
海外に資産を持つ方の相続税課税は、被相続人と相続人の居住地と国籍によって複雑に決まります。
日本国籍を有している場合の課税ルール 📋
外国籍の方の課税ルール 🌐
この制度は平成29年度税制改正で大幅に見直され、従来の「5年ルール」から「10年ルール」に変更されました。富裕層による国際的租税回避に対する関心の高まりを受けて、課税逃れ防止策が強化されています。
納税義務者判定の具体例 💡
例えば、日本国籍の方がアメリカに10年以上居住後に相続が発生した場合、海外資産は日本の相続税対象外となりますが、10年未満であれば全世界財産が課税対象となります。
海外不動産の相続税評価は、日本国内の路線価システムが適用できないため、時価評価が原則となります。
海外不動産評価の具体的手法 🏘️
国税庁の財産評価基本通達5-2では、「国外にある財産についても、この通達に定める評価方法により評価することに留意する。なお、この通達の定めによって評価することができない財産については、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」と定めています。
節税効果の限界 ⚠️
日本国内不動産では路線価と時価の乖離により相続税評価額が下がる効果がありますが、海外不動産は時価評価が原則のため、「海外不動産を購入しただけでは、相続税の節税は難しい」のが現実です。
ハワイのコンドミニアムを1億円で購入した場合、相続税評価も時価の1億円となり、評価減効果は期待できません。むしろ資産価値の変動リスクや為替リスクを考慮すると、節税目的での海外不動産投資は推奨されません。
海外資産を相続した場合の申告手続きは、国内資産とは異なる複雑な要素があります。
国外財産調書の提出義務 📋
申告漏れのペナルティ ⚠️
国外財産調書を提出していない状態で申告漏れがあった場合、過少申告加算税等が5%加重されます。逆に、期限内に提出していれば5%軽減される優遇措置もあります。
正当な理由なく期限内に提出しなかった場合や偽りの記載をした場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。
相続手続きの複雑性 🌍
国際相続では弁護士、税理士などの専門家への依頼が推奨されます。
富裕層による海外移住を通じた相続税回避策には、厳格な制限が設けられています。
10年ルールによる課税逃れ防止 🚫
平成29年度税制改正により、国外居住期間の基準が「5年超」から「10年超」に延長されました。これにより、相続税を免れるためには被相続人と相続人が相続発生の10年以上前からその国に居住している必要があります。
海外移住の現実的制約 🛫
CRS(共通報告基準)による情報交換 🔍
国税当局は外国税務当局から情報提供を受けるCRSシステムを活用しており、海外資産の把握能力が向上しています。日本人が海外の金融機関に保有する口座は約55万に及び、申告漏れの発見率も高まっています。
令和元年事務年度の相続税務調査では、海外資産の申告漏れなどの非違件数が過去最高となりました。
相続税がない国への移住検討 💭
シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、スウェーデンなど相続税のない国もありますが、実際の移住には相当な決意と準備が必要です。
日本の相続税制度を世界各国と比較すると、税率の高さが際立ちます。
世界相続税最高税率ランキング 🏆
実効税負担率の国際比較 📊
税率だけでなく基礎控除額も含めた実効税負担率では、相続財産額により順位が変動します。
3億円相続の場合の税負担率
11億円超の高額相続の場合
課税価格が11億円を超えると、日本が世界第1位の負担率となり、20億円では第2位のイギリスと5%近い差が生じます。
相続税制度がない主要国 🌏
これらの国々の中には、富裕層誘致のために意図的に相続税を廃止した国もあります。シンガポールは2008年2月15日に相続税を廃止し、国際金融センターとしての地位向上を図りました。
各国制度の特徴的な違い 🔍
日本の相続税制度は国際的に見て税率が高い一方で、配偶者控除や小規模宅地等の特例など、家族の生活維持に配慮した制度設計となっています。海外移住による節税を検討する際は、制度の違いだけでなく、生活環境の変化や法的リスクも総合的に判断する必要があります。