

sdカードとsdhcカードの違いを理解するうえで、まず押さえたいのが「規格名と容量の範囲」です。
一般的に「SD(またはSD Standard Capacity)」と呼ばれるsdカードは最大2GBまでの容量しか持てず、古いデジカメやオーディオプレーヤーで使われてきた初期規格です。
一方でsdhcカードは「SD High Capacity」の略で、規格上の容量範囲は4GB〜32GBに限定されています。
この容量帯は、フルHD動画撮影や旅行の写真保存、監視カメラの数日〜数週間分の録画など、日常的な用途には十分なボリュームを確保しやすいゾーンと言えます。
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見落とされがちですが、容量とセットで意識したいのがファイルシステムです。
sdカードは基本的にFAT16、sdhcカードはFAT32でフォーマットされる前提になっているため、同じ「SDカードスロット」を名乗っていても内部の扱いが変わってきます。
参考)【SDカード】SDカード・SDHCカード・SDXCカードの違…
金融機関の端末や古い業務機では、FAT16を前提にしたロジックや制約が残っているケースもあり、sdhcカードを差しても認識されなかったり、容量を正しく読み取れないことがあります。
このため、端末側のマニュアルやスペック表で「SDHC対応」と明記されているかどうかを最初に確認するのが、安全な運用の第一歩になります。
参考)SDカードはどう選べば良い?SDHCカード、SDXCカードと…
同じ容量のカードでも、体感速度が大きく変わる要因がスピードクラスとUHS(Ultra High Speed)規格です。
sdカード世代では「Class 2」「Class 4」といった低いクラスが中心でしたが、sdhcカード以降は「Class 10」をはじめ、UHS-I対応によって最大104MB/sの転送速度が扱えるようになっています。
パッケージやカード本体には、丸いCマークに数字が入った「スピードクラス」、U字の中に数字が入った「UHSスピードクラス」、そしてV10〜V90といった「ビデオスピードクラス」が並ぶことがあります。
参考)スピードクラス?容量?SDカードの規格の違いと選び方とは?
これらはすべて「最低保証速度」を示す指標であり、連続録画や高ビットレート動画では特に重要になります。
参考)https://www.fsi-embedded.jp/embedded_news/sdcard/vol4/
例えば、フルHD動画であればClass10(C10)やU1、V10以上あれば多くのケースで問題なく使えますが、4K動画や高フレームレート監視カメラの運用ではU3やV30以上が推奨されます。
金融機関の店舗やATM周辺の防犯カメラで、細かい動きや文字情報を確実に残したい場合は、単に容量だけでなくこうした速度クラスを意識したカード選定が欠かせません。
参考)防犯カメラのプライバシーマスクって何? - ソリッドカメラ
また、UHS-IIやUHS-III、さらにはSD Expressといったより新しい規格になると、理論上の最大転送速度は300MB/s〜数GB/sに達しますが、これらは主にSDXCカード以降で活用される領域です。
参考)SD および microSD カードの速度クラスガイド - …
sdカードとsdhcカードの違いを理解する際には、「SD=旧世代・低速帯」「SDHC=中容量・中高速帯」「SDXC=大容量・高速帯」という大まかなスミ分けをイメージしておくと整理しやすくなります。
実務で一番トラブルになりやすいのが、sdカードとsdhcカードの「互換性」の違いです。
多くの人が「スロットの形が同じだから差せば動くだろう」と考えがちですが、実際には機器側のコントローラやファームウェアがどこまでの規格に対応しているかで、結果が大きく変わります。
基本ルールとして、SDXC対応機器はsdカード・sdhcカード・sdxcカードのすべてを扱えることが多く、SDHC対応機器はsdカードとsdhcカードまで、それより古い「SD専用機」はsdカードしか正式にはサポートしていません。
sdhcカードをSD専用機に挿入すると、まったく認識しない、あるいは一部の容量しか表示されないなどの症状が起きる可能性があります。
防犯カメラやATMなど金融関連の機器では、ファームウェア更新の頻度が家庭用機器より低いこともあり、最新規格への対応が遅れがちです。
参考)防犯カメラの映像を見る方法とは? 開示請求時の対応や保存期間…
特に、遠隔地の店舗や無人端末に設置されたカメラでは、現地訪問のコストも高くつくため、「とりあえず32GBのsdhcカードを挿しておけば安心」といった安易な判断は、後々のトラブル要因になり得ます。
