な変更点です。


アウトカム評価の主要達成目標は「腹囲2cm・体重2kg減」です 。初回面接から3ヶ月以上経過後の実績評価時にこの数値を達成していれば、それまでの介入量(支援ポイント数)にかかわらず積極的支援が終了できます 。 niph.go(https://www.niph.go.jp/journal/data/74-3/202574030009.pdf)


東京ドームをイメージするより、こんな数字の方がわかりやすいかもしれません。「2kg」はペットボトル2本分、「2cm」はボールペン1本の直径よりやや細い程度の腹囲変化です。この変化を3ヶ月で達成できれば、支援の継続は不要です。


アウトカム評価が使えます。


ただし、BMI30以上の対象者には別の基準が適用されます。腹囲2cm以上かつ体重2kg以上の減少が必要になる場合もあり、BMI30未満とは条件が異なります 。現場でBMI別の基準を混同しないよう注意が必要です。 saiki-kenpo.or(https://www.saiki-kenpo.or.jp/member/health/checkup03.html)


なお、主要目標を達成しなかった場合でも、「腹囲1cm・体重1kg減」または行動変容が認められた場合は部分的な成果として評価されます 。指導の記録を詳細に残しておくことが、報告精度を上げる鍵です。 okuma-kenpo.or(https://www.okuma-kenpo.or.jp/health_index/measure)


参考:アウトカム評価の効果を実証した研究(国立保健医療科学院)
特定保健指導後の腹囲体重減少達成状況別の生活習慣病発症に関する研究(国立保健医療科学院)


特定保健指導の2025年度変更点:動機付け支援の中間支援廃止の実務的影響

2025年度(令和7年度)から、動機付け支援における中間支援が廃止されます 。これは現場の工程管理に直接影響します。 city.osaka.lg(https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000650/650952/ryuuijikou1ishikai2hokenshidou.pdf)


これまでの動機付け支援は「初回面接→中間支援→最終評価(6ヶ月後)」の流れでした。2025年度以降は中間支援なしで「初回面接→最終評価」の2段階に変わります。支援のシンプル化と言えますが、中間接触がなくなることで対象者のフォローアップが薄くなるリスクもあります。


これは痛いところですね。


ただし、令和7年(2025年)3月31日までに初回面接を実施した対象者については、旧ルール(中間支援あり)が適用される経過措置があります 。2025年4月以降に初回面接を開始した対象者のみ新ルール適用となるため、タイミング管理が混乱しないよう注意が必要です。 city.osaka.lg(https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000650/650952/ryuuijikou1ishikai2hokenshidou.pdf)


  • 2025年3月31日以前に初回面接 → 旧ルール(中間支援あり、動機付け支援料の継続支援部分が26,103円の50%分)
  • 2025年4月1日以降に初回面接 → 新ルール(中間支援廃止)


対象者ごとの初回面接日を正確に把握することが条件です。


参考:大阪市の委託機関向け通知(令和7年度変更内容)
令和7年度の特定保健指導における主な変更内容(大阪市)


特定保健指導の基準2025:遠隔支援の実施要件と現場活用のポイント

在宅勤務・遠隔地勤務の拡大を受け、ICTを活用した遠隔保健指導が整備されました。2024年度以降、遠隔で行う保健指導は対面と同等の評価水準・時間設定が認められています 。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001127418.pdf)


これは使えそうです。


遠隔支援が認められるのは、情報通信機器(ビデオ通話など)を用いてリアルタイムで実施する場合です。メールやチャットのみでの支援は原則として対面・遠隔いずれの評価にも使えない点に注意が必要です。また、初回面接を遠隔で実施する場合は、対象者の同意取得と通信環境の確認が前提となります。


特定保健指導の遠隔実施に対応したシステムやツールとして、医療機関向けのビデオ通話プラットフォームや健診管理システムが複数提供されています。遠隔支援の導入を検討する際は、保険者との事前確認と実施記録の管理方法を一度整理しておくと安心です。


医療従事者が見落としがちな特定保健指導の中性脂肪の新基準と随時採血の扱い

第4期から、中性脂肪について随時採血の基準値が追加されました 。これはあまり知られていない変更点のひとつです。 m3hd.co(https://m3hd.co.jp/blog/sSdXdRUu)


従来、中性脂肪の判定は空腹時採血の数値を前提としていました。しかし、健診当日の食事摂取状況によって空腹時採血が難しいケースがあります。この場合、随時採血(非空腹時)の基準値を用いた判定が可能になりました。


随時採血が対応可能になったということです。


空腹時の中性脂肪基準値は150mg/dL以上ですが、随時採血(食後)の場合はより高い基準値が設定されています。現場でこの区別を意識しておかないと、リスクの過小・過大評価につながります。特に特定健診を午前・午後で実施する医療機関では、受診者の食事状況の確認と採血タイミングの記録を徹底することが重要です。


  • 🩸 空腹時(最終食事から10時間以上):中性脂肪150mg/dL以上でリスク該当
  • 🍱 随時採血(食後など):第4期より基準値が別途設定 → 保険者・実施機関マニュアルで確認必須


健診実施マニュアルの最新版(第4.3版)は厚生労働省サイトで公開されています。


参考:最新の実施手引き(第4.3版、2025年12月更新)
特定健診・特定保健指導について(厚生労働省)


参考:第4期見直しの全体概要(厚生労働省PDF)
第4期特定健診・特定保健指導の見直しについて(厚生労働省)