互換性の観点で意外と見落とされるのが、OSやバックアップ側の制約です。
記録自体はカメラや端末が行うとしても、証跡の抽出や長期保管のためにPCやNASで読み込む際、その環境がFAT32しか扱えない、あるいはSDXC特有のexFATに未対応といったケースも残っており、カード規格とシステム全体の対応状況をセットで設計することが重要です。
金融に関心のある読者にとって、sdカードとsdhcカードの違いは単なるガジェットの話ではなく、「証跡管理」「コンプライアンス」「コスト管理」に直結するテーマになります。
ATMや店頭の決済端末、店舗内の監視カメラなどでは、取引映像や操作ログをSDカードに記録し、一定期間を経過したら自動的に上書きする運用が一般的です。
ここで注意したいのが、sdhcカードの容量を増やせば増やすほど「削除されるまでの期間が伸びる」と同時に、「故障したときに失われるデータ量」も一気に増えるというトレードオフです。
特に一般的なコンシューマ向けのsdhcカードは書き換え回数に限界があり、24時間365日録画し続けるような用途では、想定よりも早く寿命が尽きてしまうことがあります。
このため、金融機関や小売チェーンの中には、通常のsdhcカードではなく「監視カメラ専用」「高耐久」と明記されたモデルを採用し、書き換えサイクルや動作温度範囲を重視して選定しているケースがあります。
一見すると同じ32GBのsdhcカードでも、価格差の背景にはこうした耐久性やエラー訂正機能の違いがあるため、費用対効果を考える際には「単価/ギガ」ではなく「単価/期待稼働日数」といった視点で比較する発想が有効です。
もう一つの落とし穴は、プライバシーとセキュリティの観点です。
防犯カメラ映像をsdカードに保存している場合、カード自体が小さく持ち運びやすいため、悪意ある第三者による持ち出しや、紛失による情報漏洩リスクが常につきまといます。
最近では、映像の一部をマスクしてクレジットカードの暗証番号やキーパッド操作を映らないようにする機能が普及しており、これも最終的にはsdカード上のデータとして残されます。
「容量が足りるか」「規格に対応しているか」だけでなく、「盗まれたときに何が見えてしまうか」「暗号化やアクセス制御はどうするか」といった視点まで含めて、sdカードとsdhcカードの使い分けを考えることが、金融領域では重要になります。
金融の世界では、投資判断において「初期コスト」「運用コスト」「リスク要因」をバランスさせることが基本ですが、sdカードとsdhcカードの選び方にも同じ発想を応用できます。
例えば、安価なsdカードを多数使い捨てる戦略と、高耐久のsdhcカードを少数で長期間使う戦略では、表面的なコストは似ていても、運用負荷やダウンタイム、証跡欠損リスクまで含めると総コストが大きく変わる可能性があります。
具体的には、以下のような観点で「資産」としてのSDメディアを評価すると整理しやすくなります。
同じ32GBでも、書き換え回数が少ないコンシューマ用sdhcカードと、高耐久監視用カードでは「1GBあたりの有効寿命」が異なります。
投資リターンに相当する指標として、「1円あたり何時間の録画を安全に任せられるか」を意識すると、単価の高いカードの合理性が見えやすくなります。
1枚の大容量sdhcカードに全カメラ分の記録を集約するよりも、複数枚に分散しておいた方が、1枚故障時の損失を抑えられます。
これはポートフォリオ理論における分散投資と似た考え方で、「カード1枚あたりに背負わせるリスク量」を意識して構成を決めるのがポイントです。
金融庁ガイドラインや社内規程で定められた保存期間を満たすには、sdカードとsdhcカードの容量だけでなく、書き込みモードや上書き設定も合わせて設計する必要があります。
映像を一定期間経過後に自動削除するのか、別メディアへ退避するのかによって、最適なカード規格や容量バランスは変わってきます。
sdカードとsdhcカードの違いを「ガジェットの豆知識」で終わらせず、こうした投資・リスク管理のフレームワークで見直すと、情報システム部門や店舗運営の現場とも建設的な議論がしやすくなります。
小さなカード1枚の選定ですが、その裏にはコンプライアンスコストやオペレーションリスクが折り重なっていると考えると、金融に携わる人にとっては見過ごせないテーマではないでしょうか。
金融機関や業務用機器での規格・互換性や速度クラスの概要と実務上の注意点について、より詳しい図表付きの解説が掲載されています。
SDXCカードとは?SDカードやSDHCカードとの違い(NTTドコモ おうちネットプレス)

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